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悪魔


その刹那、あの祠にいた。



暗いが、誰かいるのが分かった。近付いて行くと見覚えのある顔。先々代の地主だった。死んでいる。



学生時代に嫌がらせをしてきた同級生、事実無根の悪い噂を流した先輩、責任転嫁する同僚、姑息な政敵たち……。ここは地獄か?そういえば体の痛みが消えている。苦しさもない。私は、死んだのか?



「どうだった?順風満帆な人生は」



あの声が尋ねるが、それどころではない。



「ここは…どこだ。あの祠は確かに壊された。」



遺体回収後、警察による現場検証のため祈祷して貰い、祠を撤去したのだ。なのに、この場所は。この人たちは。



「この人たちは何なんだ?!何故こんなところで…!!」



「これが、お前に力を与えた結果だ」



感情の制御が効かない。混乱と焦燥で絶望が溢れ出す。



「こんなこと頼んでいない!こんなことになるなんて……彼らにも家族がいた!!」


「邪魔するやつがいない、良い人生だったろう」



声は、楽しそうに笑った。



「………悪魔め。」


「ははは!お前も俺を悪魔と呼ぶのか」



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