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禁弾銃機のバレットショット  作者: 咲本 星
一章
7/18

6話「小さな流れ」

 「え.....あ、あぁ、それって、ネットの都市伝説の奴でしょ?」


 まさか自分のクラスメイトからその名前を聞くとは思わなかった。

 内心動揺しながら、それを表に出さないように話を続ける。

 

 「あ、ゴメンなさい。私の聞き方が悪かったよね?私が本当に聞きたいのは、早里さんが、インディトナンバーズに関わりがあるかどうかってことなの」

 「か、関わりって....」

 「んー、要するに、本物、見たことあるよね?」

 「えっ....」


 何故それを知っているのか、何でそんな事を聞いてきたのか、そして、それを聞いてどうするのか、夏楽の頭の中は混乱し、この場から早く立ち去りたいと思っていた。

 何気ない風に聞いてくる園山に、どう答えたものかと少し間を開けて返事をした。


 「み、見たことないよそんなの!だって、都市伝説でしょ?」


 結果、何も知らない風を装い、早急にこの場を立ち去る事にした。早く話を終われ、そんな事を願いながら園山の様子を伺う。


 「.....そっか。ゴメンね、変なこと聞いちゃって」   

 「あ、う、ううん、良いよ別に!それじゃあ私行くね?」

 「うん、また明日ね」


 急いで階段を降りて学校を出る。早く家に帰ろうといつもより早歩きで帰宅した。

 その場に取り残された園山は、夏楽の姿が見えなくなると、どこかへ連絡を取る。


 「はい、おそらく当たりかと。....はい、はい、では2日後。.....大丈夫です。すべては、あの方の為に」


 電話を終え、自分の機導銃を撫でながら怪しく微笑む。


 「待っててね早里さん。私には、あなたが必要だから」


 夕焼けに染まる廊下に1人の影が動き出した。


ーーーーーーーー


 「ふぅ...」


 学校から早足で出てきた夏楽は、人通りの多い通りに出ると息を整え一息付いた。人通りの多さゆえの安心感に、落ち着きを取り戻した夏楽は先程のことを思い出す。


 「園山さん、何で...」


 園山から聞かれたこと、明らかに確信を持っているかのような聞き方であった。そもそもあの件は、木ノ下達によって外部には漏れていないはず。

 小さな違和感と、何とも言えない危機感に、取り敢えず志原に相談してみようと電話をかけた。


ーー対策本部ーー


 「あら?」


 自身の仕事場である副本部長室で書類仕事をしていた志原。一息付こうとコーヒーを淹れて戻ってきた時、スマホが着信を告げた。

 そこには『夏楽ちゃん』の文字が。何事なのかと電話に出てみる。


 「もしもし?どうしたの、夏楽ちゃん?」

 『あ、志原さんですか?あの、少し話したい事があって....』

 「良いわよ。言ってみて」

 『実はさっき、クラスメイトからインディットナンバーズについて聞かれて...』

 「....それで?」

 『都市伝説の事かと思って答えたら、その子、私が本物を見たことがあるのかって聞いてきて...』

  「....ちょっと待って夏楽ちゃん。その子の名前教えてもらえる?」

 『あ、はい。園山翠ちゃんです』

 「園山翠....念の為、その子とは暫く2人っきりにならないようにしてちょうだい」

 『え、何かヤバいことが....?』

 「あ、心配しないで。あくまで念の為だから。それより、あんまり遅くまで出歩いてたら駄目よ?」

 『はい』

 「それじゃあね」

 『はい、ありがとうございました!』


 夏楽との電話が切れ、この話を2人にもしておこうと副本部長室を後にした。


ーーーーーーーー


 「ただいまー」


 無事家へと帰宅し、玄関を開ける。するとそこにはいつもより一足多めに靴が置いてあった。  

 すぐに結城が来てるのを察知した夏楽はリビングへと向かう。


 「あ、お帰りなさい。夏楽ちゃん」


 そこには、リビングのテーブルでお茶とお菓子を食べながら談笑している美玲と結城の姿があった。


 「ただいま、沙耶さん」

 「あら夏楽、おかえり」

 「ただいま、ママ。あれ、牧兄はどこにいるの?」

 「牧人なら帰って来るなり部屋に行っちゃった」

 「全く、彼女置いて行くなんて誰に似たのかしら」

 「お父さんじゃない?」


 なんて冗談を言いながら、夏楽は着替えて来ると言い残し二階へ向かうと牧人の部屋をノックした。


 「開いてるぞ」


 その言葉にドアを開け牧人の部屋に入る。


 「うわぁ、相変わらずいっぱい物があるね」


 部屋の壁にあったのは機導銃タイプのモデルガンからもう使えない機導銃、初期タイプや限定モデルなど千差万別に壁に掛けてあった。大きめの棚には年代別のパワーカートリッジやパワーバレル、ドットサイトやスコープなどのカスタムパーツが並べられていた。


 「それで、なんの用?」

 「うん、あのさ、牧兄は一昨日の事、どこまで聞いた?」

 「全部。柳瀬さんのことも聞いたし、インディットナンバーズの事も聞いた」

 「....牧兄はあれから何かなかった?」

 「何かって何だよ?」

 「誰か周りの人からインディットナンバーズの事聞かれたりとか」

 「いや、無いけど....お前、あるのか?」

 「うん、今日学校で....」

 「対策本部の人に連絡は?」

 「帰って来る時志原さんにしたよ」

 「そっか....ま、まあ、大丈夫だって!あの人達も監視付けてくれてるし!」

 「....うん、そうだよね!心配ないよね!」

 「そうだって!........やっぱり、そろそろだな」

 「ん?なんか言った?」

 「いや、何にも」

 「ふーん、ま、いいや。それより牧兄、沙耶さん置いて部屋に籠ったらダメじゃん!」

 「あ、いやー、二日間開けたからコレクションを綺麗にしようかと....」

 「....片手で?」

 「あははー.....すいません」

 「分かればよろしい。それじゃ、牧兄は先に下に行ってて。私も着替えたら行くから」

 「はいはい」


 牧人が階段を降りるのを確認し、自分は部屋に戻り着替を済ませる。そのままリビングに戻り、しばらくの間4人で談笑をしながらお菓子を食べていた。

 

 夜も更け、そろそろ寝ようかとベッドに入る。

今日の晩御飯の沙耶さん特製オムライスは美味しかったな、と味を思い出しまた食べたくなった。

 アラームのかけ忘れはないかとスマホを開きアラームが時間通りセットされているのを確認する。


 「ふわぁ〜....」


 微睡の中。そろそろ意識が落ちそうだったところでスマホのバイブ音が聞こえた。

 いきなりの事でビックリした夏楽は、相手に文句を言ってやろうと画面を確認する。


 「うぇ....」


 相手は昨日と同じ非通知の相手だった。

 こんな時間に電話をかけて来る相手に不信感を感じつつ、早く寝る為にも今回は電話を切る事に。

 暫くの間、相手から再度掛かってくるかもとスマホの画面をじーっと見ていたがそんな様子もなく、再び寝る為に布団に包まった。今度は誰にも邪魔される事なく意識が落ち、夢の世界へと旅立った。


 「ピー、留守番電話は一件です」

 『ーーーガガッーーーするーーーしるーーーこーー銃ーーーー見つけたーーー』

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