第三章「システムに拒絶された者」
༺ ~この枠に表示される言葉はルーン文字で書かれている~:???༻
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༺ ~この枠に表示される言葉はルーン文字で書かれている~༻
「え……! 何が起きてるんだ?」
混乱が先に訪れた。驚きは一秒遅れて、そのすぐ後を追いかけてきた。
この世界に渡った後で、こんなにも見覚えがあり、それでいてこんなにも異質な何かに出会うとは思ってもみなかった。なぜなら、もし本当に催眠魔法の犠牲者ではなかったのだとしたら――誰かによる、あるいは俺の知らない性質を持つ何かの植物による――残された説明は一つしかなかった。俺は異世界に転送されたのだ。そして時間が経つごとに、その確信は否定しづらいものになっていった。
おそらくそれが、ここ数時間の記憶を取り戻せない理由でもあるのだろう。まるで、渡ってくる際に何かが置き去りにされたかのように。
人生でもう二度とルーン文字を目にすることはないと思っていた。数時間前に目覚めた場所には、魔法の気配など何一つなかった――記号一つ、痕跡一つすらも。俺の存在のその一章は、もう閉じられたものだと思っていた。
だが、宇宙には別の計画があったらしい。
言葉は俺の目の前に浮かんでいた。シンビ・ロズが「システム」と呼んでいたあの何かによって投影されたものだ――俺の評価者だと名乗ったあの生き物、この「地獄の試練」と呼ばれるものの間、俺の一挙一動を監視するという、あの生き物によって。
その記号は古代のルーン文字だった。俺の世界では何百回と目にしたことがある。廃墟となった神殿の石に刻まれ、誰が彫ったのかも忘れられた像の台座に刻まれて。毎日見ていたからといって、理解できたわけではなかった。死語というものは、その奇妙さも含めて、これよりずっと予測がついた。
すると文字が、一画ずつ組み直されていった。まるで未熟な手が、今まさに文字の書き方を覚えていっているかのように。
そして、数秒前と同じように、結局何も理解できないままなのだろうと思ったちょうどそのとき、記号の上に声が重なった。冷たく、遠い声。すべてが始まる前に、俺が最初の地獄の試練に選ばれし者の一人になったと告げた、あの声だった。
༺指定:???༻
また同じことか。
༺指定:???༻
そして、こう続いた。
༺あなたの名前は?༻
もっと不気味なものを覚悟していた。結局のところ、聞かれたのはただの名前だった。とはいえ、なぜ最後にあの三つの疑問符が必要なのか理解できなかった。まるでその質問が、自らの芝居がかった調子を強調する必要でもあるかのように。
だが、その直後に調子が変わった。ルーン文字は暗い赤色に染まった。なかなか塞がらない傷のような色だった。
༺お前は何者だ?༻
その言葉の何かが、俺をその精神空間から一気に引き戻した。自分の意志ではなかった。まるで見えない手に、そこから引きずり出されたかのようだった。
そして俺は、市場の自然な光と、人々の喧騒、もう少し普通に感じ始めていた香辛料の匂いを、再び目にすることになった。
「システムに慣れるの、もう終わった?」とシンビ・ロズが尋ねた。その声はまた、あの優しい調子に戻っていて、好奇心は本物で、ほとんど子どもっぽいものだった。
「もし終わったなら」――一瞬の間――「もう正式に試練を始められるよ。まあ、あなたがここに落ちてきた時点で、もう始まってなかったわけじゃないんだけどね」
「じゃあ、次は……」
「いや、まだ終わってない」と、口にできる以上のことを知っている者特有の、居心地の悪い正直さで伝えた。
「どういうこと?」口が半開きになった。「それに、まだ終わってないのに、どうして私と話してるの?」
「もう一度試してみろってさ」
「それが……」その先を言い終えることができなかった。
「なんで完了できなかったの?」としつこく聞いてきた。
察しが早いやつだとは分かっていた。それがまた証明された形だった。
「本当の名前を伝えるところで、詰まっちまった」
