第漆拾話 119万年前の地球の様子を教えて
## 一言でいうと
> **約119万年前=「氷河時代の変動する環境の中で、ホモ・エレクトスが旧世界の各地に定着し、アシュール石器を携えて大型動物の世界を生きていた時代」**です。
### 気候
119万年前は**更新世前期**です。
北半球では氷床の拡大・縮小が繰り返され、氷期には海面が大きく低下します。アフリカでも湿潤期と乾燥期が交互に訪れ、湖や草原、森林の分布が変化していました。
この時代は、現在よりも**気候変動そのものが生態系を大きく揺さぶる世界**でした。
### 人類
主役は引き続き**ホモ・エレクトス**。
アフリカを起点として、
* 東アフリカ
* 北アフリカ
* 西アジア
* コーカサス
* 東アジア
などに人類が広がっています。
すでに「アフリカから出た」という段階ではなく、**アフリカの外でも何世代にもわたって暮らす人類**が現れている時代です。
### 石器
アシュール文化の**握斧**などが重要です。
特に面白いのは、この文化が一時的な流行ではなく、非常に長い期間にわたって維持されていること。
石を割って偶然できた鋭い破片を使うのではなく、ある程度決まった形を目指して加工するという、**技術の伝承と標準化**が見えてきます。
一方、地域によってはアシュール石器をほとんど使わない文化もあり、旧石器文化は一様ではありません。
### 動物の世界
陸上では依然として大型哺乳類が目立ちます。
ゾウ類、サイ類、ウマ類、ウシ類、シカ類などの大型草食動物が草原や森林を移動し、それを大型ネコ科やハイエナ類などが追います。
ホモ・エレクトスもこの生態系の中にいます。
つまり、
> **「人類だけが進化している」のではなく、人類も大型動物の巨大な生存競争に参加している**
時代です。
### 海
海では大型クジラ類が生息し、メガロドンもなお存在していました。
ただし、氷期・間氷期による海面や海水温の変動が海洋生態系にも影響を与えています。
### 地球規模では
119万年前という時点では、**現代の大陸配置にかなり近い地球**です。
しかし気候は現代よりずっとダイナミック。
氷床が成長すれば海が後退し、温暖化すれば海が戻る。そのたびに生物の生息域も変わります。
その変動する世界を、人類は徒歩で追いかけるように生活圏を広げていきました。
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### この時代を一言で
> **119万年前――氷と乾燥と湿潤を繰り返す地球で、ホモ・エレクトスが石器の技術を受け継ぎながら、アフリカからアジアまで広がった大型動物の世界を歩いていた。**
このあたりは「人類の新発明」だけでなく、**気候変動に合わせて生物の分布そのものが動いていた**ことを前面に出すと、章ごとの景色が変わってきます。




