第捌拾伍話 20.4万年前の地球の様子を教えて
## 一言でいうと
> **約20.4万年前=「氷河時代の寒暖が大きく揺れるなか、アフリカではホモ・サピエンスがすでに各地で暮らし、ユーラシアではネアンデルタール人が勢力を広げていた時代」**です。
### 氷河時代の地球
20.4万年前は更新世後期。
この頃の地球は、**MIS 7**と呼ばれる氷期・間氷期サイクルの中にあります。北半球の氷床は拡大と縮小を繰り返し、海面も大きく変動していました。
アフリカでは、氷床そのものよりも降水量の変化が重要です。
湿潤になると、
**砂漠 → 草原・湖沼 → 森林**
へと環境が変わり、人類や動物の活動範囲も大きく変化します。
### ホモ・サピエンス
この時代には、**ホモ・サピエンスはすでに存在しています**。
約30万年前のモロッコ・ジェベル・イルードの化石などから、ホモ・サピエンスの系統がアフリカで少なくとも30万年以上前から存在していたことが分かっています。
20.4万年前には、私たちにかなり近い人類がアフリカ各地に暮らしていたわけです。
ただし、現代人と同じ一つの集団として完成していたわけではありません。
アフリカ各地の人類集団が長い時間をかけて混ざり、分かれ、再び接触しながら、現在のホモ・サピエンスにつながっていきます。
### ユーラシアではネアンデルタール人
ヨーロッパから西アジアにかけては、**ネアンデルタール人**が暮らしています。
彼らは寒冷な環境にも適応し、
* 火を使う
* 石器を作る
* 大型動物を狩る
* 動物の皮などを利用する
といった生活を送っていました。
つまりこの時代には、
> **アフリカのホモ・サピエンスと、ユーラシアのネアンデルタール人が、それぞれの世界を生きていた**
ことになります。
### 大型動物の世界
大型哺乳類の時代はまだ続いています。
ゾウ類、サイ類、ウマ類、シカ類、ウシ類などが草原や森林を歩き、その周囲には大型肉食獣がいました。
海では大型クジラ類が泳ぎ、**メガロドンもまだ健在**です。
### 20.4万年前
この年代の面白さは、**「人類が誕生した」という段階をすでに越えている**ことです。
人類はすでに地球上に広く存在し、その中で複数の系統が異なる環境に適応しています。
> **20.4万年前――氷河時代の気候が揺れ動く地球で、アフリカでは私たちホモ・サピエンスが生き、ユーラシアではネアンデルタール人が生きていた。人類史は、いよいよ「誰が生き残るのか」という段階へ向かっていた。**




