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アンチコメント・ラブソング~どうしようもない炎上配信者の私に恋をしたのは 隣の部屋に住む、ラブソングの神様でした。  作者: 瀧ことは
M01 炎上ゲーム配信者、隣人バレする

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3/7

M01《3》「いつも楽しんでます、ヤマネコさん」

(「──今夜はもうしないんですか。配信」)


 上記の隣人の発言から、推測出来ることを述べよ。


①自分が配信者であることがバレている。

②昨日の夜の配信を、ベランダから聞かれていた。


 完!!!!!!!!!!!!!

 と寧子は思うけれど、いやいやいやいや、まだ活路があるかもしれない。ここから入れる保険があるかも!?


③昨日偶然聞かれていただけかもしれない。

④まだ配信者のアカウントはバレていないのでは!?


 これならワンチャンネコチャン、本当に行けるか~!? と寧子は一晩悶々と過ごした。なんなら彼氏からフラれたことよりも、隣人バレの方が重大ごとだった。


(どーしよ……)


 どうしてもこうしても、朝は来る。

 翌日の朝、ペットボトルのゴミを捨てるため、寧子が部屋から出た。可燃ゴミは24時間出せるステーションがあるのだが、資源ゴミはその限りでなく、月に2度しかないので、捨て逃すと大変なことになってしまう。

 袋を持って寧子がエレベーターを待つ。


 ガチャ。


 エレベーターの扉の反射でうつったのは、マンションの廊下、その、ちょうど寧子の部屋の隣から、若い男が出てくる様子だった。


(うわ)


 隣人は、やはり資源ゴミ出しなのだろう。黒いTシャツ、細身のパンツ。常飲しているのか、大量のエナドリの缶が入った袋を下げていた。


(気まずいがすぎる……)


 と寧子さんは思った。

 とっととエレベーターに乗り込んで消えてしまいたかったが、朝で混雑しているせいだろう、エレベーターの動きは遅く、斜め後ろに気配。額にじわりと汗が浮かぶ。


「あ、あの!」


 思わず声をかけたのは、気まずさゆえだった。声をかけられた方も驚いたのだろう。長い前髪の向こうで、ちょっと目を丸くしているのがわかった。

 やっぱり、若い。身長は寧子と同じくらいか、少し高いくらいだが、腰の位置が高くて手足が長かった。


「すみません昨日……とか。うち、うるさかった、です、よね……?」


 失礼しました、今度から気をつけます、とぼそぼそ言ってるうちに、エレベーターが到着したので慌てて寧子が乗り込む。

 あとから乗り込んだ隣人が、『1』の階数ボタンをおした。

 そして、寧子に背を向けたままで、言う。


「……いえ、部屋の中にいたら聞こえてないので」


 その声に、そうだよね!? と一瞬寧子が明るい顔をした。

 の、束の間。


「なので今日は窓あいてるな~って思ったら、ベランダに出て聞くことにしてて」


「へっ!!」


「あ、でも大丈夫です。いつもリアル音源聞いてるわけじゃなくて。普段は配信がはじまると、通知が来るようにしてあるので」


「ふぁっ!?」


 エレベーターが、1階にたどりつく。

 ちら、と長い前髪の、隣人が振り返って。



「いつも楽しんでます、ヤマネコさん」



 配信、がんばってください。



 エレベーターに残された寧子は思う。


(お、終わった~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!)


 なお、この報告をした雑談配信はめちゃくちゃ盛り上がった。


 隣人バレ。リスナー発見。特定されました。


 どいつもこいつも、他人事だと思って好き勝手にもりあがる、その、たくさんの投げ銭の中に、隣人からのものもあるかもしれないが……寧子は考えることを、やめた。横転。

次話でM1が終わります。

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