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異世界転生がリアルすぎる!?  作者: 全州明
二章 勇者マサユキ編
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炎上する

「ユーリエ!!」

 炎上する馬車。耳がつんざけるほどの悲鳴、怒号が飛び交う中、青年は腕に寄せた一人の少女に呼びかける。

「ユーリエ、ユーリエ! しっかりしろ!!」

 炎が草木に燃え移り、燃え盛る草原の中、青年はそれでも少女に呼びかける。

「マサユキ、さん……」

 その声がついに届いたとき、目の前の馬車が音を立てて崩れ落ちた。

「ユーリエ……」

 青年から流れ出たしずくが少女のほほにあたり、涙となって垂れ落ちる。少女の服や肌はすすけ、あちこちから血がにじんでいた。その様相はまさに満身創痍だ。それでも、少女は力を振り絞り、言葉をつむぐ。

「信じてました、信じてました。ずっと……」

「ユーリエ……今、今助けてやるからな」

 青年が懐から回復ポーションを取り出そうとするのを、そっと手のひらをそえて少女がとめる。

「いいんです。他の方のために、使ってあげてください」

「そんな、ユーリエ」

 その言葉の意味を、少年は誰よりも理解していた。

 それは世界一優しくて、残酷な言葉だった。

 少女が、目を閉じる。抱き寄せられた少女の震えが、温もりが、しだいに弱まって行く。

「ユーリエ?」

 返事はない。

「ユーリエ……ユーリエ!!!!」

 青年が、肩を握りしめ、強く揺さぶる。返事はない。

 それでも、青年はいつまでも呼びかけ続けた。

 が、いつまでも、返事はなかった。

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