高齢化
私が学生だった頃、日本が抱える問題の一つは「高齢化」だった。
人口ピラミッド、出生率の低下、団塊の世代の高齢者入りなど、そういった事柄と一緒に覚えたことが懐かしい。
高齢化が進んだ日本は、今や高齢社会を通り越して世界でも有数の「超高齢社会」だ。
「少子高齢化」と言われるように、高齢化と並んで出生率の低下は大きな社会問題の一つ。
子どもが生まれないことには人口が減り、さらに高齢化率を押し上げる要因になるのだから、国や社会全体で取り組むべき課題だろう。
少子高齢化は、何も日本だけが抱える問題ではない。
海外でも多くの国で課題となっているけれど、対策が取られて少子化に歯止めをかけた国、出生率が回復した国もある。
もちろん、日本国内においても自治体によっては対策が上手くいっている例がある。
そうした前例から学べること、見習える点を見出せれば、改善することは不可能ではないのだろうが、未だに改善できない所を見るに解決への道のりは険しい。
少子化対策と同様に、高齢化が進んだ地域の問題は簡単に解決できないことばかりだ。
高齢者の割合が多いということは、コミュニティ内で地域の機能を維持するための人員が減るということ。
金銭面で言えば納税する人が減るし、単純に組織を構成する人員が足りなくなり様々な活動が困難になる。
例えば、消防団員の減少が課題になっている地域は少なくないだろう。
私が住む地域でも団員数は一桁に減り、消防団の後援会さえ解散する事態に陥った。
このことは、高齢化、ひいては地域の現状を考える要因になった出来事だ。
消防団員は消防士と違い、普段は本業で仕事をしながら地域の消防活動を担ってくれている。
地域で暮らし、働いている消防団員がいることで、消防士が到着するまでの消火活動が迅速に行えるし、火災現場近くの住民を避難誘導して人的被害を抑えることが出来る。
日常生活の中で彼らの必要性を認識することはあまりないかもしれないが、いざ火災に見舞われた時に大切な地域活動だと実感する。
加えて近年では、いつどこで大規模な自然災害が起きてもおかしくない。
そのことを考えても、人口の少ない地域こそ消防団の必要性は高いように思う。
消防団員の減少は、高齢化ばかりが原因ではなく、職場が居住地から離れた地域にある人が増えていることにもある。
日中の労働人口が都市部に集中することは仕方が無いこととはいえ、そうした地域の問題に繋がっているのだと改めて考えさせられる。
そもそも、地元に就職先が見つからないという地域は、元を辿れば高齢化が原因となっている場合も否めないのが更に難しい所だ。
消防団だけでなく、祭りだって地域の住民が減れば開催できなくなる。
神輿を担ぐ人や山車を引く人手が減るのだから、住民が減り、高齢化した地域では祭りを続けられなくなる原因になるだろう。
単なる人員不足という問題にとどまらず、神楽や祭囃子は地域ごとに受け継がれ守られている伝統芸能という側面もある。
担い手である子どもや若者がいなくなれば、必然的にその伝統も途絶えるだろう。
もしかしたら、地域の伝統が無くなる危機に直面しているどころか、すでに失われている場所だってあるかもしれない。
超高齢社会においては財政や介護、更には公共交通に代表されるもっと身近な生活インフラへの対策の方が重要視される。
課題解決に優先順位をつけるのは当然のことで、日々の生活に直結する問題が優先されるのも当然だ。
それでも、地域防災や伝統芸能の継承が失われないために何ができるか、どんな代替策なら可能なのか。
そうした課題を通じて自分の住む地域に向き合うことが必要なのではないかと、このところ考えさせられている。




