第捌拾壱話 32.6万年前の地球の様子を教えて
## 一言でいうと
> **約32.6万年前=「氷期へ向かう地球で、アフリカでは現生人類の身体的特徴が形を整え、ヨーロッパではネアンデルタール人の祖先が繁栄していた時代」**です。
### 氷河時代の地球
32.6万年前は更新世の中期です。
約40万年前の長い温暖期(MIS 11)を経て、地球は寒冷化傾向にあります。ただし、氷期と温暖期が交互に現れるため、単純に「どんどん寒くなっていた」わけではありません。
北半球では氷床が成長し、海面も現在より低い状態になっていました。
一方、アフリカでは気候変動に伴って、森林・草原・湿地などの環境が大きく入れ替わっています。
### 「私たち」に近づく人類
この時代の最大のトピックの一つです。
アフリカでは、後の**ホモ・サピエンス**につながる人類が進化を続けています。
まだ約30万年前の初期ホモ・サピエンスが登場する直前の段階ですが、顔や頭蓋の形には現代人へ近づく特徴が現れてきています。
一方ヨーロッパでは、ネアンデルタール人につながる集団が存在します。
つまり、
> **「現生人類」と「ネアンデルタール人」という二つの人類史が、それぞれ別の地域で進行している**
時代です。
### 石器と火
人類は火を利用し、石器を製作しています。
ヨーロッパではアシュール文化などの大型石器が使われ、アフリカでも地域ごとに多様な石器文化が展開しています。
この頃になると、人類は単に環境に適応するだけでなく、**道具と火によって環境そのものを利用する能力**をかなり高めています。
### 動物の世界
陸上ではゾウ類、サイ類、ウマ類、シカ類、ウシ類などの大型哺乳類が繁栄。
大型ネコ科やハイエナ類などの捕食者も存在します。
海には大型クジラ類が生息し、**メガロドンもまだ健在**です。
---
### 32.6万年前をまとめると
> **32.6万年前――氷河時代の寒暖変動が続く地球で、ヨーロッパではネアンデルタール人の系統が成熟し、アフリカでは私たちホモ・サピエンスへ続く人類が、現代人らしい姿を少しずつ獲得しつつあった。**




