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柚子でも金柑でもない
「蒼汰ぁああぁぁ〜!!風呂入れっつったべ!!!」
バァちゃんが勢いよく割り込んできた。さすがのサクラも一瞬ビクッとして止まった。年寄りの大声は聞き慣れていても本気で怖い。なぜかケンカ腰に聞こえるし、何かあったのか?と心配になる。野生動物に似た迫力がある。
「ごめん、ちょっと風呂行ってくる。その後送ってくから」
汗くさかったかな?自分の匂いって自分じゃわからないしな。と、風呂の蓋を開けると何故かネーブルオレンジとよもぎ、菖蒲の葉が浮いていた。
え?何これ。
物心つく前からバァちゃんと暮らしているが、初めてのことだった。テレビの影響をもろに受ける人なので何かの真似をしたのかもしれない。朝か昼の情報番組だろう。
それにしても量が尋常じゃない。
孫の香草漬けでも作る気か。




