第捌拾参話 25.8万年前の地球の様子を教えて
## 一言でいうと
> **約25.8万年前=「氷河時代の寒暖変動が続く中、アフリカでは初期ホモ・サピエンスがすでに存在し、ユーラシアではネアンデルタール人の世界が広がっていた時代」**です。
### 氷河時代の地球
25.8万年前は**更新世中期〜後期への移行期**です。
北半球では氷床が成長・縮小を繰り返し、海面も大きく変動しています。アフリカでは氷床そのものより、降水量の変化が大きな影響を及ぼしました。
雨が多い時期には湖や湿地、森林が広がり、乾燥すると草原や砂漠が拡大します。
つまり、この時代の人類は、
**「変化する環境に合わせて生活場所を変える」**
ことを迫られていました。
### ホモ・サピエンスはすでにいる
ここが重要です。
現在のモロッコにある**ジェベル・イルード遺跡**では、約31.5万年前の人類化石が発見されており、初期ホモ・サピエンスの重要な証拠とされています。
そのため25.8万年前には、
> **ホモ・サピエンスはすでにアフリカに存在していた**
と考えるのが自然です。
ただし、現代人と完全に同じ姿・文化になっていたわけではありません。
現生人類の特徴は、この後も長い時間をかけて形成されていきます。
### ヨーロッパではネアンデルタール人
ヨーロッパではネアンデルタール人が活動しています。
寒冷な環境に適応した頑丈な身体を持ち、火を利用し、石器を作り、大型動物を狩っていました。
この時代には、
**アフリカ:ホモ・サピエンス**
**ヨーロッパ:ネアンデルタール人**
という対照がかなり鮮明になっています。
ただし、この二つの人類が完全に隔絶していたわけではありません。後の時代には両者が接触し、交雑したことが現代人のゲノムから分かっています。
### 石器文化
アフリカでは、従来のアシュール文化的な石器から、より小型で多様な石器技術へ移行する動きが見られます。
人類は単に「石を割って道具にする」だけでなく、
**どんな形に加工すれば、どんな用途に使えるか**
という設計思想を発達させています。
### 大型動物
まだ巨大な動物たちの時代です。
ゾウ類、サイ類、ウマ類、シカ類、ウシ類などが陸上を歩き、大型肉食獣がそれを追っています。
海では大型クジラ類が泳ぎ、**メガロドンもまだ生息しています**。
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### 25.8万年前の地球
> **25.8万年前――氷河時代の不安定な気候の中、アフリカではすでにホモ・サピエンスが暮らし、ヨーロッパではネアンデルタール人が暮らしていた。人類史は、もはや「祖先から人類へ」ではなく、「複数の人類が並存する時代」に入っていた。**
ここからは、**ホモ・サピエンスがアフリカの外へ出ていくまでの環境変化**が面白い軸になります。




