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行方知れず
鼎造に会えれば、とりあえず元の時間に戻れると気楽に考えていたが急に手詰まり。
「治くん、ここにあったでかい石碑知らない?」
「石碑ならそこにあるだろ?牛頭観音」
薮から少し離れたところに豊作祈願の石碑を指して言った。この感じだと鼎造の行方については何も知らなそうだ。
「図書館の資料で見たんです。私、大学で郷土史を専攻していて」
サクラも焦っている。高校生に戻っていることを忘れているが治くんは知る由もない。
「あぁ、あれか。鼎造ジィさん家からミイラか何かが出た時の。新聞か。石碑が写っていたか分からんが、うちにその頃の写真いくつか残ってたな。アルバム探しておいてやるよ」




