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山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
不穏な春を乗り切ろう

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第934話 ばあ様周りを整えよう(1)

 不穏なエイデンたちをよそに、私はさっそく大量買いしたガーデンライトを挿す準備のために、タブレットの『収納』から段ボールを一つ取り出す。


『そいつはなんだい?』


 ユグドラシルのばあ様が不思議そうな声で聞いてきた。 


「これはガーデンライトっていって、灯りが着くの」

『ほお?』

「どのあたりに挿すのがいいかなぁ」


 私はユグドラシルのばあ様の周囲を見回す。

 こちらは野営していた場所とはユグドラシルのばあ様を挟んで裏手。稲荷さんが一部だけザッと草刈りをしてくれたけど、変わらず草ぼうぼう。


「サツキ様、何か手伝います?」


 私の背後から声をかけてきたのは、ルルーちゃん。その後ろにはちびっ子たちが固まっている。見知らぬ場所におどおどしながらも、村人たちの様子につられてやってきたようだ。


「ありがとうね。でも、ここは危ない魔物がいる場所だから、村に戻ったほうがいいかな」

「あら、この子たちなら、私が面倒を見るわよ」


 子供たちの中に紛れていたマリンが声をあげる。


「いや、でも、この人数だし」

『わたしたちもいるわよ』

「え、ウノハナ?」

『ぼくもいるー』

『わたしもよー』


 なんとちびっ子三匹(いや、もうちびっ子ではないか)がドアを潜り抜け、こちらへとやってきた。


『やだー、ユグドラシルのばあさまのとこにこんなにかんたんにこれるなんて』

『おやおや、フェンリルのこたちかい』

『こんにちはー』

『うほほーい』


 元気に走り出したムクに、誰が子供たちを見守るって、とツッコミを入れたくなった。


「望月様、この辺りは今は魔物はおりませんから、大丈夫ですよ」


 いつのまにかそばに来ていた稲荷さん。大地くんはと聞けば、村に戻って、ギャジー翁を呼びに行ったらしい。


「え、なんで?」

「そりゃぁ、彼ら(エイデンとノワール)がいれば、よほどの馬鹿なヤツでなければ、この辺りには近寄りもしないでしょう」

「あれ、村の人たちは?」

「周辺を探索には出たみたいですねぇ。この森にはこの森で色々ありそうですから」

「そ、そうですか」


 とりあえず、稲荷さんの言葉を信じて、子供たちにここに残ることを許した。

 

「さぁて、まずは草を刈ってしまおうかね」


 私はタブレットの『ヒロゲルクン』を立ち上げて、一気に『整地』をしようとしたら。


「ちょっと待ったー!」


 誰の声かと思いきや、先程まで薬草探しでワーキャー言ってたオババさんやベシー、リンダといった薬師組。

 気が付かなかったけれど、草ぼうぼうの中でしゃがんでいたようだ。


「待って下さい! まだ、薬草探してるので!」

「貴重な場所じゃ! 刈らんでくれ!」

「お願いしますー!」


 必死な三人の声に、ビビったのは私だけではなく。


「オ、オババがこわい」

「ヒーン!」


 子供たちが泣き出してしまった。


「はっ! す、すまん、すまん」


 さすがのオババさんも、子供たちに泣かれて焦っている。

 その姿を見たら、思わず笑ってしまったのは、仕方がないと思う。


「アハハハ、わかりました。とりあえず、こちら側は残しておきます。じゃあ、野営してたほうに行こうかな」


 私は子供たちを引き連れて、ユグドラシルのばあ様の根元を野営地のほうへと歩き出した。

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