ああ、自分は仲間に助けられてばかりだ。
おはようございます。
憂鬱な月曜日ですね。
そして当日。
基地から車で1時間ほどの場所にたどり着いた。
ラメール曰く、年間の予算の1割を使わせて作らせた宇宙シャトルと発射場に向かった。
宇宙シャトルに乗り込み、ついに敵の本拠地に行く。
ようやく、シエルを助けられる。
シャトルの個室の窓から外を見てみるといつのまにか雲の上に来ており、少し時間が経つと星々が散りばめられたように輝いているのが見て取れた。
「さて、あと数分で基地に接触するが、私はここに残り、この船を守るわ。」
するとミーティングと同じようにスキンヘッドの男が反応する。
「おい!?どういうことだよ。ラメール隊長が行かなかったら勝てる気がしねえよ。」
「はあ、お前は生きて帰らないつもりか?たしかに私がいけば勝率は大幅に上がるだろう。だがここは絶対に占拠される。
敵の退路を第一に壊すのがあの女、いや敵のやり方だ。それならば生きて帰れる確率が高い方がいいだろう。それにお前たちなら倒せる、絶対にだ。」
ラメールはニヤリと笑って返す。自信満々な笑みだ。
「た、隊長…。」
「さ、感傷に浸っている暇はないぞ。さっさと準備しろ。」
「「「はい!」」」
皆が一斉に準備をし始めたところに、ラメールは俺に声をかけてきた。
「気分は大丈夫?最終決戦だけど。」
「ああ、ようやくシエルを助けられるんだ。ネルの仇もとってやらなきゃいけないし。瑠璃もラメールに教わった剣術もそれなりに使いこなせる。もう、失敗しない。」
「そう。ならこれを貸してあげる。」
そう言って彼女は刀を渡してきた。
「これは?」
「『暁闇』という刀よ。今まで使っていたきた練習用の剣とは大違いなの。これでじゃんじゃん切ってきてね。ま、普通は遠距離戦の方が有利だからそんなことは起きないと思うけど。」
「わかった、ありがとう。」
俺はそう言って笑って見せた。
すると彼女は
「いいえ、どういたしまして。」
と言って笑い返してくれた。
「あ、そうだ。これからありえないことが起こっても必ず受け入れるの。そして理解して自分で最善を選択するの。いいわね。」
「え、それってどういう———」
突然警報がなった。
「ああ、もうそんなに近くに来たのか。」
そう呟くと、スイッチのように表情が切り替わり、全員に聞こえるよう声を張り上げた。
「総員!出動だ!私はここから出来るだけの指令を出すつもりだがあちらは電波遮断を使っているだろうから期待はしないことね。」
その言葉を背後に準備を取り掛かり、急いで外に飛び出した。
「マサト!早く来い。」
隊のみんなが呼んでいる。
「ああ、今行く!」
俺は右手に瑠璃、左腰に暁闇を持って走り抜けていった。
無機質な廊下。前後左右一面白く、同じような道が続いているから、隊長が用意したマップがなければ絶対に迷ってしまっていただろう。
どうやって情報を得たか聞くと『企業秘密よ。』と言われてはぐらかされてしまうが。
隊員の1人が侵入成功を知らせようとするもやはりというか、外部との通信は繋がらないようだ。
「隊長一人で大丈夫なんだろうか。」
「バカいえ。隊長だぞ、あんな人に関わった奴が無事になれるわけないだろ。」
「そうだけども、今までとは違うんだぞ。」
隊は隊長がいないことによって話が尽きない。俺はその言葉に耳を傾けながらなも周りを見渡しながら違和感を覚えていた。
おかしい。なぜこんなに敵が出てこないんだ?
隊長のところに集まっているのか、待ち伏せされているのか。
右に何か見えた気がした。そちらに向いた瞬間、
「マサト危ない!」
仲間に押されて、間一髪銃弾を避けることができた。
「あ、ありがとう。」
「いいってことよ。それより敵だ!いくぞお前ら。」
といって3人ほど隊から外れて戦いに行ってしまった。おそらくグループなのだろう。
「ここはあいつらに任せて行くぞ。」
と誰かが言い、それにその場の全員が頷き再び最深部に向かっていった。
その後も何度か敵に遭遇し、その度に何人かのチームが抜けていき、隊は最深部に通じる廊下で隊は俺を含め残り4人となっていた。
「うーん、ここからじゃ他の人とは連絡が取れないな。俺たちだけで突入するのも危険だよな。」
「ああ、だが仕方ない。シエルちゃんのためだ、早く助けに行こう。な、マサト。」
「ああそうだな。」
と突入するか否かで話していると
風を、感じた。
とっさにしゃがんだ瞬間、さっきまで首があった場所に刃が通った。
「ああ、仕留め損なったか。誠に残念だ。」
目の前にはあの俺の命を奪いかねなかった、『Ma』がいた。
「な、なぜお前がいるんだ!?隊長が倒したんじゃないのか?」
「ん、ああ、先発機のことか。当方はそのバックアップなのでな。お前たちにわかりやすい表現をするならば、新しい体にしたと言うのか?
ともかく、だ。『Mother』の命によりお前たちを殺戮する。」
そういうとMaは手に持つ6本の剣を構え、こちらに斬りかかってきた。
俺たち4人はそれぞれバラバラに避け、すぐさまMaに対し銃を構えた。
だが、
「マサト、行け。」
仲間の1人がそう叫んだ。
「え、どうして。」
「ここは俺たちが食い止めてみせる。お前はMaに勝ったことないんだろ?俺たちはこいつに勝ったことあるし、隊長がいなくても俺たちくらいなら時間稼ぎもどうってことないさ。」
「ああ、だから早く行け!シエルちゃんを助けてこい。」
3人とも必死に俺がいつでも抜けられるように常にヘイトを買う動きをしてくれている。
シエルたちの言葉を思い出した。
『頼らないと仲間じゃ無いもんね。』
仲間のことを頼る時なのだろう。
「…わかった。行ってくる!」
俺はそう言って走り抜け、一気に廊下を走っていき最深部の扉にタックルし、部屋に転がり込んだ。
意外と固い扉で肩が痛み、抑えながら見上げると、
「ああ、ようやく来たか。待ちくたびれたぞ、雅人君。」
中央に大きな機械がある。おそらくあれが隊長の言っていたこの宇宙ステーションの心臓部なのだろう。そしてその前にいるのは———
嘘だ、ありえない。なぜ、なぜそこに君がいるんだ。
そこにいた彼女は振り返るとにっこりと笑って
「では初めまして。同郷の者と話すのは久しぶりだな。私の名前は司波紗月。ここのアーティファクトたちの統率者であり、後ろの私の本体を守る番人だ。ここのみんなからは『Mother』って呼ばれている。以後お見知り置きを。」
そこにいたのは長い栗毛の髪を持った少女。
シエル=エドモンドがいた。
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