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慎吾、覚醒。

 「慎吾、ユウナ、こっちに来なさい。」


 「フエッ、ママ~。」


 「何、兄さん。オワッ、オレはユウナみたいな赤ちゃんじゃないぞ。」


 麻里に抱っこされたユウナだけでなく、慎吾も文太に抱っこされていた。


 「慎吾、姫と婚約したそうじゃな。おめでとうと言いたいが、覚悟は出来とるか?」


 「長、オレはユウナを愛している。覚悟がいるなら、教えて欲しい。」


 「いい、面構えだ。まず、姫は人ではない。」


 麻里のひざの上で、ユウナがビクッとする。


 「大丈夫よ、ユウナ。」


 「ママ…。」


 「人ではないって、ユウナは小っさい女の子ですよね。」


 「小っさい、言うな!」


 「確かに、小っさいな。」


 「ママ~。」


 「黙って、聞きなさい。」


 「姫は、言うなれば神だ。人が創り出した、まやかしのでは無い。我々とは、全く異なる次元の者だ。我々も、人では無いが概ね人族ではある。お前の姉も、違うのは知っているか?」


 「ああ、姉ちゃんはエルフだよね。パイオツカイデーな所は、母ちゃんそっくりだけど。痛っ!」


 「余計な事、言わないの。」


 「ママ、大っきいもんね。」


 「そうね、ユウナにおっぱいあげる為に大きくなったのよ。」


 「さすが、ボクのママ!」

 

 「だいぶ脱線したが、わし等は姫を擁護する為に存在している。慎吾は、今いくつだ。」


 「11才だよ、ユウナと結婚するまで後7年もあるよ。」


 「そうか、姫はもう出来るがな。」


 「ユウナって、本当はいくつなんだ?」


 「それは、知らんでもいい。どのみち、姫は成長してもそんなに大きくならん。」


 「去年の今頃は、けっこう大きかったけどな。」


 「あそこまでは大きくならんが、もう少し成長はするだろう。それより、姫の寿命だ。慎吾、人間の寿命はわかるか?」


 「恐らく、80前後くらいかなぁ。男の方が、短いんだっけ?」


 「賢いな、その通りじゃ。文太や麻里は、千年以上ある。わし等亜人族も、何百年は生きる。そして姫は、万年の寿命がある。しかも、見た目はそのままだ。今は幼体だから、そんなに産まれてから経ってはいない。」


 「んー、つまりユウナに取ってみたらオレと一緒の時間は子供時代の思い出になるのか。しかも、オレはすぐ爺さんになるって訳か。」


 「察しが、いいな。しかしそれは姫に取ってみれば、誰でも一緒の事だ。麻里や文太は特殊だから、長生きする。そう、姫の両親である為にじゃ。姫には、一族がいない。姫は、この世でたった一人のフェンリルなのだ。お前は、それでも姫を愛せるか?」


 「降ろして、兄さん。姉ちゃん、ユウナと二人きりにさせてくれ。ユウナ、仏間に行くぞ。」


 「うん…。」


 

 しばらくして、泣きじゃくるユウナを連れて慎吾が戻って来た。


 「姉ちゃん、頼むわ。」


 「ちょっと、娘に何したのよ!弟でも、していい事と悪い事があるのよ!」


 「はぁ、泣かしたのは悪かったが何もユウナに酷い事はしてないよ。」


 「じゃあ、何で泣いているのよ?ユウナ、慎吾になんて言われたの。ママに、教えて。」


 「本当、過保護だな。そんなんだから、ユウナは大きくなれないんだよ。」


 「何ですって!」


 「まぁまぁ、麻里。慎吾、ユウナはどうして泣いているんだい?」


 「父ちゃん、ユウナはな不安なんだよ。いつか、一人ぼっちになるって。皆が甘やかす度に、どっかにいなくなっちゃうかもって。甘やかす事は、オレもしている。皆の、気持ちもわかる。けど、姫だか何だか知らんけどこいつは普通の女の子なんだよ。だから、オレだけでもこいつに甘えるよ。お互いに、ラブラブスイーツになるよ。ただな、オレがジジイになっても好きでいてくれって言ったら…。わかんないって、オレが泣きたいよ。」


 「ユウナ、そんな事言ったの?慎吾が年取るのは、しょうがない事なのよ。」


 「だってね、ばあば。ボク、結婚した事無いし。女の子になって、初めての彼氏だもの。」


 「生理になったの、ついこの間だもんね。」


 「わ~ん、言わないで!」


 「オレは、知っているぞ。ユウナ、丈夫な赤ちゃん産んでくれよな。」


 「百万年早いわ、クソガキ!」


 「ユウナ相手だと、冗談に聞こえないな。ねぇ、おばば。若く見える秘訣とか、無いの?」


 「慎吾、おばばに聞いてどうする?」


 「やっぱりこう言うのは、不可思議魔女に聞かないと。」


 「慎吾、素直にきれいなお姉さんと言えばいいのに。方法は無くないよ、あんたが魔物になればいいのさ。ほぼ無理だろうけど、ユウナに考えさせな。この子の脳は、あらゆる事象を破壊するから。厳しいだろうけど、実践するのはあんただよ。ユウナ、覚醒したらよく考えな。慎吾を巻き込んで、いいものかどうか。」


 「ユウナ、頼む!覚醒したら、どうしたらいいか、教えてくれ。」


 「ボク、わかんないよ。おバカだから、覚醒しないかもしれないし。」


 「いいのよ、ユウナ。焦らなくても、ママ達が見守っているから。」


 「又、甘やかす。姉ちゃん、いつまでも子離れ出来ねえぞ。来い、ユウナ。七門山まで、トレーニングだ!」


 


 「慎吾、覚醒したのかな?」


 「まさか、わし等の子供なんだ。人間は、覚醒しないじゃろ。」



 


 

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