第二章「シンビ・ロズ」
ジェンダルは、抱きしめられているかのように柔らかく、暖かく、心地よい何かの上で休んでいた状態から、何の前触れもなく、自分の心と意識と体がその場所から引き剥がされ、意志に反して乱暴に引きずられ、まったく見知らぬ場所へと連れて行かれる感覚へと突然移り変わった。
彼はまだ、今何が起きたのか理解できていなかったが、混乱していることは無知であることの言い訳にはならなかった。頭はまだぼんやりしていたが、何か不可能なことが起きたのだということだけは、絶対的な確信として分かっていた。
※ ※ ※
闇。
明かりのない部屋の暗さではない。何百万トンもの重さを持ち、あらゆる方向へと果てしなく広がる、絶対的な闇だった。
そして、火花が一つ。
小さな。現れた瞬間、その広大さにほとんど呑み込まれそうな。
だが、消えなかった。
反撃した。広がっていった。ほんの数メートルでは満足せず――その濃厚な闇すべてを呑み込むまで、存在するかどうかも分からない地平線を覆い尽くすまで、成長を続けた。
光がまぶしさを抑えるほどに強さを落としたとき、虚無は固い大地へと凝縮した。植物が芽吹き、木々が生い茂り、あらゆる種類の動物が現れた。液状の構造物が固体へと変わり、小さな家、中くらいの家、大きな家となって立ち上がった。その同じ大地から人間たちが現れた――四本足で歩く他のすべてとは違う、二本足の生き物たちだ。空には雲が満ち、鳥たちが歌い始めた。
創造は終わった。あとは主賓が来るのを待つだけだった。
そして、あの声が届いた。冷たく、遠く、抑え込まれた愉悦のようなものを含んだ声が。
【おめでとう! あなたは幸運な選ばれし者の一人です!】
【あなたの最初の地獄の試練へようこそ!】
目もくらむような閃光が世界を切り裂いた。
※ ※ ※
ゴホッ……ゴホッ……ゴホッ……
咳が止まらなかった。まるで一握りの砂を飲み込んだかのように。金属的な味が喉にこびりついていた。濃く、まるで気づかないうちに舌を噛んでしまったかのように。
それは数時間前に目覚めたあの安っぽい絨毯を思い出させた。あれは本当に汚れていたわけではなく、ただ埃が溜まっていたせいで嫌な臭いがしていただけだった。あの部屋の持ち主も、あんなふうに埃を溜め込んでいたことで訴えられて当然だ。
あそこで目覚めたときも、咳が止まらなかった。頭も痛かった。それが不運でないなら、一体何が不運だというのか。
だが今回は、清潔なベッドに横になったはずだった。眠る前にちゃんと確認した。自分の手で確かめたもの以外は何も信じない、俺のあの癖のせいで。あんなふうに咳き込む理由はないはずだった。
もう眠っていないのでなければ。
目を開けた。水を飲みに行こうと考えながら。喉が渇いて、悲鳴を上げていた。
眠り込んでしまったに違いない。
なぜなら、目の前の床は俺の部屋のものではなかったからだ。長年踏まれて摩耗した石畳。目を閉じる前に踏んでいたはずの、磨かれた木の床ではない。
まったく見知らぬ場所だった。
「そんなクソみたいな道具に十五銀貨とはよく言えたもんだな」
苛立った男の声が、すぐ近くから聞こえた。
「あそこの角なら十四で売ってくれるぞ」
その男は盗人だった。何も買ってもらえなくて当然だった。
「そう言うなら、そっちで買えばいいだろう」と、同じように苛立った様子で商人が答えた。
「そうさせてもらう」
地面に唾を吐いてから立ち去った。議論に負けたと分かっている者だけが持つ、あの種の傷ついた誇りを見せながら。
「ねえ、それやめてくれない?」と若い女が声を上げた。「私も買い物したいんだから、口論はやめてよ」
誰も気にも留めなかった。市場はいつもの調子を続けていた。まるでこんな口論が一日に百回も起きるかのように、すべてに無関心なまま。おそらく実際にそうなのだろう。
※ ※ ※
一体ここはどこなんだ。
ほんの数時間前に見知らぬ部屋で眠りについたばかりだというのに、今度はまた別の見知らぬ場所で目を覚ましている。最初の場所にすら慣れる時間がなかったというのに。
