第捌拾玖話 12.7万年前の地球の様子を教えて
## 一言でいうと
> **12.7万年前=「最後の間氷期が始まり、現在より暖かな地球で海面が上昇し、アフリカのホモ・サピエンスが活動範囲を広げていた時代」**です。
### 「氷期の地球」が一転する
12.7万年前は、ちょうど**最終間氷期(MIS 5e、エーミアン間氷期)**の始まりにあたります。IPCCでも最終間氷期は約12.9万~11.6万年前とされ、北半球高緯度は現在より暖かく、海氷が少なく、モンスーンも強かったとされています。
つまり、直前までの寒冷な世界から、
**氷床縮小 → 温暖化 → 海面上昇**
という大転換が起きていました。
### 海が今よりずっと広い
この時代の非常に面白いところです。
最終間氷期には、世界平均海面は現在より**数m高く**、研究によっておおむね5~9m程度のピークが推定されています。
つまり、
> **現在の海岸線をそのまま12.7万年前に描いてはいけない。**
低地の一部は海になり、現在は陸続きの場所が海峡になっていました。
### 北半球はかなり暖かい
特に北半球高緯度では温暖化が顕著でした。
グリーンランドの氷床コアからは、最終間氷期初期に非常に大きな温暖化が起きていたことが分かっています。([Nature][3])
イギリスにもカバが生息していたほどで、現在のイギリスからするとかなり意外な世界です。
### アフリカではホモ・サピエンス
そして人類。
この頃にはホモ・サピエンスはすでにアフリカに広く存在しています。
さらに、アフリカの外にも人類が進出していました。最終間氷期には、アラビア半島などを経由してユーラシア方面へ移動できる気候条件が何度も成立していたと考えられています。([Nature][4])
ただし、これは後の**約6~7万年前の大規模な「出アフリカ」**とは区別する必要があります。
### ネアンデルタール人も健在
ヨーロッパではネアンデルタール人が暮らしています。
寒冷期だけでなく温暖期にも適応し、環境の変化に応じて獲物や生活域を変えていました。
そしてこの頃には、ヨーロッパの巨大な**ナキゾウ(まっすぐな牙を持つゾウ)**なども生息しています。
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### 12.7万年前の地球
> **12.7万年前――長い氷期が終わり、地球は暖かな間氷期へ突入した。海は現在より高く、北の大地には森林が広がり、アフリカではホモ・サピエンスが暮らしていた。世界は暖まり、人類がアフリカの外へ踏み出すための「窓」が開き始めていた。**




