表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神ゲームの最古参 ~私の師匠は猫さんです~  作者: ma-no
一章 猫に弟子入り

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/50

024 インド料理


 猫さんに女子力でも負けた私は意気消沈。今日は料理を作るんじゃなくて、包丁の使い方を習うことになりました。ここまでできないなんて思ってもいなかったよ!

 野菜を見よう見マネで切って猫さんに渡せば、チェックされて手直しされて、フライパンの中に。ダメならダメって言ってほしい。皮に付いた身を凝視しないで。分厚いのは重々承知しております。


 あとは薬草をみじん切りにするように言われていたから、ひたすら切っていると、辛い匂いが鼻に飛び込んできた。


「これが、カレーになるんですか?」

「にゃ? ああ~。ルウからの作り方しか知らないんにゃ。本格的にゃカレーは、各種スパイスを炒めて作るんにゃ」

「へ~。ママ、手を抜いてたんだ~」

「それ、ママさんに言ってやるにゃよ? 日本中の主婦を敵に回す行為だからにゃ」

「私、そんなに酷いこと言ったのですか!?」


 たった一言で日本中の主婦が敵になるなんて思ってなかった。ルウで作るカレーは立派な料理なんだからと猫さんに教えてもらったから、もう言いません。でも、信じられないからママに聞いてみよっと。


 そうして薬草のみじん切りを大量に積み上げていたら、猫さんの料理は終わったとのこと。ちょっと寝かせたほうが美味しいらしいので、レベリングに移行する。

 まずは山盛りの薬草みじん切りの使い道。グラム数を量って錬金釜に入れて混ぜるだけで、初級回復薬の品質がちょっとだけ良くなった。本当に猫さんは無駄がないな……


 次は外に出て、MP消費。回復薬は作りまくったので、魔法系のスキルに経験値を与える。そして剣士系に変えて、突き刺したり斬ったり。戦技を使ってSPも消費する。

 それを繰り返したら、待ちに待ったカレーだ。


「ナニコレ~~~!!」


 猫さんのカレー、別次元。もうこれはカレーではなく、別の何かだ。猫汁と名付けよう!


「口に合わなかったかにゃ?」

「ううん。すっごく複雑な味なのに甘いも辛いもまとまってて美味しすぎる。初めての味だから驚いただけです。猫汁、美味しいですぅぅ」

「喜んでくれたのはいいんにゃけど、猫汁ってにゃに? すんごいマズそうな名前にゃんだけど……」

「料理上手な猫さんにリスペクトした名付けです!」

「これ、ただの本格インドカレーにゃよ? そう書いてるにゃろ??」

「ホントだ!?」


 私、興奮しすぎたみたい。私はやっちまったと顔を赤くして、おかわりをねだるのであったとさ。



 3時のインドカレーを食べすぎた私は10分ぐらい動けなかった。これ以上食べたらスリップダメージになっていたと猫さんに言われたけど、たぶん、ギリギリまで食べさせたんだと思う。

 猫さんって、身をもってわからせるタイプなんだもん。動けていたら、もう一回おかわりした可能性は無きにしろ(あら)ず。


 あとはバグエリアを出てモンスター狩り。いい感じにカロリーを消費できたと胸を撫で下ろしていたら、PHOでは体型の変化は呪いとかを受けた時ぐらいらしい……ゲームだもん。


 気分良くしてたんだから、言わなくてもいいと思うよ?



 ログアウトして夕食時になったら、さっそくママにあのことを聞いてみよう。


「ママ、猫さんが言ってたんだけど。カレーを作る時、ルウを使うの手抜きって言ったら日本中の主婦が怒るって本当?」


 無邪気に聞いてみただけなのに、ママは深刻な顔で私の前にゆっくり座った。


「カノちゃん。絶対に外でそんなこと言っちゃダメ。命に関わるから……」

「そこまでなの!?」


 猫さんの忠告、事実でした。ママは「これは母親が口伝のみで娘に伝える話」と切り出して教えてくれる。

 どうやらカレーは簡単な料理の部類らしい。その上、美味しいから大人気。2日目でもバカな子供とバカな夫は喜んで食べてくれるから、一食考えなくてよくなって楽なんだとか(注・ママ個人の考えです。口伝もウソでした)。


「猫さん、料理も上手いの。本格インドカレー、すっごく美味しかったんだよ?」

「また手の込んだ物作ったわね……ママも猫さんに弟子入りしようかしら?」

「パパは止めたのに?」


 今日も今日とて、夕食の話題は猫さん。我が家は猫さんの話題で尽きないのであった……



 翌日ログインしたら、食材を適当に買って戦闘しながらバグエリアへ。料理考えるの面倒なの。猫さんに任せた。

 猫さんは今日も噛み噛み歌ってツリーハウスを作っていたので、挨拶したら草刈り。いや、薬草刈り。買ってきた食材を広げたら、筑前煮が作れるとのこと。


 なので猫さんは野菜の切り方の見本を見せたら、また木に登って行った。猫か。猫だった。

 私は頑張って野菜を切るけど難しい。面取りってしなくちゃいけないの? 煮込んだら一緒じゃないの??


 なんとか不揃いでも切り終えたら、タイムアップ。続きは明日で、今日はレベリングだ。なんだか私も猫さんみたいに効率的な倒し方になってきたな。

 猫さんはそんな私をジーッと見てることが多くなったから気になる。猫みたいな仕草だな。あ、猫だ。


 3時頃になるとちょっと休憩。今日のおやつは何かな~とワクワクしながらバグエリアに戻った。


「チャイって飲んだことあるにゃ?」

「いえ。初耳です。なんですかそれ?」

「インドのお茶にゃ。ミルクとスパイスが入った甘い紅茶なんにゃ」

「へ~。美味しそうですね~」

「じゃあ、今日は茶菓子もインド風ドーナツにしとくにゃ~」


 海外旅行すらしたことないから、インド料理はウェルカム。昨日、私がインドカレーを気に入っていたから出してくれたんだな。

 お茶はちょっとクセはあるけど甘くて美味しいし、ドーナツも甘くて……あっまっ! 甘すぎ!? なんでシロップに浸けてるの??


「にゃはは。ビックリするぐらい甘いにゃろ~?」

「は、はい……嫌がらせか何かですか?」

「いんにゃ。お国柄にゃ。暑いと味が極端になるみたいだにゃ~」

「あ、辛い料理が多いんですよね。汗掻くためとか聞いたことあります」


 料理からでも勉強になるんだね。猫さんだったら、もっとイロイロな国の料理を知ってそうだ。


「そういえばPHOって世界中の人がしてるんですよね? それなのに日本語しか聞こえないし、外国人は見たことないような……」

「ああ~。初期は全世界の人が一緒にプレイできたんだけどにゃ~……」

「今はいないと……どうして一緒にできなくなったんですか??」


 猫さんは両手を組み合わせると、やや遠い目をして理由を語る。


「チミドロノ聖戦ってのがあったんにゃ……」


 面白そうな話……キタ~~~!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