初潮。
「ユウナ、雪下ろし手伝え。」
長が、体力作りに行こうとするボクを呼び止めた。
「わし等が運ぶから、屋根の雪をユンボで落としてくれ。」
「わかった、ユンボ取ってくる。」
ボクは、集会所のユンボのエンジンを掛けて民宿へ向かう。
ローダーに乗った長が指差す方から、落として行く事にした。
4・5メートル積もっているだろうか、結構な量だ。
ボクが落とした雪を長が後から後から、ローダーで用水路に運んで行く。
裏側は片付いた、今度は玄関側だ。
おばばが、玄関先で休憩にしなと声を掛けてくれた。
「お前、小っちゃいのに大したもんだね。」
いや、大きかった頃から乗ってるから。
長も、ローダーから降りてお茶を飲んでいる。
「ユウナ、牛乳に燻りがっこ合うんか?」
「うん、おいしいよ。ハクとユキも、一緒じゃん。」
ミューちゃんは、人参スティックだけど。
玄関側は、すぐ終わった。
元々、雪寄せしてあるので足下を気にしなくていい。
体力作りする時間が、無くなった。
おばばに夜食をもらって、ミューちゃんとこのまま走って行く事にした。
ミミからもらった解析書で、だいぶ魔法も覚えた。
今日から、少しづつお披露目だ。
「ユウナ、身体は大丈夫か?」
加害者の言葉とも、思えない。
「うん、まだちょっと節々が痛いけどね。」
「お前、状態補正の術覚えただろう。」
「あっ、あれってこういう時に使うんだ。うん、身体が軽くなった気がする。」
「せっかく高位魔術教えても、豚に真珠だの。」
「誰が、豚なのさ!」
「さっ、基本からやって行くか。」
「ねっ、無視!」
「火、土、水、風、雷、融合それぞれの攻撃魔術をやってみせ。」
「ファイヤーボム!アースパレット!ウォーターボール!ウインドカッター!サンダーボルト!アイスウォール!」
「はい、良く出来ました。しかし、綺麗な魔力だの。次は、光魔法だ。」
「ホーリーテンプル!エクストラヒール!」
「お前、聖魔術使えなくても大丈夫なんじゃないか。エクストラヒールなんて、聖魔術師でも使えないぞ。まっ、良いか。お得意の、闇魔法じゃな。少し、離れるか。ミュー、こっちにおいで。」
「ダークバリヤ!ダークエスケープ!ふんっ、ブラックホール!」
「馬鹿もん!山一つ、消してもうたな。とんでもない、法力だな。魔導杖は、使う対象を間違えるなよ。それから、これ。ドラゴンの鱗で作った、魔導具じゃそうだ。」
「何、開けていい?」
「フード付きの、魔導ローブだと。あらゆる物理攻撃、ほぼ全種の魔法攻撃を防ぐんだと。サイズは、着た瞬間にピッタリになるらしい。」
「わっ、軽い。凄いね、これで攻撃を弾くんだ。ミミが、作ったの?」
「いや、陽介だ。あ奴は、お前付きの賢者になる予定だからな。」
「陽介が…。うん、大切にする。」
やはり、女子じゃのう。
「ユウナ、わしが教える事は何も無い。修練は、怠るなよ。後、お前は飽くまで魔導師だからな。近接戦闘は、鬼や狼に任せるのだぞ。」
「えぇ~、ボク刀持った方が戦い易い。悪人をめった斬りに、してやんの!」
「わかった、わかった。ほどほどにな。」
「お師匠様、ありがとうございました。母様に続いて親子二代、恩に着ます。お師匠様、身体に気をつけて長生きしてね。お供え物いっぱい持って、ちょくちょく遊びに来るね。」
「おぅ、そうか。お前は、あのフェンリルに比べて甘ちゃんだの。そういう所が、皆可愛くてしょうが無いんだろう。ほれ、卒業証書じゃ。」
ミミが、又羽根をくれた。
「ありがとう、ミミ。記念に、森吉山一周しよう。」
「お前、飛行術も自由自在か。元々、飛んでいたのか。」
そして、ミューちゃんを乗せたボクとミミは夜の遊覧飛行を楽しんだ。
そして、途中で別れて民宿に帰って来た。
お風呂に入って、ベッドに倒れ込む。
陽介がくれたローブに、しがみつく。
はぅ、子宮が疼く。
えっ、何で?
子宮が疼くって、誰の?
下腹部が、おかしい。
おむつをめくると、出血していた。
しかも、棒が無い。
どういう事?
ボクは、新しいオムツに履き替えてとりあえず寝る事にした。
ママもいないし、明日おばばに聞いてみよう。
もしかしたら、藤原小児科に行かなきゃかも。
憂鬱だなぁ。
こればっかりは、状態補正でもどうにもならない。
うーん、何か悪い食べ物でも食べたっけ?
拾い食いは、してないし。
ママ~!
ボクは泣きながら、寝入ってしまったらしい。
起きると、ミューちゃんがパタパタと耳でぶってきた。
夢じゃなかった、どうしよう。
「痛いよ、ミューちゃん。今、起きるから。」




