燃え盛る
それから数ヶ月間、僕らは億万長者を目指し、より強い武器や防具を求めてダンジョンを回った。そんなある日のことだ。いつものように町の宿屋で眠りについていたとき、突然襲った胸騒ぎで目が覚めた。
予感は的中した。
「火事だ!! 起きろイアン!」
窓の外から黒煙が上がっていたのだ。慌ててイアンを叩き起こし、ペティたちのいる隣の部屋に駆け込んだ。すると、ペティもマードラもすでに起きていて、四人で階段を駆け下り、急いで外へ出た。
そこは、地獄絵図だった。
「何がどうなってるんだ?」
町中が火の海に飲まれ、真っ赤に染まっている。それだけではない。逃げ出してきた人々を待ち構えていた男たちが追い剥ぎをし、金品を片っ端から奪っている。僕らが襲われなかったのは、強い冒険者が泊まっていることを恐れてのことだろうか。
「酷い……急いで助けなきゃ!」
惨状を見て、急いで駆け出すペティ。マードラ、イアンも脇目も振らずに走り出した。
しかし、僕は動かない。いや、動けなかった。
なぜなら、背後からの視線に、その主に、気がついていたからだ。
「……なんでだよ」
信じたくはなかった。
「ーーーーなんでなんだよ!!」
しかし、
「マサユキ!!」
その手に持った松明と、腰にぶら下げた火炎瓶が、それを許さない。
「……お前には、関係ないだろ」
松明を投げ捨て、背中の両手剣を抜くマサユキ。その装備は泥と血にまみれ、錆びついて鈍く光っていた。一見、勇者のような頭部をのぞいた全身鎧。しかし、そのぎらりとした輝きがそれを否定している。他の盗賊たちと違って身軽な装備でないのは、逃げる必要がないからだろうか。
「こんなの、ユーリエが知ったら!!」
「ーーーーユーリエは死んだ。もう、何ヶ月も前にな」
「は?」




