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無力な俺に暁を  作者: 日下部 涼
5.紅緋の少女
15/23

幕間 ネルの誕生日

ちょっと箸休め系を入れました。

読まなくても話は進みますが、読むともっと面白くなります。

俺が再び目覚めて、ラメールと会った日から2週間が経った。

本来ならば今日はネルの誕生日だったはずだ。


「ネル…」


去年までは一緒に休日を取り、街で小さなケーキを買ってパーティーをしたものだ。

この世界には『当たり前』や『いつも』が存在しないという事を改めて知らされることとなった。リハビリの合間の散歩に中庭を松葉杖を使いながら散歩し、途中にあったベンチでふと彼の事を思い出した。


あの時、彼は俺にシエルを助けろと言った。本来のネルならこんな発言なんてしない。

ネルはいつだって自分の実力に自信を持っていた。だからあの時『お前らが危なくなったら俺が助けてやる』と言った方がネルらしいだろう。

なのになぜ、ネルはあんな事を言ったんだ?





「あ。」


違う。ネルは自分の実力に自信を持ってたんじゃない。自分の実力を冷静に分析していたのだろう。実際にいつも勝っていた。逆に負けそうな時は素直に黙って撤退していた。


あの時は叶わない相手だってわかっていて、フォローも出来ないかもしれない、だから自分が気を引きつけるから助けろ。


そう言いたかったのだろう。

彼は自分に出来ること出来ないことを分別出来ていたのだろう。

だからこそ、Maを倒すのではなく、俺たちの盾になる事を選んだのだ。

それなのにも関わらず、俺はネルの期待に答えることができなかった。


「ごめん…」


知らないうちにそう呟いていた。

待ってて、ネル。必ず俺はシエルを助けるから。

もう、二度と誰も殺させない。そのためにUWを倒して必ず世界を救わなければ。

胸にかかった2つのペンダントは太陽の光に反射して輝いていた。

質問、意見、文句等あればメッセージでもなんでもいいのでくださいませ

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