妊娠。
お持ち帰りに、父さんがかんぴょう巻を注文してくれていた。
ユウナの好物を覚えてくれて、いたんだ。
じいじの株、大あがりだね。
ショッピングモールで買い物しようと、食品売り場に向かう。
向こうから小っちゃな女の子が、走って来た。
「ママ~!」
「ユウナ、走ったら危ないでしょ。」
「ウヘヘ、マッピィ買ってもらった。後、ベアーの冒険も!」
玩具売り場の袋を自慢げに、掲げる。
「パパは?」
「向こうで、コーヒー飲んでるよ。ママ、病院は大丈夫だった?」
「パパの所で、お話しましょうか。」
「麻里、あたし達は買い物しておくからゆっくりしときな。」
「うん、ありがとう。ユウナも、買い物行く?」
「ううん、ママと一緒がいい。」
「じゃあ、おやつ買ってきてやるからな。」
「お願い、お兄ちゃん。」
「パパー、ママがいた。」
「あなた、お仕事終わったの?」
「いや、お昼とユウナに玩具買ってやろうと思って。どうだった、麻里?」
「うん、2カ月とちょっとだった。今のところは、正常みたいよ。」
「ヨシ!ユウナ、喜べ。ママが、お手柄だぞ。」
「ママ、偉い!」
「フフフ、まだ先の事だからね。二人共、よろしくね。」
「さて、もう一回りするかな。ユウナは、どうする?」
「ママと、一緒に行く!」
「こいつ、玩具買って貰ったら。もう、俺は用済みか。」
「パパ、ありがとう。又、買ってね。チュッ!」
「ハハ、何でも買ってやるぞ!」
「あなた!」
「ついまてーん、調子に乗りました。」
「後で、迎えに来てね。夕飯は、実家で食べるからあまり遅くならないで。」
「あぁ、わかった。気を付けてな。」
「あなたも。」
買い物を終えた両親達と合流して、実家に帰る。
「ユウナ、何買ってもらったんだ?」
「マッピィと、絵本だよ。」
「いいなぁ、父ちゃん俺にも買ってくれよ。」
「お前も、絵本が欲しいのか?」
「そうじゃないよ、ファミコンのカセットだよ。全く、赤ちゃんじゃないんだから絵本なんていらないよ。」
「お兄ちゃん、ボク赤ちゃんじゃないよ!お兄ちゃんの、奥さんでしょ?」
「そっ、そうだよ。ユウナは、俺のかわいい奥さんだよ。」
ニヘラ~。
「ユウナ、気持ち悪いわよ。母さん、元気無いわね。」
「ううん、そんな事は無いよ。お目出度い事続きで、戸惑っているのよ。」
「イクママ、心配事?」
「ユウナにまで、迷惑かけるね。」
「麻里はいいんだけど、ユウナに子供が出来たらと思って。」
私は、いいんだ。
「ボクが、本当は男だったから?」
「ユウナは、ずっとかわいい女の子だろう?じいじが、保証するぞ。」
「ユウナは、フェンリルだろ。フェンリルの子供なんて、どうすりゃいいのか。」
「ユウナがちゃんと育ってるんだから、大丈夫よ。里の人達も、放て置かないわよ。」
「そうだね、まずは麻里の子供だね。どっちだろうね?」
「男でも女でも、丈夫だったらいいわ。」
「そうじゃなくて、蛇と出るか鬼と出るか。あっ、エルフだった。」
「母さん、楽しんでない?」
「姉ちゃんの子供なら、鬼だよ。鬼同士からは、鬼しか産まれねえよ。」
「こらっ、慎吾!」
「わっ、鬼怖い!」
ユウナが、爆笑している。
まっ、いいか。
気兼ねしない、いい家族だわ。
実家に戻ると、私の部屋がそのままになっていた。
両親も帰って来ないとわかっても、踏ん切りがつかないのだろう。
ボーッと、卒業アルバムに見入る。
おかしな物で、娘も何故かそこにいる。
親子で同じ卒業アルバムに写っているのは、私達くらいだろう。
あれから、1年も経っていない。
同じ学び舎で、机を並べていたのだ。
実際は親子程では無いが、ユウナとは年齢差はある。
精神的な年齢であれば、親子でもおかしく無い。
夫の方が、精神的には近い。
見た目には、ギャップもるが。
私がハイエルフである為に、容姿が若すぎるのである。
夫も私も娘も、バランスの取れた家族だ。
ここに赤ん坊が産まれたら、益々よき家族になる。
医師を諦めた訳では無いが、母親が子供に取って一番のドクターなんだ。
まずは、ちゃんと母親になろう。
今までゴメンね、ユウナ。
これからは、いっぱい甘やかすからね。
仕事、終わりません。
明日から入院、明後日7回目の手術です。
意識が戻ったら、又よろしくお願い致します。




