磯の先の0の使徒 Ⅳ
[ぶひいいいいいい!怒った!]
うぉふ……(お疲れ様です)
[あの野郎絶対許さない]
うぉふ!(落ち着いて!)
~すーぱーRerzoviamきゅーけーたいむ~
[はいお見苦しい所をお見せしました]
うぉふ!(よし!)
[えー今回ですが中ボス戦にチラッと触ります]
うぉふ(入ってはいる)
[それと……本編のBGMはセイガイハシティで]
うぉふ?(ほんへは?)
[ほんへのBGMは奴が出てきた所から第9交響曲]
うぉふ!(ヤバそう!フォースインパクトかな!)
[というわけで今回は奴の初登場です]
[わーい!れっちゃん!]
[いやここまで来るんじゃねぇよ!]
スナハマネキの土魔法は確かに凄い。しかし、万能ではなかった。うん錬金術きゅんのてるるさえいれば殆ど無敵なんやよ。ただなー、土魔法を使うのはカニさんだけじゃなかったと言うか。
その問題のモンスターとは?
「おさかなさんだぁ!」
「「気をしっかりしろぉてるる!」」
「にげろー!」
「「待てコラァア!」」
「ふええええん!」
<チャハゼ Lv.34>
茶色いハゼである。要は干潟によくいるおさかなさんである。美味しい。
そんなチャハゼ君だが、あー……チョコレートによぉーーーーしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしされてた砂漠の楽園みたいな能力を持っている。比較的泥に近いけどちゃんとした土魔法だ。
んで、その元ネタらしきアレと近しい能力なので、幾らてるるが錬金術で土を槍とかにしても、ソレが土である限りはチャハゼ君は無効化してしまうのだ。スナハマネキ涙目。つか何でお前てるるの顔面に直で張り付いたん?顔中泥塗れでコメントが君への殺意で溢れたぞ?乱獲に期待しておこう。そしてそのせいでてるるがトラウマを抱えた。具体的にはチャハゼを見るとすぐにアオハルに撤退するぐらいの思考放棄。おさかなさん怖くないから!
チャハゼがてるると相性悪いと言ったが、てるるだけに限った話じゃあないんだなーこれが!
「リーニィちゃんや、次に前方に顔出してたらやっちゃいなされ」
「ぶゅ!」
頭の上のトラナマコトランスことリーニィちゃん。口から食べたありとあらゆるモノを全てエネルギー源にして吸収し、防御や迎撃に使うと攻略班のなっちん大百科に聞いたが、あくまでそれは……当たれば強い。
チャハゼ君はァ!土魔法で地面にィ、つまりフィールドに潜れるんだよォ!クソがァ!リーニィちゃんがふにゃーっとしちゃったじゃねぇか!可愛い。
もにょもにょリーニィちゃんは置いといて、チャハゼである。腹立つのは地中を泳ぎ回ることで深いところのモンスターを押し上げ……うん。
「うぎぃ……あの野郎……熊手の錆にしてやりゅう……」
「なっちぃぃいいいいいん!」
なっちんのようにシジミミックとか活性化したヒカリアサリとかに強襲されるわけだ。うぜぇ。
はい戦闘終了。てるるはまだ死んでるけど……うーむ叩き起こそう。オラあく降りるんだよォア!
「ぎゃむっ!……お?おさかなさんは退治された?」
「あーはいはい退治された退治された。おら降りろ降りろ!」
「ひええひどぉい!……いやホント申し訳ない……」
チャハゼ君怖い怖いしてるるを蹴り起こし、正気に戻ったてるるとアオハルから降りる。てるるのトラウマはちゃんと記憶にあるらしく、毎回ずーんと表情が暗くなる。でもチャハゼ君見たらトラウマ発症するらしい。うーん……これ。
なっちんにてこてこ近付いててるるの無事(肉体的な方で)を伝え、胎陛妖をどんどん進む。後ろを付いてくるアオハルは、お呼びになるまで寛いでいる虫娘3姉妹及びわんわん、そしてキングワームを乗せて進む。かれこれ夕方になってしまったが……なっちん曰く、そろそろ磯のボス戦だと。うーむ、磯のボスね。ヤドカリとかかな?
なっちんは考えていた。
ボス、ヒショウカジキはボスの割には易しいから、単独撃破の経験もある自分もいれば簡単どころではないぐらいに楽勝だと。
てるるは思っていた。
錬金魔導があれば、中ボス程度には負けないと。
ファンブルは知らなかった。
強化……否、凶化ボスの出現条件を、自分1人で満たしていたことを。
そして。
最悪の邪神の眷属の祝福を持った、真生多脚蜘蛛より凶悪な中ボスがいることを。
なっちんがきょろきょろして中ボスのいるエリアに近付いていく。うーむ、中ボスは何だろうな。
1人先にてこてこ進むなっちん。偵察も兼ねてるし大丈夫大丈夫!とか言ってたけど……まあ中ボスソロ討伐の実績があるなら大丈夫だよね。
よっしょよっしょ、となっちんが進んでいくと、周りにふよふよと見慣れたモンスターが集まってきた。
<ウソギンチャク Lv.34>
<ウソギンチャク Lv.37>
<ウソギンチャク Lv.24>
……いや多すぎィア!カーテンみたいに集まってきたウソギンチャクにビビりながらてるると一緒に恐る恐る進む。
すると、前方のなっちんのそのまた前方から空を切る音が聞こえてきた。そして……
「ファンブル、てるる、全力で警戒。知らないモンスターが出た!」
「ちょっ!?」
「待ておいなっちん!?」
後方からなっちんが警戒を呼び掛ける。……ワープとかのロマンな能力じゃなけりゃ……死に戻りか。攻略班なっちんが即死するぐらいだから警戒は当然だよなぁ。
いつものてこてこではなくザザッと達人のステップで僕達の前までなっちんが出る。……まああくまでも僕達まだ初心者ですのでねぇ。仕方ないね?
