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雷が近付いてきた。パラパラと降り出した。
聡太のはずがない。でも、聡太を見間違えるはずなんてない。聡太だ。冷静になれ。今はまず避難だ。
抱き締めた。温かい。
カタウリをバイクから降ろし、荷台の収穫籠に子供を乗せ、固定した。「掴まっててね」
家に着いた瞬間、スコールのようなどしゃ降りになった。
「おかえり。すごいな、雨。降られなかったか?風呂、焚いて入り。……マツ?」
「母さん、母さん。聡太なの。母さん」
母の顔を見た途端、安心したのか思ったより動揺している自分に気付いた。上手く言葉が出ない。現実味がない。何度も願った。何度も夢に見た。聡太が、帰ってきた。記憶の中の姿のままで。




