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聡太と蒼汰


鼎造は言葉を探しながら話し続けた。



「空想科学小説は……いや、SF小説といったか。私はあの類の話が殊の外好きでね。タイムパラドクスを知っているかい?今の時代は何と言うのだろうな……」



話の着地点が読めない。タイムパラドクス。各メディアで少し前に流行ったジャンルなので知ってはいるが、説明が難しい。



「タイムパラドクスは、何となくわかります。今も…あー……小説や映画の題材に使われています」



こんな稀有な状況なかなか無いが、時代が違う相手に何か伝えるのはすごく頭を使う。くらくらしてきた。



「あぁ、良かった。説明が難しいんだ。」



鼎造がホッとした様な声で話を続けた。



「私が初めて会った蒼汰は少年だった。扉の外が少し明るく見えたから昼ぐらいか。7つかそこらだったと思う。その少年期の君が帰って行ったすぐ後に、私はもう一度君に会った。」



鼎造は踞っている宗次郎の方を見た。



「父親に生け贄として捧げられた幼児の君だ。あの子が聡太だろう」




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