あたしにとっての一番の強敵!
「ヴィンセント先輩最後に何か言ったっけ?」
「いえ、何もおっしゃってはいないと思いますが……」
だったらいいんだけど。それにしても、システムってなんぞや?
「ルヴィのお母さんが知っている雰囲気だけど、今は軍の留置所にいるし……」
多分もう少ししたら軍の方で何か解明するかも! あたしはそう結論付けるとそれ以上は考えるのをやめて、ルヴィと一緒に次の授業の場所へと足を運ぶことにした。
「次はなんだっけ?」
「魔法数学Ⅰです。確か――」
「俺が授業をするぞ」
後ろから快活そうな男の人の声が聞こえる。あたし達二人が振り返ると、そこには一人の男の先生がにこやかに立っていた。
それより魔法数学って……魔法数学ってえぇえええええ!!
「魔法数学Ⅰを担当するマルガ=スマガルニアだ。よろしく」
うわー、ロキ先輩系統の爽やか系だけど、こっちはガチで爽やか系狙っている先生だー。下心見え見えっすよ先生。女子に憧れられてキャーキャー言われたいという感情漏れていますよ。
「よければ教室まで案内しよう。そうすれば、遅刻する必要もない」
「ま、まあーどっちにしろ行くところは同じだしにゃー」
「薫さんも、少しは得意になると思いますよ?」
あたしは既にHP0なんだけど、ルヴィに引きずられるような形で教室へと引きずられていくことになった。
◆◆◆
「――というワケで、右辺の式は左辺の式を――」
「…………」
「……薫さん? 頭から湯気を出して顔を真っ赤にしていますが大丈夫ですか?」
むーりー。分からにゃーい。目の前がぐるぐるするー。頭痛ーい。
「――ではこの式を……トウジョー」
「ひゃい……」
なんとなく名前を呼ばれたから立ってみたけど、黒板を見てもあたしからはそれこそ魔法の意味不明な羅列にしか見えない。
「……トウジョー? これが判るか?」
「分かりませぇーん」
「うーん、これは基礎の問題なのだがなー」
マルガ先生はアタシが堪えられないことに難しそうな顔をしているけど、あたしは数学苦手なんだって。
それよりもいつまで立たせているのよさー。あたし恥ずかしいから早く座りたいんだけど。
「仕方ない。この問題が判るものは?」
「はい」
「ではルヴィ。解いてもらおうか」
「答えは2√3です」
「正解。二人とも座ってよし」
何とかルヴィのおかげで座れたけど、恥ずかしいにゃー。
「薫さん、これはこういう風に解くのですよ」
「…………」
「薫さん?」
……あたし今頭パンクしているから、何言っても無駄だと思うよ。