「え……」本気で驚いた様子だった。尾が一瞬、動きを止めた。まるで動けという命令を見失ったかのように。
「『名前で詰まった』ってどういうこと? それってどういう意味?」その表情は読み取れなかった――怒り、混乱、信じられなさ、もしかしたらその三つが、あの小さな顔の同じ場所を奪い合っているのかもしれなかった。
「システムがあなたのことを何もかも知ってるはずなのに、なんで名前を聞く必要があるの?」
本当に何もかも知っているのか。それなら、これは何かの偽装された試練だということになる。
いや。それは馬鹿げている。とはいえ、よく考えてみれば、許可も取らずに人を拉致するようなものに、何を期待できるというのか。
「本当に何もかも知ってるのか?」と、右足の裏に刺さった石を取ろうとしゃがみ込みながら尋ねた。痛みは小さく、むしろありがたいくらいだった――これほど曖昧なものばかりの中で、それだけは確かなものだった。
「もちろん何もかも知ってるよ。あなたをここまで引きずってこられるくらいなんだから、そのみすぼらしい名前を知らないわけがないでしょ」
また出た。優しさの下から覗く、あの鋭い舌。
「それとも、まだ分かってないの? あれの力ってやつを」
「もちろん分かってる」と俺は嘘をついた。
何一つ分かっていなかった。眠りたかった。ただそれだけだ。眠って、目が覚めたらこれ全部が自分の頭の悪ふざけだったということになっていてほしかった。
「じゃあ、もう一度試してみる」
「なら急いでよ」
まるで自分の家から俺を追い出そうとしているかのような響きだった。
※ ※ ※
(シンビ・ロズ視点)
『本当に、システムがこいつに名前を尋ねたっていうの?』
シンビ・ロズはピンク色の目をジェンダルへと向け、彼が再び目を閉じ、あの内的な空間へと繋がり直そうとする様子をじっと観察していた。
何かがおかしかった。彼女は何世紀にもわたって試練を評価し続けてきたが、システムがすでに知っていることを尋ねる必要などこれまで一度もなかった。
『これは、こいつに対する何かの試しなんだろうか?』
一瞬躊躇してから、その考えを退けた。
『いや。それは馬鹿げてる。あんな情けないことをして、システムに何の得があるっていうの?』
『この子は本当のことを言ってるの、それとも嘘をついてるの?』
『でも、こんなことで嘘をついて、何の得があるっていうの?』
彼女の尾は静止し、まるでそれ自体も考え込んでいるかのように宙に浮いたままだった。
『念のため、私も調べてみるべきね』
目を閉じた。その瞼は繊細すぎてほとんど透けて見えるほどで、一瞬震えた。目を開けたとき、その色は柔らかなピンクから、燃えさかる炭のように輝く紅玉色へと変わっていた。
探った。
数秒後、その胸の中で――それを胸と呼べるならの話だが――何かが締め付けられた。
『あ……ありえない』
それまで好奇心に満ちていた表情が、尾を凍りつかせるほどの信じられなさへと崩れ落ちた。
彼女は再びジェンダルを見た。今度は、違う目で。
『これは一体何の冗談?』その心の声は普段より甲高く、完全には抑えきれない苛立ちに満ちていた。
『どうして、この子の名前が登録されていないなんてことがあるの?』
「システムに不具合でもあったの?」思わず声に出してしまった。まるで破れた風船から空気が漏れるように、その疑問が口をついて出た。
『一体どうして、名前が見つけられなかったの?』
もう一度試した。紅玉色の目が、これまでとは違う強さでジェンダルに突き刺さった。まるで彼の皮膚を、骨を、その内側にある何もかもを見透かそうとするかのように。
『こんなの筋が通らない。何かの間違いに決まってる。そうに決まってる』
三度目を試みた。今度はより冷静に、より体系的に、システムが閲覧を許す範囲のあらゆる隅々まで確認しながら。
数秒後、同じ答えにたどり着いた。
『いいえ。間違いなんかじゃない』
一瞬、微笑みそうになった。自分の勘は決して外れないと確認できた者特有の、反射的な仕草だった。
だが、その微笑みは最後まで形になることはなかった。
『それじゃあ……厳密に言えば、この子は存在していない、ということ?』
