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ヘマティック・ウィンター 〜システムに拒絶された俺は、必ず奴を後悔させる〜  作者: TyRedGlyph


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第十章「どこに行くつもりだ?」


先頭に立つ騎士は勢いよく振り向いた。目の前にいた魔物のことを一瞬忘れ、その視線は、二度目の咆哮が上がった方角へと向けられていた。


彼は魔物に背を向けた。二頭目の獰猛な捕食者、二頭目の千牙の悪魔ヴォラックスの突然の出現に正気を失ったからではない。一頭目のヴォラックスから目を離したのは、この先何が起ころうとも自分の部下たちが必ず自分を守ってくれると、確信していたからだ。


「まさか」何が起ころうとも自分の部下たちが必ず自分を守ってくれると、まだこれが終わっておらず、もっと悪い何かの始まりに過ぎないのだと悟り、彼は首を横に振った。もっとずっと悪い何かの。


「今度はどこから湧いて出た」兜の下で、彼の顔は怒りに燃えていた。胸の内も同じだった。彼の苛立ちはとうに限界に達していた。だが今この瞬間、その内に抱えた怒りを抑え込む天井など存在しなかった。


「隊長、これは思っていたより厄介なことになりそうです」彼に歩み寄りながら、部下の一人がそう告げた。だが動いたのはその騎士だけだった。もう一頭の魔物を放置しておくわけにはいかなかったからだ。


そのため、戦場に新たな敵が姿を現したにもかかわらず、他の者たちは最初の位置から一センチも動かなかった。


「隊長、これからどうしますか」そう尋ねる兜の奥では、冷や汗が額を伝っていた。彼は隊長ほど強くはなく、一頭だけでもすでに命が風前の灯だった。


そして今、その一頭目だけでもすでに高位の脅威だったというのに、二頭目までもがその隊列に加わったのだ。


彼はそのすべてを内に押し込めた。それに、兜をかぶっているおかげで、他の者たちには彼が今どんな状態にあるかは分からないはずだった。だから、自分が恐怖のあまり我を忘れかけていることには気づかれないだろう、そう思った。


「今度はこの二頭の魔物にどう対抗するおつもりですか?」彼はまだ隊長からの答えを待っていた。


鼻を鳴らし、答えるまでにしばらく時間をかけた。隊長は部下たちに偽りの希望を与えたくなかった。それでようやく、口を開いて答えた。


「『あれ』を使うしかなさそうだな」彼がそう言った瞬間、何か、意欲とも新たな自信ともとれるものが、その男の中に宿った。隊長には兜の視界が許す範囲までしか見えなかったが、「あれ」を使うと言った後に部下の肩の力がわずかに抜けたことで、それと分かった。


「了解しました、隊長!」実際、その声には先ほどまでの自信が完全に戻っていた。


「その間、一頭目の方は我々が手を貸します。隊長は準備を進めてください」その騎士はそう付け加えると、元の位置へと戻っていった。


隊長はただ頷いた。そして、ほんの一瞬だけ安堵することを自分に許した。なぜなら、彼も部下たちも、まだ諦めてはいなかったからだ。


まだ。


なぜならそれは終わっていなかったからだ。今のことも、それ以前のことも、すべては前置きに過ぎず、今こそ本当の勝負が――子供じみたくだらないことなど脇に置いた、本物の勝負が――始まったのだ。


なぜなら次の瞬間、さらに三つの咆哮がその場に轟いたからだ。


そして、その時初めて、真の地獄が完全に解き放たれた。


※ ※ ※


一方その頃、ジェンダルは、四本の触肢を持つあの魔物と、隊長騎士とその数十人の部下たちとの間で繰り広げられた短い戦闘の、一つの細部たりとも見逃していなかった。


彼の灰色の瞳は、その短い応酬の間に起こったすべてを捉えていた。


これらすべてのやり取り、両陣営が使ったすべての技。ジェンダルはそのすべてを、まるで教本であるかのように読み取っていた。すべてが彼にとって情報だった。すべてが。


この世界の騎士たちは、相変わらず驚異的で、相変わらず有能だった。まさに彼が故郷で覚えている通りに。


彼は、隊長騎士の部下たちが魔物を攻撃しようと身構え、その魔物もまた同じように攻撃者たちから身を守ろうと構えるのを見た。


そして、ジェンダルがさらに考えを巡らせようとした、その矢先。


シンビ・ロズが割って入った。


「馬鹿ガキ、自分の惨めったらしい命が惜しくないの!?」


シンビ・ロズの口調はかなり乱暴だったが、その声色は、他の誰もがそうであるように罵り言葉を口にしていない普段の話し方の時と、それほど変わっていなかった。それに、二人が初めて出会った昨日のように、彼女の瞳が赤く染まることもなかった。


