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神ゲームの最古参~初心者JKの師匠は猫さんです~  作者: ma-no
四章 猫と新人パーティ

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105/113

105 弓の指導


 弓スキル事変でアバターメイキングをやり直した人は、ボーガンを手に入れてからまた弓スキルを取り直した人が多いらしいが、私には理由がサッパリわからない。

 質問したら、猫さんは実演したほうが早いと射撃場に私達を連れてきた。いつの間に作ってたんだろ? 丸い的が何個か木にくっつけてるだけだけど。


「マユ、命中スキルは外して、ボーガンで一番の的を撃てにゃ」

「あれで一番近い的ですか……」


 たぶんあの的との距離は10メートルくらい? ミイラ相手にマユは外しまくっていたんだから、当てる自信はなさそうだ。私も外れるにチョコ1個。


「当たった! 端っこですけど当たりました!!」


 でも、一発成功。賭けは口に出していないから成立してません。セーフ!


「今まで当たらなかったのに、どうしてこんなに簡単に……」

「弓スキルのレベルが高くなったからにゃ。レベルが低いと器用さも低いから、素人には当てられなかったんにゃ」

「なるほど……でも、それならみんな、必死で上げたりしなかったのですか??」

「さあ? その辺は吾輩(わがはい)も知らないにゃ。たぶん全然当たらないから心が折れたんじゃないかにゃ?」


 私だって1週間も上達しなかったら心が折れる自信ある。てか、3日で自分で折る。


「あ、だからボーガン……撃ちやすくて狙いやすいから、スキルのレベル上げが楽になったんだ……」

「カノのご名答にゃ。吾輩も洋弓で全然当たらなかったから、ボーガンでレベル上げしたんにゃ。今ではこんにゃに上手いにゃ~」

「「「わあ~~~」」」


 猫さんは和弓を握って矢を番えると、次々と的を射抜く。10メートルから20メートル、一番遠い物で100メートルはあるかもしれない。

 その全てを一発ド真ん中。しかもロープで吊した的を矢で射ってから複雑に動かした後に、真ん中を射抜く超神業だ。


 感動すべきは命中率だけではない。あんなにチンチクリンなのに、すっごく(たたず)まいが美しいの! 3人でめちゃくちゃ褒めたのに、また怒られました!! どうしてもチンチクリンって口から出ちゃうの~。


「と、弓スキルと命中スキルを上げまくったら、扱いの難しい和弓もこんにゃに簡単に扱えるってワケにゃ」

「はぁ~……凄すぎです。ちなみに猫さんの弓スキルってレベルはいくつで、スキル構成はどうなっていたのですか?」

「吾輩は全てのスキルがマックスだからそれ以上はないにゃ。スキル構成は~……あ、錬金しかセットしてなかったにゃ。にゃはは」


 マユの質問、台無し。全スキルマックスでも引く話なのに、素のプレイヤースキルでこの神業をやってのけたんだもん!


「見本を見せるなら、せめて弓スキルセットしろ~~~!!」


 私のツッコミが木霊したことは言うまでもない。



 私達の苦情は、時間の無駄だからと猫さんは聞く気ナシ。マユの弓指導を急ぐらしい。暇人のクセに……


「あ、命中スキル付けると、真ん中に近付きましたね」

「うんにゃ。そのまま撃ち続けると(さら)に器用さが上がって真ん中に当たるようになるにゃ。んで、弓はにゃに使うか決めたにゃ?」

「やはり和弓がいいのですけど……まだ私には難しいのですよね?」

「じゃあ、しばらくは洋弓で戦って、そのうち和弓に変えたら、今からでも戦闘に弓スキルを使っていけるにゃ。要は和弓の練習に洋弓を使うってワケにゃ~」

「なるほどです」


 マユは洋弓に持ち替えて、猫さんにコツを聞きながら練習。私とアイは、うり坊を召喚してモフモフ。

 洋弓は10メートルでは難しいのか、マユは外すことが多かった。なので猫さんは最初の内は戦技で撃たせ、SPがなくなったら近付いて撃たせる。


 そうして徐々に、10メートルの的が中央に当たるようになったら、次のメニューをやるらしい。


「じゃあ、カノ達がモンスター役をするから、マユは射ろにゃ」

「はいっ!」

「「いやいやいやいや……」」


 ダメでしょ? JKに弓矢を放っちゃダメに決まってる。


「にゃにもせずに、うり坊モフってサボってた罰にゃ~」

「うっ……でもでも、マント1枚と盾だけで逃げ回れって、酷くないですか~?」

「私なんて、まな板ですよ?」

「アイは錬金ないから、盾っぽいの、まな板しか装備できないんにゃもん。そもそもそのマントだけで、石の矢にゃんて弾くのに、盾が欲しいって言ったのはそっちにゃ~」

「「当たったら怖いじゃないですか~」」

「動く対象に当てる訓練にゃ~」


 これもマユに必要な訓練。と割り切るには、もうちょっと文句を言ってから。私達はマユの弓矢から逃げ回る。


「へいへいへ~い。ぜんぜん当たらないよ~?」

「ここならどう? よっと。外れ~」

「「きゃははははは」」

「素人を煽るにゃ~」

「ムキーーー!!」

「そんにゃ安い挑発に心を乱すにゃ~」


 でも、そんなに速くないし、動いていたらまったく当たりもしないから、私達は超余裕。マユを怒らせたのはやりすぎたね。


「ちょっと見本を見せてやるにゃ。よく見てるんにゃよ~?」

「待って! 猫さんは反則!?」

「ちょっ! 撃ってきた!?」

「素人煽った罰にゃ。逃げ回れにゃ~。にゃはははは」


 猫さんが矢を射ることで、私達は半分しか避けられない。当たったら、ちょっと痛い。猫さんの嘘つき……


 私達は(あざわら)う猫さんの矢から逃げ回るしかできないのであったとさ。


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