第玖拾伍話 5.58万年前の地球の様子を教えて
## 一言でいうと
> **約5.58万年前=「ホモ・サピエンスがアジア各地へ急速に広がり、他の人類との出会いを重ねながら世界進出を加速させていた時代」**です。
### 氷期の地球
5.58万年前は**更新世後期**、最終氷期(MIS 3)の初期です。
依然として寒冷な時代ですが、最寒冷期ではなく、比較的温暖な時期と寒冷な時期を繰り返していました。
海面は現在より約60~80mほど低く、広大な大陸棚が陸地となっています。
そのため、現在よりも陸伝いに移動できる地域が多く存在しました。
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### ホモ・サピエンスの大移動
この頃になると、ホモ・サピエンスはアフリカを離れ、
* 西アジア
* 南アジア
* 東南アジア
へと勢力を広げています。
沿岸部の資源や河川を利用しながら移動し、短い地質学的時間の中で驚くほど広い範囲へ進出しました。
そして、この流れはやがてオーストラリア(サフル大陸)への到達へとつながっていきます。
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### デニソワ人との遭遇
この時代には、ネアンデルタール人だけでなく、アジアには**デニソワ人**も暮らしていました。
現在の研究では、
* ネアンデルタール人
* デニソワ人
* ホモ・サピエンス
の間で、それぞれ交雑が起きたことがDNA解析から明らかになっています。
現在のメラネシアやオセアニア地域の人々には、比較的高い割合のデニソワ人由来DNAが受け継がれています。
つまり、
> **人類史は「置き換え」の歴史だけではなく、「出会い」と「融合」の歴史でもあった**
ことが分かっています。
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### 動物たち
氷期の草原では、
* マンモス
* ケブカサイ
* バイソン
* ウマ
* オオツノジカ
などが繁栄していました。
その一方、東南アジアには熱帯林が広がり、
* ゾウ
* サイ
* オランウータンの祖先
* 多様な鳥類
など、現在にも通じる生態系が形成されていました。
世界各地で、人類はまったく異なる自然環境への適応を始めています。
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### 技術と文化
石器技術はさらに洗練され、地域ごとの特色がはっきり現れ始めます。
また、この頃には装飾品や顔料(黄土)の利用が広がっていたことを示す遺跡もあり、**象徴的な行動や文化が徐々に豊かになっていった**と考えられています。
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### 5.58万年前の地球
> **5.58万年前――ホモ・サピエンスはアフリカを遠く離れ、アジア各地へと広がっていた。その旅の途中でネアンデルタール人やデニソワ人と出会い、ときに交わりながら、新たな土地へ歩みを進めていく。地球はなお氷期にあったが、人類の世界はかつてない速さで広がり始めていた。**
この先の年代では、人類の移動だけでなく、**オーストラリア到達やヨーロッパ進出**といった、世界地図そのものが大きく塗り替わる出来事が次々と現れるようになります。




