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61年前
何の前触れもなく、2人は消えた。必死で探した。警察も、村の人も総出で探してくれた。足取りも手がかりもないまま、10日後。
熊に襲われた夫が、変わり果てた姿で見付かった。
猟友会により、襲った熊もすぐに捕獲された。胃の内容物から服の破片が見付かった。ただ、夫の死因はどうやら熊に襲われたからではないらしい。心臓発作だったようだ。推定では一週間前には亡くなっていたとのこと。
聡太は依然として行方がわからない。茫然自失。それでも、聡太の帰りを信じ、懸命に生きた。畑は縮小したが続けた。働いた。働いた。夫の両親を看取り、自分の両親の世話もして、7年が経過した。行方不明者の失踪宣告。
法律上、聡太は死亡扱いになった。
わかっている。2才の子供がいなくなった。7年過ぎた。わかっている。それでも、どこかで生きているかもしれない。なんて、無理矢理に希望を持とうとした。あの子は可愛いから。可愛すぎて誰かが連れて行ってしまって、どこかで大事にされて元気で生きているはずだ。………わかっている。きっと、もういないの。




