魔剣。
翌朝、じいじとばあばはママを連れて帰って行った。
愚図るユウナを宥めるのに、麻里は授乳させすぎてぐったりしている。
「ママ、早く帰って来てね!」
「母子手帳取りに、市役所行くだけよ。パパがお仕事片付けたら、迎えに来てもらうから。ちゃんと、いい子にしてなさい。」
「うん、ユウナいい子にしてる!」
「ユウナ、ユキの事頼むな。落ち着いたら、子供見に来るから。」
「うん、ユキに言っておく。」
慎吾も連れて、ママ達は帰って行った。
あんなにいっぱい居たのに、今は誰もいない。
ミミに狼煙を上げたら、夕方起きたら来るって狼煙で返事して来た。
面倒いから、電話設置してよ。
あっ、ミミの祠じゃ電線来てないんだった。
民宿に戻ると、長もおばばもいなかった。
長は、ユキに栄養を取らせようと冷凍していた鹿肉の解体。
おばばは、となりの集会所で近所のおばちゃん達と出産準備をしている。
囲炉裏のそばに行くと、ミューちゃんが駆け寄って来た。
ユキは、落ち着いているみたい。
ハクが、落ち着きない。
男親なんて、いつもこんなもんね。
いつもなら、どこ行くのにもママはボクを連れて行ってくれた。
今日は、違った。
ユキの事もあるし、ボクも強く言えなかった。
やっぱり、まだ怒っているのかなぁ?
ちゃんと謝ってないし、母子手帳はママの本当の子供の為だ。
ボクは、拾われてきた子供だし。
ん、どうしたのハク?
ボク、泣いてたんだ。
その雑巾は、さすがに無いわー。
ふふっ、ありがとうハク。
ボクには、お兄ちゃんとお姉ちゃんそれに妹もいる。
そして、もうすぐ甥っ子や姪っ子も産まれる。
一人じゃない、みんな大切な家族。
「ピンポーン、お邪魔しまーす!」
えっと、誰もいない。
「はーい!あっ、陽介。」
「やっぱり、ここに居たのか?」
「どうしたの、西根のおっちゃんの所にいるんでしょ?」
「あぁ、美奈子から聞いたのか。ユウナ、婚約したんだってな。おめでとうさん。」
「うん…、ゴメンね。」
「何で、謝る?相手は、麻里さんの弟だろ。小学生相手って言うのは、あれだけど。今のユウナは、小っさいからな。」
「小っさい、言うな!」
「お前、一人か?」
「うん、お留守番。陽介、誰かに用?」
「いいや、お前に渡したい物があってな。」
何やら、剣を鞘ごと渡された。
「何、これ?」
「魔剣だ、抜いてみな。」
「キレイ、虹色に光ってる。」
「ミスリルで作って、オロチの鱗で覆ってある。法力を付与し放題、ユウナ専用だ。」
「フエッ、すごい!ボクに、くれるの。何で?」
「婚約祝いもあるけど、正直俺もユウナを護りたいんだ。」
「ありがとう、大切にする!絶対に!」
「じゃあ、俺行くわ。ユウナ、無理するなよ。」
「ゆっくりしてって、ユキの子供が産まれるの。」
「そうか、それは良かった。ユウナ、両親を大事にな。それじゃ、又。」
行って、しまった。
やっぱり、オサレさんになってた。
ちょっと、惜しい事したかも。
それより、この剣やばいんですけど。
ボクの法力をどんどん吸い上げて、禍禍しさが増している。
とりあえず、鞘に納めて。
ミミが来たら、鑑定してもらわなきゃ。
えっと、ミューちゃんのバッグに隠しておこう。
陽介、すごい事出来るんだなぁ。
やっぱり、ミミが賢者にするのもわかる。
そのせいで、ボクは陽介と別れたけれど。
やっぱり、大人なんだなぁ。
ちっとも、そんな素振り見せやしない。
ミューちゃん、危ないから剣を抜いちゃダメだよ。
イヤー、やばかった!
小っさくなったせいで、可愛さが何万倍にもなってたな。
俺、事案になりそうな事起こしそうだったよ。
偉い、良く自制した俺。
しかし、あの剣は自分でも良く作れたと思う。
あれは物理的にも、何でも切れる剣だが。
本質は、相手の魂を切ってしまう物だ。
あの剣を振るわれたら、異次元の者でも堪らないはずだ。
ユウナの法力を付与したら、敵無しだろう。
魔法少女なのに、剣聖も驚く剣士なんだ。
あの子にしか、使いこなせない。
まっ、次は軽くて耐性無限の防御服でも作るかな。
本当、小っさかったなぁ。
心なしか、おっぱいもチッパイになってなかったか?
俺、ロリの趣味は無いんだがな。
「フィークッション、ちきしょう!ゴメン、ごめん。起こしたね、ユキ。」
いい女は、どこでも噂されちゃうのよね。