もし人間をもてあそぶ神とやらが存在するなら、いい加減俺の人生を邪魔するのはやめてほしい。もうあいつのくだらない遊びにはうんざりだ。
試し相手はほかにいくらでもいるだろう。なぜ俺なんだ。
まだ少し力の入らない足でゆっくりと立ち上がり、そこでようやく、自分の周りにあるものをじっくりと見渡した。
目の前には、活気にあふれ、騒がしい商業地区が広がっていた。以前住んでいた街のどんな通りよりも、ずっと多くの人であふれていた。食料品店、果物、魚、道具、木の柱から旗のように吊るされたカラフルな布地。大人たちの脚の間を走り回る子どもたち、誰にも気づかれずに屋台からパンの切れ端をくすねる痩せた犬。
道に撒かれた香辛料の匂いが、許可も取らずに鼻を突いてきた。新鮮な魚の匂いと、何か甘い、正体の分からない何かが混ざり合って。
夢だと考えることもできただろう。だが違った。子どもの頃から、俺は夢と現実の区別だけはいつも見分けられた。そしてこれは、あまりにも生々しすぎた――音、匂い、素足の下の石の冷たさ、すべての感覚が同時に働いていた。
これは現実だった。
そしてそのとき、記憶が何かを叩いた。あの路地であの暴漢が話していたこと。理由もなく消える人々。部屋のドアを開けたら別の場所に現れるという話。ある場所で眠りについて、まったく違う場所で目を覚ますという話。
俺に起きたのは、それだったのか。
他に説明のしようがなかった。だが、なぜ今なんだ。ちょうどあの失われた数時間の記憶を取り戻す必要があったこのタイミングで、宇宙はこれを俺に投げつけてくる。思い出せないことだけでもう十分だというのに。
「あのまま眠っていればよかった。二度と目を覚ますべきじゃなかった」歯の隙間から呟き、髪に手を通した。
「何をそんなに呟いてるの?」
優しい声が、すぐそばから聞こえた。下を見た。市場の人混みの中で迷子になっている小さな女の子でもいるのかと思いながら。
誰もいなかった。
「最高だ。今度は頭の中で声まで聞こえるようになったか」
「どうしてまだ呟いてるの?」同じ声がしつこく続けた。
左右を見た。何もない。誰もいない。この声の主だと思えるほど近くに誰かがいる様子すらなかった。
「ここだよ」
ここってどこだ。
「ここ、上だよ」
視線を上げた。
「これでもう、本当に頭がおかしくなったな」
目の前に浮かんでいたのは、呼吸しているかのようなピンク色のオーラに包まれた小さな生き物だった。綿菓子のように柔らかい毛皮は、淡いピンクから濃いフクシアへと変化し、二本の尾が巨大な花の花びらのように両脇に広がり、魔法のような輝きを放っていた。その目は大きなルビーが二つ、無邪気さといたずらっぽさの入り混じった色を宿していた。腹には、かすかな輝きを放つハート形の印があり、まるでその小さな存在が、あの愛らしさの下に太古の力を秘めているかのようだった。
見ているだけで愛情の波があふれ出るのを止められなかった。まるで、どんな心も無力化するように設計された魔法のように。
『美しい。不思議だ。言葉が出ない』と、俺は何も言えないまま、田舎から出てきたばかりの馬鹿のようにそいつを見つめながら思った。
そして、そのやたら愛らしいものが口を開いた。
「何見てんだよ、クソ野郎」
『え。待て』
こいつのはずがない。何かの見間違いに違いない。
「まさかこのクソ野郎、聞こえなかったのか。何見てんだって聞いてんだよ」
いや、見間違いではなかった。俺は今まさに、ピンク色のもふもふの塊に罵倒されたのだ。
「お前、実在してるのか?」思わず尋ねてしまった。
沈黙。そのルビー色の目が、より柔らかいピンクへと染まった。まるで、先ほどの暴言など最初からなかったかのように。
「もちろん実在してるよ。今まさに私を見てるじゃない」
声が完全に変わっていた――再び優しくなり、まるでスイッチを入れたかのように。空中でくるくると回り始めた。どこへ運ぶかを風が決める、羽根のように軽々と。
