前へ目次 次へ 90/134 ホラー映画の入り方 トシ江さんの家に向かう。夏は日が長いとは言え、もう19時近い。ピンクとオレンジの夕暮れに紫が濃くなってきた。 町中に入り、病院が見えてきた。盆休みで殆ど明かりがない。病院を通り過ぎ、トシ江さんの家の前に着いた時、ふと何か忘れている気がした。思い出せないが大したことじゃなかったような。 「あれ?真っ暗……」 サクラの言葉に辺りが真っ暗なことに気付く。遠くに街灯がぽつんと一つ。停電かな?車のライトを頼りにサクラが玄関へ。 「鍵、開いてます」