かかあ天下。
【ただいま、ケーキ買って来たよ!】
そのまま、ママに抱き上げられた。
「ユウナ、ママ寂しかったわ。」
「ママ、大げさ。朝も、会ったじゃん。」
「麻里、ユウナも少しづつ大人になるんだ。その内、いい人を見つけたら…。ウオーッ、かかってこいや!」
「パパも、たいがいだよ。パパと長に、話があるの。ママ、下ろして。」
「ママは、聞いちゃダメなの?」
「そう言う訳じゃないけど、つまんない話だし。あっちで、じいじ達が、呼んでるよ。」
「ユウナ、ありがとうな。あんなに良さげな物、高かっただろう?」
「大丈夫だよ、年明けたらパパと学兄ちゃんの結婚式するんでしょ。ちゃんと、あれ着てね。」
「所で、話ってなんだ?」
「パパ、葛城の人達知ってる?」
「あぁ、家のじいさんの眷族だな。お前は、接点無いだろう?」
「それがね、母様の配下だったんだ。」
「それで、土蜘蛛達がどうしたんだ。」
「文太、土蜘蛛ってなんだ?」
「あぁ、長は俺の爺さまの事知らないか?役小角って言う修験者が、俺の祖父なんだ。その眷族が、奈良の葛城を拠点にする土蜘蛛達だ。蜘蛛と言っても、人間と代わらないがな。」
「役小角って、あの賀茂一族のか?歴史上の、偉人だぞ。ユウナは、何で知っているんだ?」
「帰って来る途中で、待ち伏せされてて。何かね、神に喧嘩売るとか言って。ボクに、女王になって欲しいんだって。」
「そうか、やはり動き出したか?」
「んでね、ボクが拒否したら落ち込んじゃって。かわいそうだから、九尾弧のおじちゃんに相談しなって。それで、長から柳山のおじちゃんに頼んでよ。又、伏見に行くんでしょ?」
「そうだな、近いうちに行ってもらうかな。それにしても、ユウナ似合うな。それは、魔法少女って奴か?」
「違うよ。この世の悪は、木星に変わってお仕置きよ。愛の美少女戦士、セーラーマーズ!」
【ブホッ!】
「マーズは、火星でしょ。ユウナ、バカね。」
「煩い、ママ!もう、汚いよ。はい、鼻血拭いて。ボクだって、恥ずかしいんだから。」
「進藤さん、迷惑かけましたな。危ない目に合わせて、申し訳なかった。」
「いやいや、わし等はユウナに守ってもらってたからな。それより、これを二人に。」
「黒霧島じゃないですか?これは、珍しい。麻里も、喜びますよ。」
「長、一気に飲んだらダメだよ。」
「これは、ユウナからのクリスマスプレゼントじゃ。文太君には、麻里のも用意しているから後で車に取りに来てくれ。」
「ありがとうな、ユウナ。ママも、喜ぶよ。」
「あんまり飲ませ過ぎちゃ、ダメだよ。ママ酒癖悪いんだから。」
「なーんだ、お前も知ってたのか。大丈夫だぞ、パパは頑丈だからな。」
何されてんの、パパ?
パーティーの準備が出来たみたいで、お兄ちゃんが呼びに来た。
お兄ちゃんが、今日一日有効のイチャイチャをボクにぶつける。
「もう、由香お姉ちゃんに言い付けるよ。」
「何言ってんだ、ユウナ。お兄ちゃんは、ただ妹を愛でているだけだぞ。」
もう妹とは言っても、お兄ちゃんと背格好は変わらなくなって来た。
すぐ、又追い越すだろう。
大人達は、お酒を飲んで熊鍋や七面鳥の丸焼きに舌鼓を打つ。
ボクとお兄ちゃんは、ケンタッキーを食べながら山葡萄ジュースを飲む。
ママが、じいじに絡んでいた。
宥めるパパの頭をペシペシ、叩いている。
「本当に、クセ悪いね。麻里は、誰に似たんだい?」
「郁恵ちゃん、麻里ちゃんの母親もクセ悪かっただろう?」
「あの時分は、私も子供だったからわからないよ。圭子さんとは、付き合い古いんでしょ?」
「そうでも、無いよ。私らの里には、あんまり寄りつかなかったからね。あの人らは、鉱山で生活してたからね。」
「ねぇ、ママの親御さん達は鉱山で働いてたの?」
「そうだね、山師って言ってこの辺りの鉱脈を探すのが生業だったはずね。麻里ちゃんが産まれてからは、学校の先生してたけど。」
「へぇ、ボクの母様とも仲良かったのかな?」
「そうね、仲良かったと言うより身内みたいな感じかしら。」
「麻里ちゃんの面倒を女王様がみたり、ユウナが産まれる時は逆に取り上げてもらったり。」
「全然、覚えてないや。」
「そりゃ、そうだね。ユウナが物心ついたのは、つい最近だからね。麻里がいなかったら、もっと遅かったんじゃない。」
「ママは、やっぱりボクのお母さんなんだ。」
「ユウナ~、あんた誰が好きなの?慎吾、それとも陽介?」
「うわっ、クサいし鬱陶しい!」
「何!それが、母親に対する態度なん!お尻、出しなさい!ペンペン、したげる!」
「麻里、ユウナに当たるな。お前、後で自己嫌悪に陥るぞ。」
「煩い、海坊主!酒、持ってこい!」
「ハァ、何でエルフって酒癖悪いのかしら。」
「おばばも、悪いん?」
「昔はね。ジジイを良くコテンパンに、してたよ。」
「我が娘ながら、どうしたものやら。」
「大丈夫だよ、パパ頑丈だもん。」
【ハァ…。】
「女って、凄ーな!ユウナも、ウッ!いや、何でもないや。やめれ、ユウナ。やめろー!」




