前へ目次 次へ 87/134 信仰 すんなりと話が通じて驚いた。治くんもそうだったが、公然の秘密というやつなのだろうか。僕には馴染みのない違和感しかない風習のこと。 他愛もない日常の中、風化した昔話をおばあさんは語り始めた。 「この麻倉の家には青い目の子供が生まれることがある。その子は決まって勘の良い質でね。サクラもそうだね。起源はわからないが、いつからか村の祭事を取り仕切ることになっていた。私の曾祖母がそうだった。最後のアガタだった」 「最後の?」 「そう、最後のはずだった。」