仕事納め。
やはり昨日の晩から降り出した雪で、外が荒れていた。
ミミ様が起きて火の番をしてくれたので、家の中は暖かい。
こんな悪天候でも、夫は出かける様だ。
今日で仕事納めの所が多いので、挨拶回りに行くらしい。
経営者でもあり議員である夫も、こう言った事はちゃんとする。
何故か、ユウナがついて行く。
夫は、ただ自慢したいらしい。
ユウナは、ファミコンのカセットが欲しいのだ。
この親子、大丈夫か?
私と慎吾は、実家に一度帰る事にした。
お母さんに、産婦人科に連れて行ってもらう事にしたのだ。
明日から病院もお休みなので、今年中にちゃんと診察してもらう。
秋大の編入、どうしよう。
まっ、今考える事でも無いか。
来年になったら、学さんに正式に会社は譲るとの事。
夫は、会長としてオブザーバー的立場になる。
時間も出来るので、子育てにも参加したいみたいだ。
ユウナを挨拶回りに同行させるのも、来年から稼働する産廃処分場の事があるからだろう。
町にも、多大な収益をもたらす。
しかし、汚染や風評被害など問題が山積みだ。
ユウナなら、それの対応策をわかりやすく説明出来る。
家の子、完璧!
ミミ様とミューちゃんにお留守番をお願いして、まず実家へ向かう。
「じいじ、イクママ、ただいま!」
「お帰り、ユウナはお出かけなのかい?」
「うん、パパとお仕事。」
「えらいね、帰ってきたらごちそう用意しとくからね。」
「母さん、ただいま。」
もっと、嬉しそうにしてよ。
「麻里、大丈夫かい?どこか、つらい所は無い?」
ただ、心配だったらしい。
「お義父さん、お義母さん、麻里をよろしくお願いします。」
「ああ、わかった。文太君、あまり無理せずに早く帰って来なさい。」
「慎吾も、頼んだぞ!」
「おぉ、姉ちゃんは任せろ。将来の、母ちゃんだからな。」
「行って来まーす!」
「さっ、中にお入り。病院は、10時からだからもう少ししたら出かけるよ。」
「そう、慎吾。将来の母ちゃんって、なんだい?」
「俺、ユウナと結婚する事にしたんだ。18になったら、正式にする。なっ、いいだろう?」
「いいも何も、ユウナはそれでいいのかい。親御さんは、何て言ってるの?あっ、いたわ。」
「父さん、母さん、ユウナがどうしても慎吾がいいって。この先も気持ちが変わらなければ、お願いしたいんだけど。」
「先の話だから、慌てなくても良かろう。みんなで温かく、見守って行こうか。それより、お前だ。」
「そうよ、電話もらって嬉しくて嬉しくて。昨日、寝れなかったのよ。」
「ちょっと、落ち着いてよ。夫婦なんだから、子供も出来るわよ。」
「そうだけど、孫なんて何人いてもいいんだし。頑張って、いっぱい作りなさい。」
「ネズミじゃないんだから、それにまだはっきりしてないのよ。」
「初孫じゃないんだから、それなりに落ち着いているよ。ユウナの時は、大変だったけど。」
「ちょっと、ユウナ産まれた時は違うでしょ!」
「そうだっけ?」
「やっぱり、ユウナは姉ちゃんが産んだのか。」
慎吾が、納得顔をしている。
もう、そう言う事にしとこ。
お父さんの車で、市立病院にやって来た。
緊張する、勘違いだったらどうしよう。
検査が終わって、先生に呼ばれる。
母と一緒に、部屋に入る。
「おめでとうございます、2カ月とちょっとって所ですね。今のところは、正常ですよ。大事に、してくださいね。」
「ありがとうございます、おかあ~さん。」
「良かったね、麻里。良かった、先生ありがとうございます。」
「どうだった、麻里?」
「うん、2カ月だって。元気だって、おとう~さんありがとう。」
「良かったな、麻里。何でも言えよ、何でもしてやるからな。」
「姉ちゃん、おめでとう。ンと、俺の弟?」
「今のところは、甥っ子かなぁ。男か女か、わからないけど。慎吾、可愛がってね。」
「ああ、俺も早くユウナとかわいい子供作るよ。」
「くそガキ、百万年早いわ!」
「ハハハ、姉ちゃん元気になって良かった。」
心配してくれたんだ、慎吾。
「麻里、お祝いにひさご寿司行こうか?」
「うん、行く!」
お寿司、食べたかった。
やっぱり、酸っぱい物が欲しくなるのかなぁ。
ただの、食いしんぼだろ。
「何か言った、慎吾!」
「何も、言ってねえよ。」