「今からはコメント切る、流石に一瞬で殺られるとは思わなかった!全力で援護して!」
「「アッハイ……承知!」」
なっちんが今まで見たことないぐらいの真剣な表情で前方を睨む。端的になっちんが情報を伝えてくれた。
「あたしが前に戦った敵は中ボス『空泳槍魚』!でもアレはデカ過ぎる……恐らく別種!角をへし折れば攻撃手段、脅威が減少して殺り易い!でも効かない可能性も大!攻略班のデータにも無い!――――――――来るよ!」
なっちんが言い終わらない内に、巨大な弾丸が此方に泳いで……いや飛んできた。
『迚ケ谿雁倶ス薙お繝ウ繧ォ繧ヲ繝ウ繝茨シ�』
『遨コ縺ォ閾ウ縺」縺ヲ繧ス繝ャ縺ッ諤昴≧』
『遨コ閻ケ繧偵�」「鬢薙r縲∽クサ縺ョ諢乗昴r』
『0の使徒:過喰 分類:辟。霑�』
「「「…………え?」」」
『繧ー繧ゥ繧ェ繧ェ繧「繧「繧「繧「繧「繧「繧「繧「��』
「「「ちょっ!」」」
僕達は謎の空飛ぶ魚……過喰の突進を受け、纏めてリスポーンすることになった。
同時刻
「ファッ!?」
Rerzoviamは驚いた。いや別にアレぐらいの強化ボスが出るのはまだしも、ウインドウ表示がヤバい事になっていたのは流石に予想外だった。……これは不味いな?と判断して、邪神は気分的に重い腰を上げた。これから会いに行く邪神の事を思って、である。とてもではないが奴は話が出来るとは思わないので、先に他の2柱には連絡しておこうか。暴れられたら厄介だ。
邪神と邪神とを繋ぐ、主命名『邪神コール』を手に取りサッと連絡を取る。
「…………」
『……?何だ?Rerzoviam』
「おっほおありがとうFedcklmiss!ちょっとだけ奴に接触するから備えててくれる!?」
『話が見えんぞ?我も協力ぐらいはするが……時間は?』
「止めた!ログ見てよろしく!ポートポートの磯ボスのとこ!じゃ!」
『あ、おい…………え?何だこれは……』
Fedcklmissが何か言ってるっぽいけど無視してRerzoviamはもう1柱にも連絡する。
「…………」
『おうRerzoviam!どうした?(^U^)』
「奴に接触するからよろしく!Fedcklmissには伝えた!」
『おう?……あー成る程。バグな。一応運営だし、その辺もしっかり……奴に出来るのか?吾輩滅茶苦茶不安だが?不安過ぎて吐くぞ?』
「とりあえずオハナシしに行く。余波どうにかよろしく!それと……一応……主に報告だけ」
『あー、うん。主君なら奴の手綱は握れるな。とにかく、我々だけでどうにかする方向性ダナ?』
「せやで。……どうなるかは知らない」
『オイコラ!……切りやがった!今度たらふくゾンビ食わせてやる!ペッ!』
Sbvemgwyestとの会話もそれなりにしておき、最終手段を頼んでブツリンする。
Rerzoviamはその場に保険の分体を残して万が一に備え、そこにいた配下にファンブルの虚骸之死角仮面のもしもの時の為の臨時下操作を委任。面倒そうにしていたが無視だ無視!
