表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心剣士と灰銀の魔女  作者: リュカギン
第五章 灰銀の魔女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/19

第17話 EP05-01 三身一体

自分が読みたい物語を、趣味で書いてます。

オリジナル小説のみです。

 オレのは『新実にいみ 健二けんじ』。

 少女しょうじょ武器ぶきのこしたつよ記憶きおくたたか魔法まほう使つかい『心剣士しんけんし』だ。


   ◇


 灰銀色はいぎんいろけむりが、けもの大口おおぐちけるように拡散かくさんした。

 オレは、灰銀色はいぎんいろけむりに『拒絶きょぜつちょう短剣たんけん』の剣先けんさきけた。


 蝶短剣バタフライナイフめられた『拒絶きょぜつねん』が、灰銀色はいぎんいろけむりかえす。

 灰銀色はいぎんいろけむりは、一定いってい距離きょりいて、オレをかこむ。目論もくろどおり、『かべ』や『あみ』とちがって隙間すきまから侵入しんにゅうされないのが、ポイントたかい。


 いま出力しゅつりょくで、半径はんけいメートルの球状きゅうじょうってかんじか。もっと出力しゅつりょくしぼって魔力まりょく消費しょうひ節約せつやくしてさそうだ。

 められた拒絶きょぜつねんもかなりの濃度のうどりょうだけど、つの魔物まもの『ヴォモス』をった直後ちょくご灰銀はいぎん魔女まじょ魔力まりょくりょう対抗たいこうするのは無謀むぼうだ。魔力まりょく消費しょうひをなるべくおさえて、時間じかんかせぐべきだ。


 時間じかんかせいで、理性りせいえた灰銀はいぎん魔女まじょ清楚せいそなユーナ王女おうじょさまもど方法ほうほうかんがえる。いまからかんがえる。

「……」

 王子様おうじさまのキスとか、……あっ、やっぱなんでもないっす。調子ちょうしってわるかったっす。反省はんせいしてるっす。


「……」

 オレは、腕組うでぐみして、よじって、必死ひっしかんがえる。

「……」

 となりで、美月みつきも、むずかしいかおをしてかんがえる。


「っ!?」

 オレは、ビックリした。

美月みつき?! どうして、いるんだ!?」

「え? えっと、がりそこね……。ワタシも、なにやくてるかとおもって」

 美月みつきが、あきらめたかおこたえた。

 ……そうか、そこねたのか。美月みつきは、いのちけるほどは、ユーナ王女おうじょさましたしくいから、この死地しちのこ理由りゆうい。それでも、事実じじつでも、理由りゆうが『そこねたから』じゃ格好かっこわるいもんな。


「ジブンにはなにができる? なにをすればいい?」

 鴉羽からすばがボーイッシュなこえで、意気いき揚々(ようよう)いてきた。

『っ!?』

 オレも美月みつきもビックリした。

 鴉羽からすばはオレのちかくにはなかったし、まさか、あの状況じょうきょうんできたのか?

 あぁ、でも、よくよくかんがえてみれば、鴉羽からすばも、この状況じょうきょう予想よそうできたひと一人ひとりだったか。


 オレは、ビックリと納得なっとく半々(はんはん)じるかおく。

鴉羽からすばさん。どうしてここに? っちゃなんだけど、いのち保証ほしょういぜ」

 鴉羽からすばが、不思議ふしぎそうなかおこたえる。

新実にいみとゲシュペンストがとどまるようだったからな。疑問ぎもんつことではないだろう? ともだちだからな」

 まよいのない、ボーイッシュな微笑びしょうだった。


「っ!?」

 じゅん騎士きし純粋ピュアさがまぶしい! オレはおもわず、てのひらかおまえかざす。

 美月みつきは、感激かんげき全身ぜんしんをプルプルとふるわせ、ひとみなみだうるませてる。

「どうしたんだ、二人ふたりとも? 大丈夫だいじょうぶか?」

 鴉羽からすば困惑顔こんわくがおをした。


   ◇


新実にいみさく簡潔かんけつ説明せつめいしろ」

 さくがあって当然とうぜん、と信頼顔しんらいがお鴉羽からすば要求ようきゅうに、オレはかんがえる。

 さくは、……い! こともない? まだかたまってない断片だんぺんなら、ある。

「まさか、さくいとはうまいな?」

 鴉羽からすば美月みつきが、うたがいのジトになった。

「ある! あるっす! あるっす!」

 オレはあわててつくろった。い、とこたえてゆるされる雰囲気ふんいきじゃない。


 オレは、断片だんぺんてき情報じょうほうを、とにかく断片だんぺんでいいからならべよう。

「えっと、城壁じょうへき天辺てっぺんからちて平気へいきだったから、灰銀はいぎん魔女まじょ単純たんじゅん物理ぶつり攻撃こうげきかないとおもう」

 これは間違まちがいないだろう。

「でも、ヴォモスにははじばされてた。じゃあ、魔力まりょくでなら干渉かんしょう可能かのうなんじゃないかなぁ、とおもう」

 超強力魔法品アーティファクトとはちょう高密度こうみつど魔力まりょくかたまりみたいなもの、とされている。ユーナ王女おうじょ内地ないちからとお外地がいち外端そとはしにいたのも、魔力まりょく存在そんざいできない内地ないちでは自身じしん存在そんざいえるのでは、と危惧きぐしたからである。


