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神ゲームの最古参 ~私の師匠は猫さんです~  作者: ma-no
一章 猫に弟子入り

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021 初めての接近戦


 ドリル飛び込みジャンプの着地を見事に決めた猫さんは、照れ笑いしたあとは普通に喋り出したので私はストップ。着地の仕方を教えてほしいと頼んだけど、怖くてできない。

 素人が手を出すと、手が逆に曲がったり取れたりするんだって。それなら丸まっているほうが怪我は少ないらしい……どんだけ危険なことやらせているのよ!


「それで、基準ステータスは決めてきたにゃ?」

「決めましたけど、見てください。自信ないんで……」


 ドリル飛び込みジャンプの件はもう考えるのはやめよう。無駄だ。私はステータス画面を出して、メモ帳を表示する。


「平均値からやや素早さ寄りにゃ~……悪くにゃいけど、もうちょっと力と魔力に振ったほうがいいかにゃ~? こんにゃ感じにしたら、素早さを活かした魔法剣士になれるにゃよ?」


 猫さんが改造したステータスは、防御に必要な物を少しずつ削って攻撃力を上げるような感じ。ドリル飛び込みジャンプの着地ができない私には思い付かないステータスだ。


「ちなみに猫さんはどんな基準値なんですか?」

「力と素早さに全振りにゃ~」

「あ、じゃあ、猫さんが改造してくれた案で行きます」

「聞いておいてそれはなくにゃい?」


 そんなバンパーもないような暴走車、嫌だもん! 聞かなくてもわかるよ。全部避けて攻撃するでしょ!!


「ムウ……まぁいいにゃ。この誓約書にサインしてくれるかにゃ?」


 私は猫さんの出したウィドウを見て首を傾げる。


「誓約書ですか?」

「うんにゃ。今から体に触れるから、セクハラで訴えられたら困るからにゃ~。BANされちゃうんにゃ」

「そ、それは~……なんか怖いですね……」

「ちゃんと言っておくけど、整体でするようにゃマッサージをするだけだからにゃ? セクハラだと訴えられるようにゃところには触れないにゃ~。ここにも書いてるにゃ~」


 こんな誰も入れない場所で体を触られるのはちょっと怖い。ゲームの仕様的には卑猥なことはできないと聞いても、私は誓約書を熟読してからサインするのであったとさ。



 猫さんに基準ステータスを上書きしていただいた結果、私は昇天。たぶん、とんでもなくだらしない顔をしている。ヨダレも垂れまくりだ。

 その理由は、マットレスの代わりに騎獣の巨大猫ドラゴンのお腹に寝転び、猫さんの肉球で背中や手足をムニュムニュ押されたから。


 こんな天国ある? 断ってリハビリギルドに行かなくてよかった~~~!!


「あの~? もう終わったんにゃけど……」

「おかわりお願いしますぅぅ~」

「ドラゴンが悲しそうにゃ顔してるから降りてやってにゃ~~~」


 あんなマッサージ受けたら、動けなくても当然。しかしドラちゃんに嫌われたくないから私は降りようと思ったけど、力が入らない。

 そのことを告げたら、ドラちゃんに振り落とされた。猫さんがモフッと受け止めてくれたから、そっちにもヨダレがついたのか、めっちゃ嫌そうな顔をされました。


「次の行程いきたいんにゃけど……」

「まだ立てそうにありません……」

「とりあえず回復薬作れにゃ~」


 猫さんは芝生に私を下ろして、初級回復薬作りでMPがなくなるのを待つ。それでやっとこさ立てるようになったら、今度は走れとのこと。スパルタがすぎるよ~。あ、スパルタスだった。


「今までの速さと違うから、半分ぐらいの力から徐々にスピード上げるんにゃよ~?」


 いや、優しい。私の不甲斐ないところを怒ることもせずアドバイスしてくれるなんて。

 確かに今までの感じと違うから少し走りにくかったけど、何本も走れば慣れて来た。


「今でどれぐらいの割合にゃ?」

「八割ってところですかね? もうちょっと慣れたら全力出せそうです」

「そこまでくれば大丈夫にゃろ。ランニングは自主トレにして、一緒に狩りに行こうにゃ~」

「猫さんと狩り? 楽しみです~」


 初めての猫さんと一緒。私は言われた通り剣スキルだけセットして、フード付きマントを羽織った猫さんのあとをスキップで追いかけるのであった。



「今から慣れてない剣で戦うからにゃ。注意して戦うんにゃよ~?」


 装備は魔法使いの服に木剣。見た目もそうだが、木剣では攻撃力が不安だ。


「木の剣で戦うのですか?」

吾輩(わがはい)の作ったヒノキノツルギは、始まりの町で売ってる鉄製の剣より強いから大丈夫にゃ。プレイヤーの店に持ち込んだら、2、30万ゲアは堅いにゃ。ま、初心者装備では足元見られて千ゲアぐらいで買い叩かれるだろうにゃ~」

「これが30万ゲア……」

「売るにゃよ? 目を付けられて絡まれるからにゃ??」

「う、売りませんよ!!」


 30万ゲアなんて、私の手持ちの100倍。それだけあったら防具もかわいいの買えるな~っと思っただけです。夢ぐらい見てもいいじゃない。


「この辺のフィールドは腰より低いモンスターが多いから、そういうのは突き刺して倒すんにゃよ? 今までやった型が崩れるからにゃ」

「はい!」


 猫さんは森の奥に向かって歩いて行くので私も続く。そして歩き方の注意点を聞きながら進んでいるとスライムが4匹現れたので、手分けしてブスブスと木剣で突き刺した。


「簡単ですね」

「スライムだからにゃ」

「お兄ちゃんは、剣をめちゃくちゃ振ってたんですけど……」

「素人は剣を振りたくなるもんにゃ。無駄に大振りするんだよにゃ~」

「はい。なんとなくわかります……」


 私もズバッと斬りたいもん。猫さんの教えが効率的すぎて、ちょっとつまらないです。

 それからもスライムやウルフ、イモムシをブスブス刺して進む。イモムシは気持ち悪かったです。お兄ちゃんはブシャッと体液浴びていたから、ブスブス刺そうと心に決めました。


「ほい。ゴブリンいたにゃ。背が低いけど、あれぐらいにゃら型で対応可能にゃ~」

「やっとですね!」


 これこれ~! 剣でズバッと斬れて、気持ちいい~!!


「あ、オークいたにゃ。間合いが広いから慎重に行くんにゃよ~?」

「は、はい……おっきいですね……」


 自分より背が高いのはちょっと怖い。私はゆっくりと近付き、オークが棍棒を振って体勢を崩したところをズバッと斬り裂くのであった……


「あの……一撃で倒れたんですけど……」

「ヒノキノツルギの性能がいいからこんなもんにゃ」

「はあ……」


 木ってこんなに斬れるモノなの? よく見たら攻撃力100もある! 私の杖、3だよ!?


 いまさら過保護な武器を与えられていたのだと知った私であったとさ。


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