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割烹。

 夕方、旭川を出て札幌に向かう。


 札幌に着いたら、街に飲みに行く事にしたので夕飯も取らない。


 ホテルにチェックインして、大通公園に向かう。


 時計台、意外にショボい。


 そして札幌と言えば、ここススキノ。


 海鮮を売りにする割烹に、入る。


 「予約していた、如月です。」


 「いらっしゃいませ、こちらへどうぞ。」


 割烹と言うよりは、料亭に近いのかな。


 でも、カウンターもあるしな。


 奥に案内されると、掘り炬燵になっていた。


 「飲み物は、どうされます?」


 「男山の復古酒、あるかな?」


 「はい、燗にしましょうか?」


 「そうだな、最初は燗で頼むよ。料理が出るタイミングで、冷やを持って来てくれ。」


 「かしこまりました、ごゆるりと。」


 「とりあえず、乾杯だな。」


 「何に?」


 「新婚なんだ、それで十分だろ?」


 「うん、甘い?燗に、したから?」


 「いや、この酒は女性が飲みやすい様に北海道では珍しく甘口に仕立ててるんだ。」


 「あなたって、何気に色々詳しいわね。」


 「そりゃ、大人だからな。」


 「そうね、聞きたい事とか教えてほしい事があるんだけど。」


 「俺で、答えれる事ならな。」


 「ユウナって、やっぱり女の子なの?」


 「そうだな、フェンリルにはオスはいないからな。」

 

 「そうなんだ、後王女ってどう言う事。」


 「昔、人里離れて暮らす者達がおってな。その者達から女王様と呼ばれていたのが、ユウナの母親だ。多分、政府はサンガと呼んでいたけどな。西日本や九州あたりでは、その者達は差別されておったらしい。今でも、根強く残っているらしいぞ。」


 「教科書に、載ってたわ。こっちじゃ聞かないけど、被差別の集落問題の事よね。」


 「そうだ、貴族のままでいられなかった者達だな。東国ではありがたがられたが、西国では迫害を受けていたからな。わし等の同族で、大江山の酒呑童子もそのパターンだな。」


 「私の本当の両親も、そうなの?」


 「いや、麻里の先祖は琉球の王族だそうだ。明治維新の時に薩摩で神格化した両親が東京にやって来たらしい。それから、ユウナの母親の所に来た。だけど、そこの経緯は俺も知らない。」


 「たぶん、自由に生きたかったんじゃない。エルフって、縛られるの嫌いだから。」


 「そうなのか~?」


 「何、いやらしい顔してんのよ!」


 先附けと、冷や酒が運ばれて来た。


 先附けは、ホッキ貝の和え物と雲丹のゼリー載せ。


 椀物は、松茸をふんだんに使ったお吸い物。


 後附けに、キャビアが載ったフォアグラ。


 メインは、鮭のムニエルとボタン海老やホタテの入った刺し盛り。


 ご飯物は、イクラでシャリが見えない位の丼。


 デザートは、夕張メロンを使ったムースだそうだ。


 「凄いわね、結構高いんでしょ?」


 「いや、そうでも無い。料亭では、無いからな。一人、二万と飲み物代くらいだ。」


 「はぁ、味噌ラーメンで良かったのに。」


 「そんな事、言うなよ。麻里には、美味い物を沢山食べさせたいんだ。」


 「ありがとう、あなた。ユウナにも、食べさせたいわね。」


 「あの子は、こういう料理は合わんだろう。お子様ランチ、大好きだからな。」


 「旗がないと、泣くもんね。」


 「十勝ワインも、あるぞ。」


 「そんなに飲んだら、起きるの大変よ。」


 「ゆっくりすれば、いいさ。後は、寄るところもそれほど無いしな。」


 「色々、楽しかったわ。貴方、ありがとう。」


 「俺も、楽しかったよ。又、どこか旅行行こうな。」


 「今度はユウナを連れて、親子水入らずで行きましょう。」


 その後、ホテルに帰る道すがら。


 24時間やっていると言う、おにぎり屋さんに寄った。


 夜食と、明日の朝ごはん用に。


 こんな所に来たら、ユウナは目を爛々に輝かせるだろうな。


 あの子、ご飯を握ってあげると食が進むもんね。


 そして、私は今日も鬼に食べられた。


 何度も何度も、私が調合した避妊薬を使ってなければ妊んでたに違いない。


 大学を休学して、子作りしようかなぁ。


 いやいや、やはり聖女になるためにも医学の知識は必要だ。


 私達は、とんでもなく長命なのだ。


 焦る必要は、無い。


 兄弟がいなくても、ガマンしてねユウナ。


 その前に覚醒したら、ユウナに子供できそうね。


 あの子、好き者だからなぁ。


 そしたら、私はおばあちゃん。


 イヤー!



 

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