第捌拾捌話 14.3万年前の地球の様子を教えて
## 一言でいうと
> **約14.3万年前=「大氷期を抜けて地球が温暖化へ向かい始め、海面が上昇するなか、アフリカのホモ・サピエンスは新たな環境を広げつつあった時代」**です。
### 氷期から温暖化へ
14.3万年前は、更新世後期の**MIS 6からMIS 5への移行期**にあたります。
長く続いた寒冷期が終わりに向かい、地球は次第に温暖化します。
北半球の巨大な氷床が縮小し始め、それに伴って海面も上昇していきます。
これは単なる「少し暖かくなった」という変化ではありません。
> **世界の海岸線そのものが変わっていくほどの気候変化**
でした。
### アフリカの環境が変わる
温暖化・湿潤化に伴って、アフリカの一部では乾燥していた地域に雨が戻ります。
サハラ周辺でも、時期によって湖沼や草原が広がり、人類や動物が移動できる環境が生まれます。
こうした**「緑の回廊」**は、アフリカ内部の人類集団の移動を容易にした可能性があります。
ホモ・サピエンスはすでにアフリカ各地に存在しており、こうした環境変化に応じて生活域を変えていました。
### 重要な転換点
この時代は、人類史でも面白いところです。
ホモ・サピエンスはまだ「世界中に広がった人類」ではありません。
しかし、アフリカから外へ進出するための環境条件が、少しずつ整い始めています。
後の**約13万年前以降のアフリカ外への進出**を考えるうえでも、この温暖化は重要です。
### ヨーロッパ
ヨーロッパではネアンデルタール人が健在です。
氷期の厳しい環境から温暖化へ移行する中で、森林や草原の分布も変化します。
彼らはその環境変化に適応しながら暮らしています。
### 海の世界
海面上昇によって海岸線が大きく変化しています。
一方、海では大型クジラ類が泳ぎ続け、**メガロドンもまだ健在**です。
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### 14.3万年前の地球
> **14.3万年前――長い氷期が終わりに近づき、地球は急速に温暖化へ向かっていた。海が戻り、アフリカでは草原や湖沼が広がり始める。ホモ・サピエンスはまだアフリカの住人だったが、世界へ出ていくための舞台が整いつつあった。**




