幕間 ネルの誕生日
ちょっと箸休め系を入れました。
読まなくても話は進みますが、読むともっと面白くなります。
俺が再び目覚めて、ラメールと会った日から2週間が経った。
本来ならば今日はネルの誕生日だったはずだ。
「ネル…」
去年までは一緒に休日を取り、街で小さなケーキを買ってパーティーをしたものだ。
この世界には『当たり前』や『いつも』が存在しないという事を改めて知らされることとなった。リハビリの合間の散歩に中庭を松葉杖を使いながら散歩し、途中にあったベンチでふと彼の事を思い出した。
あの時、彼は俺にシエルを助けろと言った。本来のネルならこんな発言なんてしない。
ネルはいつだって自分の実力に自信を持っていた。だからあの時『お前らが危なくなったら俺が助けてやる』と言った方がネルらしいだろう。
なのになぜ、ネルはあんな事を言ったんだ?
「あ。」
違う。ネルは自分の実力に自信を持ってたんじゃない。自分の実力を冷静に分析していたのだろう。実際にいつも勝っていた。逆に負けそうな時は素直に黙って撤退していた。
あの時は叶わない相手だってわかっていて、フォローも出来ないかもしれない、だから自分が気を引きつけるから助けろ。
そう言いたかったのだろう。
彼は自分に出来ること出来ないことを分別出来ていたのだろう。
だからこそ、Maを倒すのではなく、俺たちの盾になる事を選んだのだ。
それなのにも関わらず、俺はネルの期待に答えることができなかった。
「ごめん…」
知らないうちにそう呟いていた。
待ってて、ネル。必ず俺はシエルを助けるから。
もう、二度と誰も殺させない。そのためにUWを倒して必ず世界を救わなければ。
胸にかかった2つのペンダントは太陽の光に反射して輝いていた。
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