「じゃあ、実在してるんだな」と、自分でも変に聞こえる声で言った。
「大正解。頭いいね」小さな手足を叩いて拍手した。先ほどの悪態とはまるで釣り合わない、大げさな喜びようで。
言われなくても分かっていた。
野菜のかごを抱えた人が近くを通り、その方向を見て、何も言わずに通り過ぎた。別の一団が続いた――値段でもめている二人の男、杖をついた老婆。誰も反応しなかった。誰一人として、俺の顔のすぐ前にいる、輝きながら浮かぶ生き物のほうへ、一秒たりとも首を向けなかった。
俺の中の何かが、これは単なる無関心ではないと告げていた。
「きっと、なんで誰も私に注目しないのか気になってるんでしょ」ついにそう言った。それを言い当てたことをほとんど誇らしげにしながら。
察しが早いな、こいつ。
「理由は単純だよ」と続けた。
「単純って、どういうことだ」
「そうだよ。とても単純。実はね、あなた以外の誰にも、私は見えないの」
分かっていた。
「じゃあ、やっぱり幻覚を見てるってことか」
もしかしたら、あの路地か、あるいはもう覚えていないどこか別の場所で、催眠魔法の植物にでも感染したのかもしれない。それなら、見知らぬ部屋で目覚め、今度は同じように見知らぬ世界で、誰にも見えないものを見ている理由の説明がつく。
「違う、違う」尾を左右に振った。その提案に少しばかり気を悪くしたように。「まあ、あなたが完全に頭がおかしいわけじゃない、って言っておこうかな」
「じゃあ何なんだ」
「ああ、誤解しないでね」少しの間、俺の目の高さで静止した。「ちゃんと自己紹介させて」
微笑んだ。
「私はシンビ・ロズ。シンビ族の者よ」
『そんな種族、聞いたこともない。新しいものか、それとも表に出てきたばかりの、とても古いものか』
「実質的には、試練の間ずっとあなたを評価する役よ」
試練の間ずっと?
俺の目は大きく見開かれた。
「もうあの声、聞いたでしょ?」その表情が急に真剣になった。現れてから初めて、その口調から優しさが完全に消えた。「ここに現れる直前に聞いたはずのあの声。まさか、聞き逃すほどぼーっとしてたなんて言わないよね」
もちろん聞いていた。一語一語が、頭蓋骨に刻み込まれたかのように残っていた。
「その試練とやらは、具体的には何なんだ」
もしかしたら、この催眠とやらから抜け出す方法と関係があるのかもしれない。あるいは、もっとひどい、まだ想像すらしていない何かかもしれない。
「いや、つまり――『地獄の試練へようこそ』ってのは、一体全体どういう意味なんだ」
これは、もしかしたら聞く必要のないことだったかもしれない。だが実際のところ、目の前のこいつがどこまで教えてくれるのか知りたかった。
「それは教えられない。本当にごめんね」
「なるほどな。助けてくれてありがとうよ」
「どういたしまして、どういたしまして。問題ないよ。まだお礼を言うのは早いけどね」
くそ。この嘘つき、俺より性質が悪い。
「さて、そろそろシステムに慣れてもらう時間だね」何事もなかったかのように、話題を変えた。まるで先ほどの質問など最初から存在しなかったかのように。
「システムって、何のことだ」
「喋るのやめて、集中して」
「なんでだ」
「ほら、坊や、集中して」
坊や?
目を閉じた。集中。
最初は、何もなかった。闇。それから、煙――どこからともなく現れた濃厚な煙のカーテンが、まるで自らの意志を持つかのように渦を巻いていた。
目を開けた。
「煙しか見えなかった。あそこで何を探せっていうんだ」
「もう一度集中して。ほら」
そうした。今度は抵抗せず、意識をその闇の中へもう少し沈み込ませながら。
すると、煙のカーテンの上に、見えない手が羽根ペンで一画ずつ書いているかのように文字が現れた。最初はゆっくりと、そして徐々に速くなりながら――
༺指定:???༻
༺指定:???༻
༺あなたの名前は?༻
「何だと……」