魔力まりょくでの攻撃こうげきだな? 心得こころえた」

 魔力まりょく銃弾じゅうだんのようにばせる遠距離えんきょり攻撃こうげきタイプの魔法まほう使つかいの鴉羽からすばは、灰銀はいぎん魔女まじょとの戦闘せんとうで、たぶん相性あいしょうい。

大通おおどおりのヴォモスせんで、暴走ぼうそうしたユーナ王女おうじょさま正気しょうきもどしたとき、あたまったかんじだった。あたま魔力まりょく衝撃しょうげきあたえる、はため価値かちがあるとおもう」

異議いぎなし」

 鴉羽からすば納得なっとくした。


「となると、灰銀はいぎん魔女まじょあたまは、どの位置いちだとおもう?」

 鴉羽からすば周囲しゅういまわして、問題もんだい提起ていきする。

 半径はんけいメートルのきゅう外側そとがわは、隙間すきまなく灰銀色はいぎんいろけむりおおわれる。灰銀色はいぎんいろけむりしかえない。そのけむりが、灰銀はいぎん魔女まじょそのひとである。

「……あたま?」

 率直そっちょくに、からない。かるわけない。灰銀色はいぎんいろけむりしかえない。


「ワっ、ワタシ、かるかも!」

 美月みつき緊張し(テンパっ)口調くちょう宣言せんげんした。ひとみかがやかせ、ほお紅潮こうちょうさせていた。鴉羽からすばたすけになれる!、とってるみたいだ。

「アーティファクトの濃度のうどに、のっ、濃淡のうたんがあるの。けむりなかにっ、ひとかたちうすけむりあるいているかんじっ」

 オレと鴉羽からすばで、おどろがおわせる。

 アーティファクトをさがせるだけじゃなくて、アーティファクトのかたちまで認識にんしきできるのか。『アーティファクトシーカー』は、探索型たんさくがた魔法まほう使つかいの最高峰さいこうほうとされる。その理由りゆうが、かったがする。


素晴すばらしいな、ゲシュペンスト! ターゲット位置いち指示しじをくれ!」

「うっ、うん! まかせて!」

 あらたな友情ゆうじょう誕生たんじょう見届みとどけて感慨かんがいふけるオレの、背中せなかに、美月みつききついた。

 ……え!? 何故なぜだ!?


 じゃない、かる。魔法まほう優等生ゆうとうせい美月みつきなら、維持いじする拒絶きょぜつ空間くうかんせまほう魔力まりょく消費しょうひすくなくてむ、とさっする。だから、空間くうかんせまくできるように密着みっちゃくすべき、と結論けつろんする。


 エリート軍人ぐんじん鴉羽からすばも、当然とうぜんのようにさっして、美月みつき背中せなかきつく。外地がいちたたかうなら、魔法まほう精通せいつうしてしかるべきである。


 平常心へいじょうしん! 明鏡止水めいきょうしすい

 オレとしては、心遣こころづかいに感謝かんしゃしながら、拒絶きょぜつ空間くうかんせばめる。

 拒絶きょぜつ空間くうかん外面がいめんには、粒子りゅうし一粒ひとつぶ一粒ひとつぶかじわれてるみたいな、おぞましい感覚かんかくがある。


 平常心へいじょうしん! 明鏡止水めいきょうしすい

 背中せなかに、美月みつきむねしつけられる。華奢きゃしゃだけどいわけじゃないし。になって集中しゅうちゅうできないだろ!


「どうした、新実にいみ? 魔法まほうきゅう不安定ふあんていになったな? いまさらこわくなったか?」

 鴉羽からすば揶揄からか口調くちょうで、鼓舞こぶ発破はっぱをかけてきた。

 気遣きづかいはうれしいが、ちがうんだ、こわいんじゃないんだ。鴉羽からすばは、デリカシーがい。そういうところも、オレはきらいじゃない。


 平常心へいじょうしん! 心頭滅却しんとうめっきゃく! しずまれ、オレの鼓動ビート

「だっ、大丈夫だいじょうぶだ。問題もんだいない。いつでも、はじめてくれ」

 オレは、あかかおられないようにきを調節ちょうせつしながら、クールを気取きどった声音こわねこたえた。



心剣士しんけんし灰銀はいぎん魔女まじょ

第17話 EP05-01 三身さんみ一体いったい/END

読んでいただき、ありがとうございます。

楽しんでくれる人がいると、書く励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