Rerzoviamの出せるチカラを全て使って座標を転移して裏の世界から表の世界に移り、目標の座標に全力で向かう。
移動するに連れて段々と物質が減り、まるで何も無いような空間に達したらRerzoviamが速度を緩める。
目の前に……憎たらしい星が見えるようになり、奴の配下がちらほらと顕れてきた。
「Rerzoviam様、どうかされましたか?」
「アイツは?」
「現在は恐らくお食事の最中かと」
「よぉおおおし……ボクは会いに行くよ、異論は認めん。バグが出た」
「「「「なっ!?」」」」
「バグですか……承知しました。どうぞ」
「さんきゅ、SbvemgwyestかFedcklmissに詳細聞いてね」
「ハッ!」
許可も出たことだし、とRerzoviamはゆっくりとその邪神の元へと近付く。近付けば近付く程にごりばりという咀嚼音が響き、喉に酸っぱさを感じた。
……ゆっくりと、ゆっくりと歩き……足音を聞こえさせ……
「あ!れっちゃん!」
「だぁれがだボケ!話を聞かせろや!」
「おはなし?何々?はむっ」
にぱっ!と笑う明るい女性。まくまくとナニかを貪りながら、Rerzoviamに振り向く。
彼女が全身に纏う服は純白であり、頭部からは蝙蝠の如く翼が生え出ている。右目はマゼンタだが、左目はオレンジに光を放つ。頬には儀式的な刺青が入っており、全身は豊満である。その瞳に宿る光はRerzoviamを舐め上げるかのように照らし、彼女の視線上の配下に絶対的な悪寒を与える。チラリと覗くと、口元からは犬歯が伸びている事が分かる。圧倒的な威圧感を出し惜しみせずに放出する彼女は、少なからず、人間ではないと察する事が出来るだろう。
それでだ、とRerzoviamは告げる。
「ちょっとだけ、良いかな?Vaemilrior」
「良いよ良いよ!一緒に食べる?」
彼女、最凶の邪神Vaemilriorはその手にナニかの腕を持ち、べとべとに口元を血液で濡らしてRerzoviamに微笑む。
Vaemilriorこそが、過喰を管轄する邪神。故に、このバグはVaemilriorが原因なのである。果たしてどんな厄介な事案が出てくるのか……Rerzoviamは静かに溜め息を吐いた。
「ところでVaemilrior?そのぉ……コレは何だね?あからさまに足なんだけど?」
RerzoviamはVaemilriorから、はいっ!美味しいよ!と渡された謎の足を持ってVaemilriorに尋ねる。
「ん?これ?」
Vaemilriorは満面の笑みで微笑み、嬉しそうにして言い放つ。
「貰ったの!美味しいからいっぱい食べてるんだ!ええっと、何だっけな?このくまさん……えーっと」
Rerzoviamは頭痛を感じてへたり込む。邪神が貰った、という際には数パターンが考えられる。
まず、お供えである。所謂供物として献上されたモノを、Rerzoviam達は嗜好品として楽しめる。Sbvemgwyestを例に上げれば、彼の邪神は供物の肉を好きに混ぜ合わせてゾンビにして他の邪神に仕向ける遊びが大好きである。それにより、Sbvemgwyest製のゾンビは鬱陶しいとしてFedcklmissとRerzoviamには思われている。がしかし、やはりVaemilriorは寧ろ嬉しそうにゾンビを喰らう。肉として正しい扱いをされているが、しかし意識を与えられた上で貪られるのは邪神全員が恐怖している。以前の争いで腕を目の前で喰らわれたRerzoviamは尚更である。
そして、最もヤバいのが……降臨である。自分で仕留められるので嗜好品採取にはとても効果的な手段だ。
それはあくまでも、Rerzoviamという温厚な邪神だけである。
Fedcklmissは供物として生物を乱獲し、その世界を生態系から破壊し尽くした事がある。幾ら反省していると本人が言っても、前科があるのだから楽観視は出来ない。
Sbvemgwyestに至ってはゾンビ作製の為にありとあらゆる生物を刈り取り尽くしてしまうという、Fedcklmissよりももっと直接的に世界を滅ぼした事がある。
Vaemilriorを降臨させて世界へと解き放った場合は、全てが嗜好品として喰い尽くされて滅亡である。全てを0へと収束させ、腹に収める最悪の邪神は降臨すること自体が禁じられている。
が、Rerzoviamはやな感じがして仕方がなかった。
Vaemilriorが、あ!と手を叩く。
「そうそう、そーらーべあ!そーらーべあだよ!【閲覧権限の不足により未開示です】ちゃんに貰ったの!」
「オイコラァァァア!」
Rerzoviamはぷっつんして情報を共有した。直に主とその系譜かFedcklmissとSbvemgwyestが来るだろう。それまでに更に情報を引き出さねば……!Rerzoviamは固く決意した。
「食べないの?」
「ええい食うわ!……うぉ?凄い食感で美味しい」
「でしょ!」
…………ついでにこのそーらーべあ?を多少貰おうとも決意した。美味しいから仕方ないと自身を納得させ、Rerzoviamは降臨の予定を少しだけ考え始めた。
ちなみに、これが原因でとある世界のとある少女にまた新たな能力が生じることになる。
Vaemilriorは第9のイメージがある。うーむ、どうなんだろ……?
ちなみにVaemilriorちゃんですが某満面の笑み動画にて踊っております。まあカスタムキャストのヤツを撮っただけなんだが。もしもイメージし辛ければそちらをどーぞ。だいぶふわふわで柔らかそうな仕上がりとなっております。
マイクロトマトの実の成り方がちょっとアレだったので親が引っこ抜いた。うーん来年に期待。
次回からは前半がファンブル達、後半が邪神というかVaemilriorちゃんのターンという構成で進んでいきます。ちなみにVaemilriorちゃん、ここで登場する訳ではなかった。




