101 ゴッドハンド三度
「猫さ~ん。マユを強くしてくださ~い」
猫さんがパピルスなんか作っていたから脱線しまくったけど、今回は忘れない内に、私の冒頭アタックだ。
「その子をにゃ……」
しまった! 猫さんはそんな面倒くさいことをしてくれない。アイの時も、めちゃくちゃ渋られたの忘れてた!?
「まぁいいにゃ。そのかわり、アイと同じ2日だけだからにゃ」
「へ? ゴネないんですか?」
「ゴネても押し付けられる未来が見えるんにゃも~ん」
「あ、ありがとうございます……」
確かに押し付ける未来は私にも見えたから、何もツッコめない。てか、猫さんがこないだから優しい気がする。
マユを助け出す訓練に付き合ってくれたり、訓練を即決してくれるなんて……どうした猫さん? 何か変な物でも食ったか? 気が変わったら困るから言わないけど。
「んじゃ、今あるスキルと基準ステータスを見せろにゃ~」
「あ、はい。これです……」
マユは猫さんの隣に移動すると、ステータ画面を出して見せる。なんか距離が近い気が……マユ、猫さんの手を握ってない? 猫さんが拒否しないってことは、そういうこと!? やはり、お胸が大きい人がタイプなんだ……
「にゃに触ってるにゃ……引っ掻くにゃよ?」
「あ……あはは。近くにかわいいお手手があったから……」
いや、いつも通り猫でした。だよね~?
「しっかし、このステータスは酷いにゃ~……」
「え……前のパーティの人達には何も言われなかったのですけど……」
「そいつらはアホにゃ。いい人はまず、アバター消去をお勧めしてたにゃ」
「そんなに酷いのですか!?」
「うんにゃ。力と知力に極振りする人、初めて見たにゃ~」
そうなの? 私も似たような……いや、平均値に近いや。力と知力だけってことは……
「高火力で動けないバカってことですね、猫さん!」
「吾輩、そこまで言ってないにゃよ? 友達ににゃんてこと言うにゃ~」
「あうっ……私、バカとか思ってないからね? ちょっとテンション上がっただけだから。ね?」
猫さんにその場で正解を聞けたから嬉しかったの~。
マユには誠心誠意謝罪して、猫さんは基準ステータスをイジるスキルがあると教えたので、マユも元気復活だ。
「イヤにゃ~。やりたくないにゃ~」
でも、猫さんがゴネ出した。そういえば前回アイにやって、女子高生にやるのは怖いとか言ってたね。アイが変なこと口走ったから……
「いいじゃないですか。女子高生の柔肌に触れられるんですから」
「カノ! 今から何させるの!? エッチなことじゃないよね!?」
「ほら~。本人も嫌がってるんにゃから、今回はアバター消去にしとこうにゃ」
「えぇ~。マユは新人トップパーティに長時間拘束されていたから、スキルレベル高いんですよ? もったいないじゃないですか。マユがやりたくないなら、私がやります」
「にゃんでカノにやらなきゃいけないんにゃ~」
「じゃあ、私……」
「アイまでしれっと手を上げにゃい!」
私とアイがしつこく猫さんにマッサージをお願いしているからか、マユもゆっくりと手を上げた。
「じゃあ……」
「「どうぞどうぞ」」
「ハメられた!?」
「にゃあ? 本当に君達はJKにゃの??」
どうやら遠い昔にこんなギャグがあったらしい。私とアイは「JKではありません!」と押し切って、なんとかマユのステータス改変を勝ち取るのであった。
「これ、サイン書いてくれにゃ……」
猫さんからゴッドハンドの許可は出たが、誓約書は必須。マユはしっかり読み込んで質問する。
「この、猿轡ってなんですか……」
「君から変にゃ声が出たら怖いんにゃ~~~」
「猿轡されるほうが怖いですって!!」
どうやらアイのせいで付け足された項目があるっぽい。マユはやりたくないとゴネていたけど、猫さんはこれを狙っていたかも知れないから、アイと私はロープで縛ってドラちゃんのお腹に乗せてあげた。
「ンッ……ンフッ……ンフフン……」
「なんか見てはいけないことされてるみたいだね……」
「うん……お兄ちゃんのスマホの中に、あんなことされてる女の人の写真があったの思い出した」
「うわっ。カノのお兄さん、もしかして変態?」
「そうなの? じゃあ、猫さんも……」
「この子はお前達が縛ったんにゃ~~~!!」
「ンッフ~~~ンッ!!」
私達がもうひとアイテム増やしたせいで、ただのマッサージがとんでもなく卑猥な絵になってしまうのであったとさ。
今回はあまりにもマユのステータスが酷すぎたので、宿題はなく猫さんのお勧めステータス値。弓と付与魔法をメインにできるステータスにチョチョイのチョイでしてくれたよ。
いつも通りドラちゃんは、受療者を落として猫さんがお姫様キャッチしてました。動けないもん。
「ウフッ、ヌフッ、ヌフフフフ……」
「にゃあ? この子、大丈夫かにゃ? 吾輩が訴えられたら、証言台に立ってくれるよにゃ??」
「たぶん大丈夫かと……」
「もう一回やってくれたら考えます」
「あっ! アイ、ズル~イ!!」
「みんにゃにチョコひと箱あげるから、裁判だけは阻止してくれにゃ~~~」
マユがまだ余韻に浸りまくっているから、猫さんから泣きが入る。私達はもう一回マッサージしてもらいたいけど、箱の中にはチョコが1ダース入っていたから、そっとアイテムボックスに入れた。賄賂で手を打ったってことです。
「んで……スキル構成の話をしたいんにゃけど……」
「はひ~。聞いてまふよ~」
「抱きつかないでくんにゃい? 噛むにゃよ?」
マユも訴えないと約束はしていたけど、まだ余韻が抜けないのか猫さんに甘えまくり。チョコもアーンで食べさせてもらっていた。ズルイ……
「「アーン」」
「ヒナ鳥を育てる猫って変じゃにゃい??」
「「「ハッ!?」」」
猫さんの一言で、我に返る私達。私達は、人間だ~~~!!




