聖女。
「おばあちゃん、ウエ~ン!」
「ユウナ、お腹痛いだろう?」
「ヴン、ちゅごく痛い!」
「寝汗も、すごいね。身体拭いて、着替えようか。」
「おばあちゃん、くすぐったいよ。ヒャー!」
「よし、いちごパンツにこれ張ってと。」
「それ、何?」
「ナプキンだよ、生理になったらこれで出血を遮るのさ。」
「ふーん、女って大変だね。」
「ほい、横になってこれをお腹にのせてごらん。」
「暖かい、気持ちいいかも。」
「初めての生理だから、無理しないで休んでなさい。夕飯になったら、様子見にくるからね。」
ハクが、じいじとお兄ちゃんを連れて来た。
「ユウナ、大丈夫か?」
「ユウナ、病気なのか?」
「大丈夫だよ、病気じゃないよお兄ちゃん。」
「おじいちゃん、ハクねパパになるんだよ。」
「ほう、そうだったな。ハク、一人我が家で預かっても良いか?」
「ワン、ワーン!」
「ありがとうな、慎吾ちゃんと面倒みるんだぞ。」
「任せて、ハク安心しろよ。やめれ、ハクくすぐったいよ。」
ハクがベロベロと、慎吾をなめまわす。
「ユウナ、麻里達ももうすぐ帰って来るそうだ。お前の事、心配してたぞ。」
「ママ、途中で帰ってくるの?何だか、悪い事したなぁ。」
「姉ちゃん、目いっぱい楽しんだみたいだぞ。酔っぱらって、兄ちゃんが大変そうだったよ。」
「たまには、パパもやられればいいんだ!」
「ユウナ、ほらゲームウオッチやるよ。ドンキーコング、やり方覚えているだろう?」
「いいの、大切にしてたんじゃ?」
「俺ももう、お兄ちゃんだからな。可愛い妹に、あげるよ。」
「大切にするね。」
「慎吾、雪かきの手伝いするぞ。露天風呂入りたいだろう、ユウナ。」
「うん、入りたい!」
いつの間にか来ていたミューちゃんを残して、みんな出て行った。
静かになった部屋で、ミューちゃんと横になる。
白いモフモフの耳が、顔をなぞる。
かわいい俺の妹ねぇ、ミューちゃんもボクの妹だ。
やっぱり、お兄ちゃんはボクを妹としてしかみてくれない。
そりゃ、由香お姉ちゃんは親に似てキレイだ。
あの胸部装甲も、遺伝があるから相当な事になるだろう。
何より、おばばの孫だ。
あの年齢不詳の見た目だけギャル系のおばばの、孫だ。
そりゃ、惚れるわ。
いつまでも、年少さんのボクじゃあ。
あぅ、ママ早く会いたいよぅ。
起きたら、なんぞお供え物がされてた。
お赤飯と、鯛の尾頭つきそれと鮑に昆布巻き。
「おばば、これ…。」
「何だい、ご馳走だろ?たんと、お食べ。」
「いやいや、ボク普通のご飯が食べたい。それに、ボクは仏様じゃないよ。」
「お風呂入ってないから、匂ってるし。それに、あんたは神様みたいなもんだろ。」
「ボク、先にお風呂入ってくる。露天風呂って、もう入れるの?」
「ああ、じゃあ一緒に入ろうかね。」
「珍しいね、おばばが一緒に入るなんて。」
「今日は郁恵ちゃんが来ているからね、あちらは大丈夫じゃろ。」
「おばばって、幾つ?」
「何だい、レディに歳なんか聞いて。私は、たぶん500才位だよ。」
「ヒエー、長生きだね。見た目、20代なのに。」
「ほめても、何も出ないよ。私は、エルフだからね。20代で、成長が止まるのさ。」
「えっ、牙狼族じゃないの?ママと、同じって事?」
「エルフは同じだけど、種別が違うね。人間でも、アメリカ人と中国人は違うだろ。あの子は、南方エルフ。私は、北方エルフだよ。まっ、昔私も聖女だったんだけどね。」
「すごい、よく長なんかと結婚したね。」
「ジジイも、アレで結構凄いんだよ。私と長は、あんたの母様の眷属だったのさ。ミミ様も、そうだよ。」
「あっ、陽介が賢者になるかもって。それって、ボクに関係あるの?」
「大ありだよ。文太も麻里ちゃんも、そして陽介もお前の眷属だよ。頼りに、しな。」
「うん、おばば聖魔術ボクに教えてよ。」
「お前さんは、聖魔術使えないよ。闇魔術を磨いて、強くなりな。」
「何で、聖魔術使えないの?母様は、使えたんでしょ?ボクって、汚れてるの…。」
「それは、わからない。でも、お前は汚れてなんかいないよ。みんなの、かわいいユウナだよ。」
「おばば…、ア~ン、ウワ~ン!おばばって、エルフだよね。何で、ペチャパイなん?」
「なっ、お前は!エルフは、普通痩身なんだよ。お前のママが、異常なんだよ!」
「そっか、おばばの方が聖女って聞いてしっくりくるもんね。」
「何だか、悪意を感じるね。ユウナ、今日はケーキ無しよ!」
「ウソ、おばば最高に綺麗です。エルフの、鑑です。ケーキ、食べさせて下さい!」