その考えはあまりに馬鹿げていて、思い浮かべるだけで痛みを覚えるほどだった。
『こんなの意味が分からない。探した。もう一度探した』
眉をひそめた――もし眉があるならの話だが――その炎のような目の上でしわを寄せながら。
『それでも、何も見つからなかった。本当に何一つ』
『こんなことがあり得るの?』
ぷくぷくとした小さな手の片方を顎に当てた。他の時であれば愛らしく見えたはずの仕草だった。だが今は、完璧だと思っていたものに亀裂を見つけてしまった者の不安だけを伝えていた。
『どうすればいいの』
※ ※ ※
(ジェンダル視点)
再び集中した。今度は煙がより早く俺を迎え入れた。まるで、もう道を覚えているかのように。
深く息を吸った。少なくとも、そのつもりだった。この場所で自分の体が、そんな単純な命令にすら応じているのかどうか、もう確信が持てなかった。
「俺が何者か聞いたんだから、教えてやるよ」
躊躇した。言葉が一瞬、喉に詰まった。まるで自分の一部が、声に出すことで何かが変わってしまうと知っているかのように。
「俺の名前は、ジェンダル・コーウィン」
そう言った瞬間、文字が更新された。
༺指定:ジェンダル・コーウィン༻
そして、すべてが地獄へと向かった。文字通りに。
周りの煙は、静止した帳であることをやめた。渦を巻き始め、自らの内側でのたうち始めた。まるでその中で眠っていた何かが、突然叩き起こされ、機嫌を損ねたかのように。
体から何かが流れ出ていくのを感じた。これ以上うまく説明できない――まるで誰かが、俺の胸の奥に排水口を開けたかのようだった。
赤いルーン文字はより暗く、より濃くなっていった。その形には、まるで牙のように見せる何かがあった。
༺ジェンダル・コーウィン、あなたはここに侵入したのですから、本来ここにいるべきではありません!༻
何だと。
この馬鹿げたシステムは一体何を言っているんだ。侵入した? こいつ、頭がおかしくなったのか?
「侵入したってどういう意味だ? 説明しろ」
༺あなたは間違いなく侵入者です。なぜそんなことをしたのですか?༻
一言一言が、名前のない深い場所を殴りつけてきた。金属の味が喉を這い上がってきた。濃厚な味だった。まるで俺自身の血が、先回りして外へ出ようと決めたかのように。
体中の骨という骨が、同時に一撃を受けた気がした。目に見えず、避けようもない一撃だった。どこか特定の方向から来るものではなかったからだ。
咳き込んだ。血を吐いた。その血は、汚れた水に落ちたインクのように煙の中へと溶けていった。
「一体全体何なんだ!」内側から体を折り曲げるような痛みの中、俺は叫んだ。
だが、ここで諦めるわけにはいかなかった。悪いのはあいつであって、俺じゃない。それなのに侵入者呼ばわりだ。まるで俺がここにいたいと頼んだかのように。
「『侵入した』ってどういう意味だ、俺をこの場所に連れてきたのはお前か、それとも他に何人いるのか知らないが、そいつらだろうが!」と、まともな答えらしきものを要求しながら声を荒らげた。
「俺がお前のドアの前まで行って、連れて行ってくれって頼んだとでも言うのか? そんな俺を見たのか?」
༺招かれてもいないのに、どうやってここへ来たのか説明を求めます!༻
こいつは一体何を言っているんだ。
最高だ。今度は被害者はこいつのほうで、俺は自分が犯したことすら知らない罪を弁明しなければならない立場になっていた。
「俺の同意もなくこの糞みたいな場所に引きずり込んだ理由を説明する必要があるのは、こっちのほうだ!」
「ああ、違う、間違えた、間違えた」痛みの中で残っていたありったけの皮肉を込めて言った。「悪いのは俺だ。だって今、俺に説明を求めてるのはお前のほうなんだからな」
「一体何の冗談だ、これは」
༺つまり、私に説明する気はないということですか?༻
圧力――あるいは、内側から俺を引き裂いていた何か――が強まった。
後ろに押される感覚があったが、足は地面から一センチも動いていなかった。両腕を上げて顔を覆った。形のない何かに対しては無意味な仕草だったが。白い髪が後ろへとなびいた。まるで見えない嵐が、俺だけに狙いを定めたかのように。
