ガジュマル
我が家の庭では幾つかの植物を育てている。
シンボルツリーはモミジで、植木屋さんが山で偶然見付けてきたという独特の樹形が気に入って購入したものだ。
他にもツツジやバラ、コニファー、ユキヤナギ等がある。
樹木だけでなく季節毎に花を咲かせる花壇もあるし、菜園には野菜、ブルーベリー等の果樹もあって、こうして単語だけ並べてみると、自分でもなかなかに雑多な庭に思える。
屋外に植えている植物はもちろん、屋内にも多くの植物を置いている。
中でも今の家に引っ越した時からある観音竹と胡蝶蘭は、我が家の一番の古株だ。
胡蝶蘭は新築祝いに頂いたもので、十年以上になる今でも毎年花を咲かせてくれている。
花芽と根の違いを見分けられるようになった時は、自分自身の成長を感じたものだ。
それも含めて、花芽が出ているのを確認する度に嬉しく感じるのは、長く世話している分、愛着があるからだろう。
逆に今年新しく迎えたばかりの金のなる木は、親戚から譲り受けたものということもあって大切に世話をしている。
とはいえ、乾燥に強い植物だから、水の与えすぎと日当たりに注意する必要があるくらいで、基本的にはあまり手が掛からない、ただ土と葉の様子を観察しているだけに近い世話だ。
それでも、大きな問題もなく少しずつ新しい葉を増やしている姿を見守るのは楽しい。
他にも室内に置いているものの中でも自分で購入したものに限れば、一番新しいのは寝室にあるガジュマルだ。
新しいとは言っても購入してから四年程が経つので、すでに私の生活に馴染んだ存在になっている。
いわゆる「ニンジンガジュマル」という根っこが膨らんだ形のガジュマルは、見た目の可愛らしさが購入の決め手だった。
更に選ぶ時の後押しになったのは、「幸せを呼ぶ木」「多幸の木」という縁起が良さそうな別名。
ガジュマルにはキジムナーという精霊が宿っていて、仲良くなると幸運をもたらしてくれるのだという。
別名にそんな由縁があることも、買った後で育て方を調べている時に知った。
仕立てが上手なお店だったのか、一部の枝だけが伸びてしまうこともなく、全体に葉が茂った綺麗な樹形に育ってくれていて、今のところ剪定をしたことはない。
買った当初からすると年々大きくなっているし、葉も青々と茂っていて順調に育っていると言えるだろう。
ただ気になっているのは、何か大きく育て方を変えたわけでもないのに、今年は特に若葉や新芽の数が多いように見えること。
葉が重なり過ぎてしまうようなら、そろそろ剪定も必要かと考える一方で、ようやく今の環境を気に入ってくれたのかもしれないと思うと、キジムナーと仲良くなれているようで嬉しい。
もはや、ただの植物ではなく、一緒に暮らしている我が家の一員のような感覚だ。
世話をしながら一緒に過ごすうちに、成長したり、時には病気になって治療したりするのだから、家族とも言えるのかもしれない。
それはきっと、長年育ててきた胡蝶蘭に対する愛着とも通ずるものなのだろう。
植物同士でコミュニケーションを取っているらしい、ということは以前聞いたことがある。
植物に感情があるかは分からないし、こちらの感情を受け取っているかを知る術は無いのだけれど、人間からも伝える方法がいずれ分かったら素敵だと思う。
大切にする気持ちが植物に伝わること、元気に育ってくれること。
それだけで一緒にいる私も元気を分けてもらえるのだから、それもまた、家族や大切な人との関係性に重なって、一層大切にしたいと思うのだ。




