侵入開始
ものすごく遅くなりました。
私の作品でここまで間隔が開くのは始めてで正直謝罪の言葉しかありません。
続きを待ってくれていた方々は本当にすいませんでした。
オスタの住人が寝静まる夜、物音ひとつ鳴らさない二人は闇に紛れながらオスタの王城を目指す。
門の前に立つ見張りの兵二人と、塔から辺りを見渡す兵をアリエッタが衝撃波を起こし気絶させる。
「本当にここにサリアがいるのか?」
音をたてないように城壁の門を開くアリエッタに聞く。
「・・・ここで間違いはない。」
拓斗の耳に聞こえるギリギリの声で言う。
「根拠はあるのか?」
「ある。この城から溢れ出す禍々しい魔力・・・。」
拓斗の疑問にアリエッタは今にも殺気が漏れそうに答える。
「・・・わかった。俺には感じられないけど、アリエッタがそう言うなら従うよ。」
拓斗がそう言うとアリエッタは門を開き切り城までの道が現れる。
その道を物音をたてずに走り抜け、城の壁に飛び移る。
壁をつたって登っているうちに灯りが溢れていない真っ暗部屋の窓に辿り着いた。
「鍵かかってるだろ?どうすんだ?」
拓斗は先行して登って行ったアリエッタに聞く。
「踏ん張り時だ。気を抜くなよ。」
「はい?答えになってな・・・。」
アリエッタの返答が答えになっていないことを指摘しようと思った瞬間、アリエッタは窓に指をあて小さな衝撃波を起こす。
パリーンと大きな音が静寂に包まれた城内に響き渡ると思ったが、窓の割れた音は拓斗の背後から聞こえる轟音で掻き消された。
「走るぞ!」
部屋の中に飛び込み走り出すアリエッタ。
「やっぱこうなるよなぁ!!」
アリエッタに置いていかれぬように後を追い出す。
一方陽動組の三人は救出組の二人が窓を割る瞬間に魔法で轟音を響かせ注意を惹く。
「さて二人が侵入に成功したし、僕たちもそろそろ頑張りますか。」
呑気に伸びをしながら言う。
「そうそう気軽に行こうよ気軽に。」
フルガナは呑気に屈伸をしている。
(この二人は本当に大丈夫なんでしょうか・・・。)
そんな心配を消し去るようにガチャガチャと鎧の擦れる音が迫り来る。
「居たぞッ!!指名手配犯の三人だ!何としても捕らえろッ!!!」
先陣を切る兵が指揮を執る。
「まーた随分と来たなぁ。まぁいいや、やるよセレシア。」
「はい。」
二人は兵達の中心に特大の竜巻を起こし戦場を乱す。
(そっちは頼んだよタクト君、アリエッタ。)
城内を走り抜ける二人。
「あっちは頑張ってるみたいだな。」
「こっちもできるだけ早くしないと。」
どんどん階段を降り、深部に降りていく。
するとアリエッタが足を止める。そこには錆びれた金属の扉があった。
「ここからだ・・・禍々しい魔力が溢れてるのは・・・・・。」
「どうやって開ける?」
取っ手を握り開けようとするが厳重に鍵が掛かっていてビクともしない。
「鍵が掛かっているなら決まっているだろう。」
ゆっくりと拳を握り勢いよく扉に向け勢いよく放つ。
扉は音をたて吹き飛んでいく。
「強行突破だ。」
その言葉に何故か安心感を感じた拓斗であった。
「ここから奴らがいる。気を抜くなよ。」
「言われなくても。」
階段を一歩一歩慎重に進んで行く。
灯り一つない階段をゆっくりと降りていると前方から光が見える。
「漸く来たか、待ちくたびれたぞ。」
階段を抜けると大きな広間に辿り着き、槍を構えたネルディハが立ちふさがる。
「随分な歓迎だな。でもその様子だと傷は治ってないみたいだな。」
今までのようにローブは着ていなく、上半身は包帯を巻いたままである。
「あの男がいないなら貴様程度話にもならん。」
そんな安い挑発に拓斗は乗ってしまう。
「言ってくれるじゃねぇか。アリエッタ先に行け、こいつは俺が倒す。」
拓斗周辺の床が凍り始める。
「・・・サリアの救出は任せろ。」
広間の奥に見える通路に向かって走り始める。
アリエッタが通路に走って行くのを見ると、拓斗は口を開く。
「止めないんだな。」
「シュトルから言われているのでな、何にせよ始めるぞ。」
冷気と熱気がぶつかり合う。
「古代魔導兵器解放。」
「原初の巨人ユミルが統べる解けることのない氷の世界。凍りついたものは時を忘れ、血肉すら凍結させるだろう。」
冷気と熱気が強まり始める。
「天地を焼き尽くせ・・・。」
「ここは誰もが忘れた氷の極地・・・。」
二極端の二つがぶつかり始める。
「太陽の神槍ッッ!!!!」
「永久凍土の世界ッッ!!!!」
燃え盛る灼熱の槍と広がる氷の世界。
ブリューナクの炎が氷に触れた部分が溶け始めるが、溶けたところを更に氷で覆いまた溶かされると繰り返される。
「加減はなしだ!!凍てつく雪ッ!!」
触れただけで相手を凍結する雪が降り始める。
「はぁあッ!!」
ネルディハはブリューナクの火力を上げ、自分の周辺に炎を纏う。
雪は炎に触れると音をたてて溶けていく。
「氷が炎に勝てるとでも思ったか?」
余裕な表情を浮かべるネルディハに次々攻撃を仕掛けるが、纏っている炎を突破することができない。
「くッ!!」
氷の世界にどんどん魔力を流し込み全力でネルディハを攻撃する。
氷でできた鎖、槍、剣、矢や氷塊、氷柱、雪崩も全てブリューナクの炎に溶かされる。
「何だその程度か?貴様の全力がその程度が本気とは情けないな。」
ゆっくりと歩みを進める。
「クソ!クソ!クソ!クソ!クソッ!!」
氷の世界から放たれる攻撃はネルディハの歩みを止められない。
そしてとうとうネルディハと拓斗の距離が三メートルを切る。
「貴様の敗因は奥の手を信用しすぎたことだな。」
ブリューナクを構え拓斗に向ける。
「・・・・・。」
拓斗は俯き何も言わない。
「死に際に喚かいとは意外だな。どちらにせよ殺すがな。」
ブリューナクの火力が再び上がる。
「塵一つ残さず燃やし尽くしてやろう。」
ネルディハが拓斗を貫こうと思った瞬間。
「待ってたぞ・・・・お前が近くに来るのをなッ!!」
拓斗が手を広げると、手を広げた先にグリモワールが現れる。
「いま真名を解放する!!」
グリモワールから今までの戦闘で感じられなかったとてつもない量の冷気と魔力が溢れ出す。
その量にネルディハは後退りする。
「万物を凍結させよ!!氷の書、コキュートスッッ!!!」
氷の世界の温度が急激に下がり、ブリューナクの炎がなければネルディバの全身が完全凍結する程となる。
「正直賭けだったけど人間補正がかかったな。」
ネルディハは自分の根底から溢れ出す恐怖で身体を動かすどころか拓斗を直視するので限界である。
「人間の本気ってやつを見せてやるよ。」
世界を包む濃密な魔力と冷気が震える。
言い訳をさせていただくと四月は普通に忙しすぎて無理でした。
GWは正直時間がかなりあったのですが間隔が開きすぎてモチベがダダ下がりだったのです。
次回の投稿は早めにするのでよろしくお願いします。




