第漆拾伍話 66.2万年前の地球の様子を教えて
## 一言でいうと
> **約66.2万年前=「トバ巨大噴火から8万年ほどが過ぎ、氷河時代の地球では大規模な氷期サイクルが続き、人類は次第に“現生人類に近い世界”へ向かっていた時代」**です。
### 氷河時代の地球
66.2万年前は**中期更新世**です。
この頃の地球は現在より寒冷な時期と温暖な時期を繰り返していました。北半球では巨大な氷床が成長し、氷期には海面が大きく低下します。
そのため海岸線は現在とはかなり違い、現在は海で隔てられている地域が陸続きになることもありました。
### トバ噴火の後
74.4万年前のトバ巨大噴火から約8万年。
噴火そのものはすでに過去の出来事ですが、広域に残された火山灰は現在でも地層として追跡できます。
そして重要なのは、**「トバ噴火で人類が壊滅した」という単純な物語にはできない**ことです。
人類はその後もアフリカやユーラシア各地で生き続けています。
### 人類
この頃には、ホモ・エレクトスだけを見ていると少し物足りません。
アフリカでは、後の**ホモ・サピエンスにつながる中期更新世の人類集団**が現れつつあります。
またユーラシアでは、後のネアンデルタール人につながる系統なども展開していきます。
つまり、
> **「古い人類の時代」から「現代人につながる人類の時代」への橋**
にあたります。
### 技術
アフリカや西アジアなどではアシュール石器が使われています。
握斧のような左右対称の石器を作る技術は非常に長期間受け継がれています。
そして火の利用も、人類が寒冷な環境へ進出するうえで重要な技術になっています。
### 動物の世界
大型哺乳類の時代はまだ健在です。
ゾウ類、サイ類、ウマ類、ウシ類、シカ類などが各地の草原や森林を歩き、大型ネコ科やハイエナ類がそれを追います。
海には大型クジラ類が生息し、**メガロドンもまだ存在**しています。
ただし、氷期と間氷期の繰り返しによって、生息域は大きく変動していました。
### 地球の景色
66.2万年前の面白さは、**「地球が寒い」だけではない**ところです。
氷床が広がる地域がある一方、アフリカでは草原や森林が広がり、温暖な地域も存在します。
その境界を大型動物が移動し、さらにその後を人類が追っていく。
> **氷の世界と緑の世界が、気候によって何度も入れ替わる地球。**
そこに、後の私たちへつながる人類が暮らしています。
### 66.2万年前
> **トバの巨大噴火から約8万年。氷河時代の地球では氷床と草原がせめぎ合い、古い人類の世界から、現生人類やネアンデルタール人へつながる新しい人類の時代が静かに始まりつつあった。**




