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宗次郎の話
「蒼汰さんの、お父さん?」
突然の状況に混乱した状態で、サクラが口を開く。
幼い日の記憶は朧げだが、仏間に飾ってある写真を長年見てきた。バァちゃんの夫・宗次郎。つまり、僕の父さんだ。
「なんで神様のものにならなかったんだ?聡太」
ゆっくりと宗次郎は話した。
「舞台は整えてやっただろう。俺には資格がなかったからお前に譲ってやったのに」
あの忠魂碑を撫ぜながら話続ける。
「ここにお前の名が刻まれていないのは何故だ。俺の名が……刻まれなかったのは何故だ?!何年もかかって入口を見付けたのに!!」
徐々に激昂し始める宗次郎。話が見えない。入口?塞の神の社か?
「やめろ、宗次郎。みっともない」
いつの間にか現れた鼎造が話を遮った。