だから、どういうわけか、シンビ・ロズは依然として安定していた。


「何のことだ?」


シンビ・ロズはそれを聞いて首を横に振った。彼女が言いたいことなど明らかではないか、というのに、ジェンダルはとぼけてみせていた。「『何のことだ』ってどういうこと?」その生き物は眉をひそめながらそう返した。


それがまた、どういうわけか、彼女を苛立たしい生き物というよりも、より愛らしく見せていた。


「この場所にいた人たちが、みんなできるだけ早くここから離れて行ったの、見なかったわけ?」彼女は空中でくるりと一回転すると、その場所がすっかり無人になっているのが見えた。


残っているのは、踏み潰されて死んだ数十人の遺体と、石畳の上でまだのたうち回っている者たちだけだった。排泄物、ちぎれた手足、そして倒れ潰された死体の上を、蠅や他の虫の群れがぶんぶんと飛び回っていた。


「あんたも、他のみんながやったみたいに、ここから逃げるべきよ」


その口調からは、もはや専門家らしさのかけらも消え失せ、まるで小さな子供を叱りつけているかのようだった。もっとも、よく考えれば、それもなお十分に専門的な態度だったが。


「それに、今やここに現れた魔物は五頭になったのよ、見えてないの?」彼女は両腕を大きく広げた。まるで授業でもしているかのように。「あんた、本当に頭がおかしいわ、正真正銘の」


「どうやって逃げろって言うんだ」ジェンダルはそう答えながら、ほんの一瞬だけ戦闘から視線を逸らした。


一人の騎士が宙を舞い、岩の地層に叩きつけられた。その衝撃で岩に巨大なクレーターが開き、分厚い砂埃と瓦礫の雲が舞い上がった。


血が噴水のように口から溢れ出した。


ヴォラックスの一頭がその後を追い、おぞましい消化を始めた。


まず、その太い両手で騎士の頭を包み込んだ。男の目は大きく見開かれた。何か言おうとした、おそらくは助けを乞おうとしたのだろうが、その一撃によって言葉を発する力は奪われていた。


その顔は、恐怖そのものを映し出していた。


『嫌だ……嫌だ……嫌だ……死にたくない』


その言葉が頭の中で何度も繰り返されたが、唇からこぼれ出ることはなかった。


『頼む……誰か……助けてくれ……』


誰も来なかった。誰もが自分の生存をかけて戦うのに手一杯で、一瞬の油断でさえ、あの騎士と同じ運命を分かち合うことになりかねなかった。


ヴォラックスは頭部を首からゆっくりと引きちぎり始め、獲物の苦しみを長引かせた。


血が鎧を伝い流れ、岩を赤く染めていった。


すべてが終わると、その生き物は頭部でしばらく遊んでから、それを口の中へと消し去った。


騎士の目は、開かれたままだった。


その後も、まるで時間はいくらでもあるとでも言うかのように、不気味なほど落ち着いた様子で残りの体を食らい続け、ついには岩全体が暗い深紅の幕に覆われるまでそれは続いた。


ジェンダルは想像した。もし隊長があの生き物が部下の遺体をあのように冒涜する様を目の当たりにしたら、怒りで今にも爆発しそうになるだろうと。


※ ※ ※


そして最後に、ジェンダルは再びすべての注意をシンビ・ロズへと戻した。彼の灰色の瞳と、彼女の桃色の瞳が交わった。


二人とも冷ややかな眼差しをしていた。実際、これまで会話を交わしてきたとはいえ、どちらもそれほど互いに親密になったわけではなかった。


二人の視線は数秒間、瞬きもせず、何も言わずにぶつかり合った。


「俺は明らかに、何かの試練の中にいるんだよな?」ようやくジェンダルがそう明言した。


シンビ・ロズは頷いた。


「そして、この現れた魔物は、その地獄の試練とやらで俺の人生を滅茶苦茶にしてくる最初の障害の一つってわけだ」ジェンダルは続けた。すでに視線は戦闘へと戻っていた。


「そして、今言ったことが全部正しいなら。まあ、正しいんだろうけどな」一拍置いて。「だとしたら幸運なことに、俺は彼やその同類と対峙する最初の人間じゃないってわけだ。そして、今それと戦っているのがこの騎士たちだと……」


