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神ゲームの最古参 ~私の師匠は猫さんです~  作者: ma-no
二章 猫の訓練と卒業

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028 次の段階


 猫さんのスパルタ指導を受けた私は、夕食時にお兄ちゃんに弟子入りはやめたほうがいいと説得したけど聞き入れてもらえず。

 死ぬほど厳しくしてもらえばいいんだ。てか、死ぬと思うから、できれば忘れろ。ガディバ風のチョコはあげません。


 翌日も昨日と同じメニューをこなしていたら、後半は別メニューがあるらしい……


「柔らかいのを所望します!!」

「う~ん……プリンと杏仁豆腐とシュークリームとチョコムースとティラミスがあるんにゃけど、どれがいいにゃ?」

「全部!!」

「1個に絞れにゃ~」


 私が渋い顔をしていたから猫さんはやる気アップのネタを出したと思うけど、そんなに出すのが悪いと思う。食べたくなるじゃない!!

 とりあえずお持ち帰り用にもう1個くれると言うので手を打とう。てか、私、ワガママだな……猫さんが美味しい物をくれるのが悪いと思う。


 おやつの杏仁豆腐をツルンと美味しくいただいたら、別メニューの開始だ。


「さっきの逆を追加するってだけにゃ。魔法、飛び込む、剣。んで、返す刀で剣、飛び退きにゃがらの魔法にゃ。要はヒットアンドアウェイにゃ。これにゃら追ってこれないからにゃ~」

「み、見本、いいですか?」

「そうだにゃ。よく見ておかないと見えないからにゃ~?」

「……みっ! 見える速度でやってください!!」


 危ない。聞き流すところだった。猫さんは冗談とか言ってたけど、スパルタスの冗談は冗談に聞こえないんだよ。

 猫さんは一瞬ステータスボードを出した気がするけど気のせいかな? 一声かけて、ファイアーボールを放った。


 その動きは、美しいの一言。猫さんは放ったファイアーボールに追い付きそうなぐらい近くを追う。

 剣は斜めに上から下、下から上に二回振ったはずなのに木を殴った音は一度しか鳴らない。

 後ろに飛び退いた動きは前に飛んだ時と同じ軌道で、いつ放ったかもわからないファイアーボールが木に着弾したと同時に猫さんは着地した。


 まさに流れるような動き。全ての無駄を取り除いた洗練された動きに、私は瞬きも息をするのも忘れていたのであった……



「大丈夫にゃ? お~い??」

「ハッ!?」


 猫さんの動きが綺麗すぎて私は数秒固まっていたら、猫さんが目の前で手を振っていた。


「凄いです! 目を奪われてしまいました! なんでそんなチンチクリンな体なのに、あんなに美しく動けるのですか!!」

「褒めるにゃらチンチクリンとか言わないでくれにゃい?」


 私、大興奮。猫さんをディスっていることにも気付かず褒め称えているよ。


「ちゃんと見たってことでいいんだにゃ?」

「ちゃんと見ましたし、頭の中にも刻まれました。でも、正直言うと、綺麗すぎてよくわからなかったですぅぅ」

「どんにゃ動きをしたかだけでいいんにゃ……仕方ないにゃ~」


 猫さんはスキル画面を開いて、ふたつの映像を並べる。それは休憩前の私の動画と、さっきの猫さんの動画だ。


「うわ~……私、無駄な動きばっかり~。猫さんよりチンチクリンに見えるよ~」

「それ、褒めてないからにゃ? まぁ無駄な動きがわかったのは褒めてやるにゃ。巻き戻すと……ここにゃ。剣を切り返して振り切った瞬間に後ろに跳んでるにゃろ?」

「は、はい」

「その空中で魔法を撃つのがベストにゃ。着地してからでは相手は動けてしまうから、撃つかやめるかの判断が必要になるんにゃ。または、反撃にあうからにゃ」

「ほへ~。そんなに考えて戦っているんですか~」

「考えずにやってるヤツもいるけどにゃ~」


 こんな難しいことを考えずにできる人なんて猫さんぐらいだと言ったら、めっちゃいるらしい。


「スパルタスのランキングに入ってるほとんどのヤツらは、頭を使わず勘だけで戦ってるにゃ。所謂(いわゆる)、戦闘の天才ってヤツだにゃ」

「え? みんな、こんな動きできるんですか?」

「できる人もいるし、無駄が多いのにそれを覆す動きをする人もいるにゃ。マジで人間だと思えない動きしてくるにゃよ?」

「うん。猫さん見てたらわかります」

「見た目の話じゃないにゃよ?」


 見た目は……うん。関係ない関係ない。猫さんより変な動きをする人がいると理解した。理解はしたけど、想像はできないけどね。


「さ、訓練再開にゃ~」

「はいっ!!」


 いい見本があると、やりやすくなるってモノ。私は目を見張るほどの急成長を遂げるのであった。


「ま~だ魔法の感覚掴めてないにゃよ~?」


 私視点で、目を見張る急成長ですよ!



 その日の夕食も、猫さんの話題。私が猫さんの動きを説明するが、誰にも伝わらなかった……


「猫が美しい?」

「毛並みの話??」


 だって、見た目に難があるもん!


「だからね。剣の話だって。動作が洗練されすぎてて見惚れたの。言うなれば、陸上金メダリストの走り方みたいな? 無駄が全て省かれた理想的なフォームなの」

「剣も陸上もわかりません……」


 ママには諦められました。PHOプレイ時の戦闘スタイルが魔法使いでは、剣も陸上も想像できないってさ。


「よくわからないけど、スパルタスは別次元の強さってことだな? 早くスキルポイント溜めてネコさんに弟子入りしてやる!!」


 お兄ちゃんはメラメラ燃えてる。これはやっちまったかも? バカなお兄ちゃんを焚き付けてしまった……猫さんゴメンなさい! あと、お兄ちゃんにも謝っておく! ゴメン!!


 面倒くさがりの猫さんがお兄ちゃんにトラウマを植え付ける姿が想像できてしまった私は、心の中で2人に謝罪するのであった……


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