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ドアーフ。

 電話を切って、俺は深いため息をついた。


 久々に愛くるしい声が聞けて嬉しかったが、やはり電話では言えなかった。


 あれは、高校の入学式の事だ。


 制服は着ているが、あからさまに場違いな幼児が壇上にいた。


 入試で満点を採ったらしく、新入生代表なんだと。


 俺は容姿から、同じ種族なのではないかと思った。


 ドアーフの女の子は、小さくてずんぐりむっくり。


 その割には、美少女が多い。


 俺も、中肉中背なのだが手足が短いせいでボテッとしている。


 今まで、普通に女子と会話した事など無い。


 仲が良いのは、オタクと呼ばれる人種ばかりだ。


 そして、壇上で堂々と挨拶していた幼女が目の前で泣いていた。


 どうしたのと声をかけたら、下を見ながらガリガリ君が!と、又泣いてしまった。


 視線の先には、溶けたアイスクリームらしき物。


 蟻さんが、群がっていた。


 本当に、同級生なのだろうか?


 「新しいの、買ってあげようか?」


 「本当?」


 二人で売店に行って、アイスクリームコーナーに行く。


 「好きなの、買っていいよ。」


 俺は、緊張して声が震えながら言った。


 「んとね、これ!」


 雪見だいふくを手に取り、視線がまだアイスクリームコーナーに向いていた。


 「いっぱい、買っていいよ。お腹、壊さないでね。」


 「んと、これも!」


 パピコも持って、ご満悦だ。


 会計を済ませると、お礼を言われた。


 「おじちゃん、ありがとう。ボク、部活があるから行くね。今度、お休み遊んでね。」


 「おおぅ…。」


 おじちゃんか、まっそんなもんだろう。


 何か、言ってたな。


 お休み、遊ぼうとか。


 期待しないで、おこう。


 そして、次の日曜日。


 何故か、俺の部屋のベッドに裸の女の子がいた。


 神様、ヘルプ!


 やってしまいました。


 幼児虐待では、無いです。


 ちゃんと、合意の上なんです。


 あれから、幾年月。


 いつまでも変わらぬユウナの、可憐さ。


 いや、色々変わり続けたな。


 そんな俺が、ユウナから離れられるだろうか?


 俺は、当初の志望大学では無く地元の国立大学を受験する事にした。


 しかも、医学部では無く鉱山学部である。


 医学部は麻里さんが飛び級で、早めに医師になれそうだ。


 しかも、麻里さんは聖女なのだそうだ。


 下手な医師など、いらない。


 俺はやはり、ドアーフとして得意の錬金術師になろうと思う。


 族長の西根のじいちゃんから、跡を継がないかと言われたが修業はするが跡は継げないと伝えた。


 賢者であるミミ様から、頃合いをみて賢者をやらせると言われたからだ。


 恐らく、ユウナはこっちに留まるだろう。


 俺は、地元へ帰る。


 しばらく、会えない日が続く。

  

 それでも、賢者としてユウナを支えれる様になりたい。


 今度逢った時は、言わなくちゃな。


 愛しい、ユウナ。


 さて、あれからプログラムシステムをいくつか商標登録した。


 かなり、纏まったお金が手に入った。


 これからも、お金には困らないだろう。


 ユウナにあれこれ買ってあげたいが、今は幼児だからな。


 元々、あれこれ要求しない。


 買ってあげた大きい物でも、車くらいだ。


 後は、お菓子や絵本で満足する。


 玩具やゲームは、ママに怒られるからと買ってあげなかった。


 麻里さん、躾を厳しくしてるんだな。


 このマンションも、引き払う事にしている。


 そして、地元の国立大学と駅の中間位にある中古の一軒家を買った。


 今は、リフォーム中である。


 鍛冶場と工房を1階に設置して、防音工事をしている。


 後、車も買い換えた。


 素材採取の為に、軽の四駆を購入した。


 これがあれば、大抵の所に入っていける。


 俺はユウナにああ言った物の、折りをみて田舎に帰っている。


 もちろん、ユウナをストーカーする為では無い。


 西根のじっちゃんに、ドアーフとしての素養を叩き込んでもらいにだ。


 偶々、ギルドに素材の買い取りと冒険者登録をしに行ったらユウナがいた。


 大きな秋田犬に乗って、走り回っていた。


 心臓が高鳴り、声を掛けそびれてしまった。


 ユウナの周りは、オーラと言うか光り輝いてきれいだった。


 ユウナ自身も、めちゃくちゃ可愛かった。


 そんなこんなで、片付けも兼ねて東京に戻っていた。


 ユウナからの電話に出れて、よかった。


 正月明けも、ユウナに逢う為にこっちに居なきゃな。



 陽介も、元気そうで何よりだ。


 最近小っこくなったせいで、しばらく抱かれていない。


 まっ、受験もあるし。


 今の陽介なら、油断しなければ大丈夫だろう。


 長が買ってくれるって言ってたけど、陽介ならもう少しハイスペックなゲーム機でも買ってくれる。


 でも、ママに怒られるからやめとく。


 長にスーパーファミコン買ってもらったら、パパにソフト買ってもらおう。


 ママも、一緒にゲームしたらいいのに。


 ママは、婆くさいからゲームなんか絶対しない。


 ヒュッ!


 何、今の殺気?


 ママ、もしかしてそこに居るの?


 んな訳ない、今は北海道だ。


 あー、怖っ。


 さて、まだ身体は本調子じゃないけど体力作り行きますか!




 




 

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