表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生がリアルすぎる!?  作者: 全州明
二章 勇者マサユキ編
PR
20/28

勇者マサユキ

「なんだ? どうした?」

 黒ずくめの男たちの中で動揺が広がる。

「お前ら、全員動くな!!」

 倒れた男の後ろから、一人の青年が姿を現した。金と青の装飾を施した鎧を全身に着込んだその男は、金色の柄の両手剣を構える。

「……ふっ、一人か。命知らずめ」

 リーダー格の男が笑う。茶髪の男も振り返り、振り上げていた片手剣を青年に向けなおした。

「やれ」

 その一言を合図に、黒ずくめの男たち全員が剣を抜いた。

「はああぁぁーーーーーーーーーーーっっ!!!!」

 走り出す両手剣の青年。取り囲む黒ずくめの男たちを、一人、また一人と倒して行く。まさに一騎当千の勢いだった。

「なんだアイツは?」

 涼しい顔をしていたリーダー格の男が血相を変える。

「くそっ!」

 僕を牢屋に押し込み、走り出す金髪の男。両手剣の青年は迫り来る毒々しい短剣をひらりとかわし、剣の柄で金髪の男の頭を殴りつけて気絶させた。

 続いて、後ろから切りかかってきた男に即座に反応。数秒の鍔迫り合いのあと、敵の手元をブーツで蹴り飛ばして武器を飛ばす。

「ーーーー終わりだ。奴隷を解放してもらおうか」

 両手剣を片手で突きつける青年。気づけば、黒ずくめのローブを着込んだ男たち全員が地面に倒れ伏していた。

「すごい……」

 思わず感嘆の声が漏れる。

「……鍵はあの茶髪の男が持ってる。好きにしろ」

 聞き終えるや否や、両手剣の青年は剣の柄で男を殴り、一瞬で気絶させた。そのままこちらへ振り返り、鍵を拾って歩み寄って来る。

「ユーリエを知らないか?」

「ユーリエ?」

 リングにぶらさがった無数の鍵を順番に試しながら、青年は続ける。

「あぁ。水色の長い髪に、色白で小柄な少女で、歳は俺と同じくらいだ。ここにはいないようだが……」

「奥にまだ捕まっている人たちがいるみたいなの。ひょっとしたらそこかも」

「そうか」

 ちょうど言い終わるタイミングで鍵が開き、牢屋の扉が開いた。青年は扉が開くのを確認すると、何も言わずに奥へと向かっていった。

 顔を見合わせる僕ら。

「とりあえず、出よう。やつらが起き上がる前に」

「そうね」

 状況がのみこめないらしく、ぎこちないペティ。

「助かった、のよね?」

「うん……多分」

 ひとまず階段を登り、バルグの洞窟の入り口で青年を待つことにした。しばらくすると、ぞろぞろと捕まっていた少女たちが出て来たあとに、肩を落とした様子の両手剣の青年が現れた。

「あ、あの!」

 ペティが声をかけると、青年がこちらを振り返る。

「助けてくれて、ありがと」

「礼なんていらない。俺はユーリエを探しに来ただけだ」

「その、ユーリエって子、大切な人なの?」

「あぁ。だがここにもいなかった……無駄足だったな」

「無駄足ってーーーー」

「言ったろ? 俺はユーリエを探しに来ただけだ。お前らを助けたのは、たまたまそこにいたからだ。だから礼なんていらない。それより、ユーリエを見かけたら教えてくれ。酒場の受付に、勇者マサユキといえばわかる」

「勇者マサユキ!? それって、各地の奴隷たちを解放して回ってるっていう、あの!?」

 ペティの言葉に、マードラたちも驚きを隠せないようだ。

「そんな噂が立ってるのか? まぁいい。見かけたら知らせてくれ。じゃあな」

 それだけ言って、勇者マサユキは去っていった。僕らや、助け出された少女たちになど、見向きもせずに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