༺それならば、完全に排除するしかありません!༻
「『完全に排除する』ってどういう意味だ」
「そんなものは要らない。俺はただ、前にいた場所に戻せと要求してるだけだ……」
沈黙。
「俺の部屋にだ。もし今、どこだったか忘れてるんならな」
༺それは不可能です! ここに入った以上、試練を完了することでしか出ることはできません。༻
༺他に脱出する方法は存在しません!༻
最高だ。とんでもない事態に巻き込まれたものだ。完了しなければ出られない――そして俺は、「完了する」とは一体何を意味するのかすら分かっていなかった。
待てよ。
これは、俺の世界で探索したことのある遺跡を思い出させた。中の謎を解いた者にだけ開かれる、封印された遺跡だ。もっとも、あの遺跡には自分の意志で入っていたわけだが。
ここでは、遺跡のほうが俺を引きずり込んできた。
あるいは、今この瞬間も、気づかないままその中にいるのかもしれない。
くそ。体が燃えているような状態で処理するには、あまりにもややこしすぎる。
༺他のいかなる方法でも脱出できない以上、残された選択肢は一つのみです!༻
「つまり、俺を消し去るってことか」と、すぐに理解した。
༺その通りです。༻
༺あなたは異常です。害獣です。ウィルスです。この方法しか残っていません。༻
༺そしてそれは……༻
「駆除ってことだろ。違うか?」
༺まさにその通りです!༻
最高だ。今度は当然のことのように、平然と俺を侮辱してきた。
その皮肉を処理しきる前に、何か――俺の魂、俺の意識、俺の内側を支えている何であれ――が、山ほどの大きさの槌の一撃を受けるのを感じた。全身が、内側から外側へと丸ごと燃え上がった。
これは現実の世界でも起きているのだろうか。どこかで今まさに、誰にも気づかれないまま、俺の体が燃えているのだろうか。
うわあああああっ!
叫ぶたびに喉が裂けるようだった。あまりにきつく締め付けられ、一瞬、もう二度と息ができなくなるのではないかと思った。
くそ。これで全部終わるのか。
いや。こんな終わり方でいいはずがない。
少なくとも、この世界にどうやって来たのかも分からないまま、失われたあの時間を取り戻さないままでは、終われない。
それでも、その痛みのただ中で、思いもよらない明晰さで、あることを理解した。今大事なのはそれじゃない。大事なのは、死にたくないということだ。死ねない。死んではならない。
まだだ。
自分にあるとすら知らなかった原動力が、自分自身の中の、存在すら知らなかった片隅から湧き上がってきた。俺は、残っているすべての力を振り絞って拒んだ――名前すらまともに呼べないこんな場所で、一人きり消えていくことを。
なぜなら、これは夢ではなかったからだ。もしここで死ねば、誰も俺の遺体を見つけることはできない――この世界に渡ったのは意識だけではなかったからだ。俺のすべてだった。
だからこそ、まだ死ぬわけにはいかなかった。
༺おや。思っていたより頑丈ですね。よく耐えている。༻
༺害獣にふさわしい。༻
褒められているのか、侮辱されているのか分からなかった。おそらく、その瞬間にはどちらも意味を成さなかった。
༺あなたをどうすればいいのでしょうか!?༻
簡単だ。放っておけばいい。
༺とりあえず、今は放っておくことにします。༻
その声は楽しげだった。本当に楽しげだった。まるで古いおもちゃに飽き始めたところで新しいおもちゃを見つけた者のように。
あの野郎、俺で遊んでいやがった。
こいつにとって、俺はただの遊びでしかなかった。
それは痛みそのものよりも俺を怒らせた。一瞬、純粋な意志の力で生き延びたのだと思っていた。だが真実はもっと屈辱的だった――俺はただの、いい暇つぶしだっただけだ。
༺それにしても、本当に、なぜあなたの名前が見つからなかったのでしょうか?༻
『俺が異世界の人間だからだろうな』と、自分でもどこから湧いてきたのか分からない誇らしさとともに思った。
待てよ。
もしこいつが、俺の考えを読めるとしたら?
駄目だ。言うな。頼むから、言わないでくれ。
༺それとも、あなたは……?༻




