26/134
宣誓
声の主は姿が見えない。不気味だった。だが、恐怖以上に惹かれるものがあった。
「あなたは、誰、ですか?」恐る恐る聞いた。
「悪魔と呼ぶ者もいた。神と呼ぶ者もいた。私たちに名前の概念などないが、便利なものだな。好きに呼ぶといい」
こちらの話を聞いてくれる。会話ができる。敵では、なさそうだ。
「お前は、鼎造だな。まだ13か。賢い子だ、自ら善悪の判断ができる。安心しろ。お前のことはよく分かっている。家族を守る力が欲しいんだな」
こちらの心が読めるのか。再び恐怖が沸いた。しかし、こんなに不思議な力があるのなら。本当に今のような貧しい生活から抜け出せるチャンスなのかもしれない。
「力が、欲しいです。」




