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【ガチ内政・科学無双】水の聖女と転生王女の異世界改革録~科学知識と政治力で、滅亡する王国の未来を変えてみせます~  作者: GOM


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第34話 急展開は想定外

「いつもと眠る部屋が違うのも、変わって良いわね、ティア」


「エッタは枕が変わっても眠れる人なの?」


 いつもと逆にエッタを神殿に呼んでの会議。

 精一杯の御馳走で御接待をした後、わたしの寝室にベッドを増設して、いつものパジャマパーティ中。


「姫さま、寝つきが良くてどんな場所でも眠れるようです。こと、抱きつく対象が居ればいいそうで、逆にワタクシの方が苦労しています」


「それで、いつもティアちゃんが殿下の抱き枕なのですね」


「だってぇ。ティアの抱き心地が良いんだもん。程よいサイズと柔らかさなのよ?」


 ……わたし、王女殿下専用抱き枕なのかしら?


 いつも通り、お茶と甘いお菓子をベッドサイドテーブルにおいてのお茶会。

 相談内容は、工事に対する妨害工作についてだ。


「警備をガルダさんに頼んだのよね。どんな感じかしら?」


「ええ、エッタ。ガルダさんは怖いお兄さんたちに知り合いが多いらしいから、警備に雇ってもらったの。ルナールさんのところからも数人お願いしているわ」


 夜間に工事現場を荒らされる様なことが多々あり、警備を神殿や王国騎士団からずっと借りる訳にもいかないので、独自の警備兵を採用する事になった。


「警備が始まって数日になりますけど、今のところは異常なしですね。発生した事件を考えるに単独、もしくは少人数による犯行と思われますの」


 発生した事件で一番大きな被害が出たのが、矢板損壊による生き埋め。

 続いて矢板への放火。

 後は機材の盗難が数件。

 破壊工作二件以外は、正直今回の主犯にしてはお粗末な事案。


 ……実際、盗難事件のうち一件は、盗んだシャベルを雑貨商に下取りに出していたから犯人が捕まったわ。スラム出身のコソ泥さんだったけど。


「放火にしても矢板への斧攻撃も、一人で出来ない事もないですが、見張り無しで犯行は考えにくいですわね、ティア。2人態勢(ツーマンセル)での犯行かしら?」


「ええ。そんな気がしますの、エッタ。放火現場も生き埋め現場も、消火や救助活動で犯人の足跡(ゲソコン)が消えてしまいましたのが残念ですわ」


 ……イカの脚が下足(ゲソ)っていうから、足(ゲソ)の痕跡。略してゲソコンっていうのは、前世の刑事ドラマで見聞きしたことがあるわ。


 決定的な証拠もなく、警備体制が整って以降、大きな事件は起きていない。

 このまま、今晩も何もなく終わるのだろう。

 そう、わたしは思っていた。


「では、今晩はこのくらいにしましょうか。リッカさん、セリーヌ。準備を」


「はい、殿下」

「御意、姫さま」


 サイドテーブルの飲み物やお菓子を片付け、魔法灯を消そうとした瞬間。


「聖女さま! 御就寝のところ、申し訳ございません。先程、工事現場警備と名乗る者が神殿の門の側で倒れていました!」


「な、何ですって!? エッタ。申し訳ありせませんが、わたしは、今から救護に参ります。リッカ、付き添いお願いします!」


 寝室のドアが激しく叩かれ、男性神官の声が大きく廊下から響く。

 わたしはベッドから跳ね起き、指示を出す。


「ティア。わたくしも同行します。SPCに関しては、わたくしも責任者。それに警備が襲われたのなら、賊が近くにいる可能性も否定できませんですもの。セリーヌ、良いですわね」


「御意、姫さま。お二人をお守りするのであれば、同じ場所に居られた方が守りやすいです」


 来なくてもいいと思ったのに、エッタも起きだして上着を羽織る。

 セリーヌも上着と剣をベッド横から取り出していた。


「しょうがありませんですわね。エッタ、血を見て気絶しないようになさってくださいませ。すいません、遅くなりましたが医務室まで案内してくれますか?」


 寝室のドアを開き、わたしたちは男性神官に案内されて神殿の医務室に急ぎ足で向かった。


◆ ◇ ◆ ◇


「で、倒れていたのは何方ですか?」


「まだ小さな子ども。少年だったので、警備員と名乗るのが不自然とは思いました。しかし、背中に刃物が刺さったままでしたので、急ぎ医務室に運んだ次第。なお、司祭長さまは、少年の証言を聞き、騎士さまを数人連れて飛び出してしまいました」


 ……警備に子ども? 一体何があったんだろう。司祭長(かあ)さまが治療を放置して飛び出したのも気になるんだけど。


 医務室に向かう途上で、わたしは男性神官から状況を聞く。

 気になる事は多々あるが、まずは目の前の命を救うのが優先だ。


「とりあえず、そのお子さんを救いま……。え!?」


 気合を入れて入室した医務室。

 治療台の上に横たわっていたのは、血に汚れ背中に刃物が刺さったままの少年。

 うつ伏せで横たわる、血の気の無い彼の顔を見て、わたしは驚いた。


「リュカくん! 嘘ぉ!」


「そんな! リュカくんを警備に出していたの、ティア!?」


「い、いいえ、エッタ。子どもたちは危ないから、絶対夜に出歩いたらダメって言ってたのに!?」


 酷い怪我人を治療せねばと、心積もりをしていたはずだったわたし。

 しかし、横たわっていたのが、いつも懐いてくれていたリュカだったことで、わたしが築いていた、ちっぽけな心の守りは壊れてしまった。


お読み頂き、ありがとうございます。


面白い、続きが読みたいと思って頂けたなら、『ブックマーク』と広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけたら、とっても嬉しいです^^


皆様の声援が、作品を書き続ける原動力となります。


なにとぞ、今後とも応援を宜しくお願い致します。 

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