地面に唾を吐いた。埃に覆われた地面は、まるで大地自体も空腹か渇きを覚えているかのように、その唾液を一瞬で飲み込んだ。


「だったら、今の俺の務めは彼らから学ぶことだ」いくつかの検討すべき点を指折り数え始めた。「どう攻撃するか、よく使われる攻撃パターン、彼らの技能、どんな手を使えるか、そして将来俺が彼らと対峙することになった時、それら全部にどう対抗できるか、それを見ることだ」


『あら、それは考えてなかったわ』シンビ・ロズはそう思った。


「驚いたわ、あんた、結構頭いいのね」シンビ・ロズは微笑んだ。今度は歪んだ笑みではなく、心からのものだった。


「それに、こんな短時間でそこまで考えていたなんてね」彼女の右の口角が再び上がった。「本当に大したものだわ」


ジェンダルは答えた。「それの何がすごいんだよ」そう言い直した。「少しでも常識があれば誰だって真っ先にそう考えるだろ、違うか?」


『みんながみんなそうじゃないのよ』シンビ・ロズは心の中でそう訂正した。


三分後。


「よし、もう十分見た。行くぞ。ここから離れる」


そしてジェンダルは走り出した。


通りは完全に無人というわけではなかった。あちこちにテーブルや椅子が散乱していたからだ。そして露店はどれもほとんど破壊されていた。


地面に散らばったリンゴの山を見つけると、ジェンダルはいくつか拾い上げ、傷んでいるものは投げ捨て、一つにかじりついた。渇いた喉に果汁が流れ込んだ。リンゴがこれほど格別な味だったとは覚えていなかったが、今日はそうだった。昨夜から――いや、二日前から何も食べていなかったのだから。


すべてが至って普通に進んでいた、その時突然ジェンダルはぴたりと足を止め、頭を後ろに傾けた。


彼の目は、これといった理由もなく本能的に右へと動いた。


いや、理由はあった。


そしてその瞬間、魔物の一頭が反対側から飛び出してきた。その爪がとてつもない速さでジェンダルの首元をかすめて通り過ぎた。


爪の冷たさがすぐ近くを通り過ぎるのを感じた。死は彼のほんの数センチ先にあった。


もし反応がコンマ数秒でも遅れていたら。


それが彼の最期になっていただろう。


『どうやってあれを避けたの』シンビ・ロズは驚いてそう自問した。


『いいえ、それよりも重要なのは、魔物が現れる前から、あの子はすでに動きを止めていたということ。まるであの小僧はすべてを予測していたかのようだわ』


シンビ・ロズは内心で微笑んだ。


そして、自分が言ったことを思い出した。


もしジェンダルがまだ他にも秘密を隠しているとしたら。


それなら、また一つ新たな秘密を見つけたことになる。


魔物は不気味な技で身をひるがえし、再び攻撃を仕掛けてきた。


そしてジェンダルは再びそれを回避した。本来ならそんなことができるはずのない、横への動きで。なぜなら、その魔物の速度は決して侮れるものではなかったからだ。


『またやった』


そして魔物は壁に激突し、石片を四方に飛び散らせた。


その隙を逃さず、ジェンダルは急いでその場を後にした。


すでに遠く離れ、逃げ切れたことに安堵していた、その時。


冷たい声が、彼の心の奥深くで響いた。


いや、声ではなかった。もっと個人的な何かだった。彼自身の心臓の鼓動だった。


ジェンダルは反応する間もなかった。


~ドクン~


~ドクン~


~ドクン~


彼の心臓は、戦太鼓のように胸を打ち鳴らした。


システムが再びあの呪いを発動させたのだ。


『心臓の呪い』が、再び発動していた。


ジェンダルの視界は、前方を見ていた状態から徐々に暗くなり、地面が顔に迫ってくるのが見えるだけになっていった。


倒れゆく中、騎士たちとヴォラックス、千牙の悪魔が戦っている方角から、大きな爆発音が聞こえてきた。


『あれは……』ジェンダルはそう思った。その顔がすでに地面に触れていた。


それ以上考えることはできなかった。なぜなら、意識を保てる最後の数秒間に、誰かの足音が自分に近づいてくるのが聞こえたからだ。

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